光秀の定理 (角川書店単行本) [Kindle]

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  • KADOKAWA / 角川書店
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感想・レビュー・書評

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  • 明智光秀とベイズの定理(厳密にはモンティ・ホール問題)がどのように関係するのか興味があって購入。

    内容的には架空の登場人物がメインのお話で、その登場人物が光秀に、ベイズの定理を用いて敵の待ち伏せ先の予測を行っている。

    お椀の中の碁石を用いたベイズの定理の仕組みの部分の説明は非常に明快で、これは他の人への説明にも使ってみたいと感じた。

    ただ、その基となる六角氏による待ち伏せ部隊の配置場所の決定と光秀による偵察の部分は、光秀側が六角氏側にどの道から攻めようとしているのかを伝えていないという点で、モンティ・ホール問題とは異なるのではないかと感じた。

    とはいえ、モンティ・ホール問題での正解(変えた方がよい、自分が変わらなくても周りは変わっている)と信長、光秀及び秀吉との関係について言及されており、ベイズの定理を時代小説で何故取り上げるのかも明確になっており、細かいことを気にしなければ十分楽しめる。

    また、何故光秀が本能寺の変を行ったかについて、動機の面及び家臣団という能力の面で考察されており、この点も興味深かった(とはいえ光秀以外について詳しく調査・考察されているわけではないので、一つの仮説として楽しませてもらっただけだけど)。

  • 歴史小説と思いきや、時代小説。時代小説と思いきや歴史小説。
    そんな中途半端な印象の一冊。
    美濃、斉藤道三亡き後、貧窮を極めた生活をおくる京での明智光秀と京の辻で出会う坊主と兵法者を軸に物語は進む。
    とはいっても決して明智光秀の立身出世物語というモノでは無い。

    市井のモノである坊主と兵法者からみた光秀を描くのであれば、もっと光秀のエピソードを第三者的に書くべきでは無かったか?
    その視点が行ったり来たりしている分、この小説が歴史小説なのか時代小説なのかよくわからない印象を与えている。

  • 地獄極楽 心次第
    笑って暮らすが 極楽ぞ
    朝は早起き 夕べはたのし 春は種まき秋は月
    好きこそものの 上手なれ

  • 歴史推理を期待していたけど、良い意味で全く裏切られた。読後が爽やか。読んで良かった。

  • 歴史推理を期待していたけど、良い意味で全く裏切られた。読後が爽やか。読んで良かった。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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