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感想・レビュー・書評
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・堤未果の「株式会社化する国家」が一番目を引いたが、内容は「貧困大国アメリカ」のサマリといった感じだった。
【目次】
特集 市場化される日本社会
【コーポラティズムとの対峙】
株式会社化する国家──奪われる私たちの選択肢
堤 未果 (ジャーナリスト)
【人間のためのシステムを】
市場を民主主義の制御のもとへ
神野直彦 (東京大学名誉教授)
【給付抑制と負担増を問う】
岐路にたつ社会保障──安倍政権の社会保障改革は何を狙っているか
伊藤周平 (鹿児島大学)
【ル ポ】
市場化される医療に希望はあるか?──超高齢社会へ医療福祉の試行錯誤
山岡淳一郎 (ジャーナリスト)
【求められる国際協調】
国境を越えて公法の網をかいくぐるマネーをいかに規制すべきか──まっとうな納税者にツケをまわさないために
志賀 櫻 (弁護士)
【最悪のシナリオ】
市場化パッケージとしてのTPP──利潤か、人間か
内田聖子 (PARC事務局長)【執筆者からのメッセージ】
【ル ポ】
狙われた農協──山形JAへ立入検査の背景
横田 一 (ジャーナリスト)
世界の潮
●リニア中央新幹線の準備書公表──疑問にJR東海は応えたか
樫田秀樹 (ジャーナリスト)
●オーストラリア総選挙 盛り上がりに欠けた6年ぶりの政権交代
杉田弘也 (神奈川大学特任教授)
政党政治の行方
2012年衆院選・2013年参院選──民主党票はどこに消えたのか
谷口将紀、梅田道生、孫斉庸、三輪洋文
座 談 会
尖閣国有化一年 「力の逆転」にどう向き合うか──新華夷秩序の形成と行き詰まる日中関係の中で
天児 慧 (早稲田大学)、山本秀也 (産経新聞)
佐藤 優 (作家、外交評論家)
対 談
「愛国」のタブーを超えて日中は関係の正常化を──葛藤を抱えつつも接近する米中のはざまで
加々美光行 (愛知大学)、時殷弘 (中国人民大学)
財政社会学者の警鐘
破綻するのは自治体ではない 日本社会である
井手英策 (慶應義塾大学)
デトロイトの破綻──社会秩序を照らし出すもの
エリオット・ブラウンリー (カリフォルニア大学名誉教授)
租税抵抗が生み出した都市の危機
アイザック・マーティン (カリフォルニア大学)
インタビュー
汚染水問題は廃炉に向けた困難な作業の入口にすぎません
馬淵澄夫 (衆議院議員)
新連載ルポ
被災地発・内発的復興への挑戦 第1回──福島だからこそ自然エネルギー
大江正章 (編集者・ジャーナリスト)
東京五輪の真実
オリンピックはマネーゲームのアリーナか
稲垣正浩 (日本体育大学名誉教授)
あまりに危険な秘密保護法
まったく新しい秘密法制が構築される
西山太吉 (ジャーナリスト)
秘密保護法の何が、なぜ、問題なのか
山田健太 (専修大学)
秘密保護法は暴走する──「特定秘密」とは何か
桐山桂一 (東京新聞)
立憲主義への挑戦
静かに進められる実質的改憲──安保政策の根本的変容
青井未帆 (学習院大学)
緊迫する中東情勢
シリア 武力紛争の2年半は何だったのか
青山弘之 (東京外国語大学)
エジプトに彷徨う「ナセルの亡霊」──7月3日が突きつけた課題
長澤榮治 (東京大学)
オスロ合意から20年 サイクス・ピコがほくそえむ
小田切拓 (ジャーナリスト)
もう一つの注目点
婚外子相続分差別規定の違憲決定と「個人の尊厳」
泉 徳治 (弁護士、元最高裁判事)
ル ポ
発泡酒、新ジャンル 酒税の歪みが生んだ合成ビールを飲まされる日本人
古木杜恵 (ルポライター)
追悼・品川正治さん──「9条の旗」を継いでいく
小森陽一 (東京大学)
連 載
●裁判官の余白録 第2回
お茶と紅茶
原田國男 (慶應義塾大学)
●未完の戦時下抵抗 最終回
剣を収めよ・浅見仙作 (下)──見果てぬ夢
田中伸尚 (ノンフィクションライター)
●脳力のレッスン (139) 特別編
思考停止の夏と希望への視界
──リベラルの危機と再生 (その4)
寺島実郎
●片山善博の「日本を診る」 第49回
『はだしのゲン』を教育委員会再生のきっかけに
片山善博 (慶應義塾大学)
●フタバ 原発に翻弄された町 第3回
──「善意」が生んだ町民の分断
葉上太郎 (ジャーナリスト)
●沖縄(シマ)という窓
非入所者の沈黙 ハンセン病問題のこれから
山城紀子 (フリーライター)
●メディア批評 第71回
神保太郎 (ジャーナリスト)
●おきなわ散歩 第59回 逃げろ
比嘉 慂 (漫画家)
●世界論壇月評 朱 建 栄/竹田いさみ/吉田文彦/石郷岡 建
●ドキュメント 激動の南北朝鮮 第195回 (13.8〜13.9) 編集部詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
市場化される日本社会が特集のテーマ。
デトロイトの破綻を扱ったものが惹かれた。
あと、ビールへの課税と第3、第4のビールの関連のものもおもしろかった。 -
今、日中は帝国主義国家同士の関係になっている。
日中関係を良くも悪くもするのはソフトパワー。 -
○株式会社化する国家(堤未果)
やっぱりこの人のアメリカリポートはすこぶる面白い。とくに教育の市場化に関して、生徒が集まらない学校や学力テストの点数が低い学校が次々に廃校になり低所得層の教育機会が奪われていること、学力重視で音楽や体育の授業が廃止されていることなど、興味深いトピックが多い。
○市場化される医療に希望はあるか?(山岡淳一郎)
医療に市場原理が導入されると、増加する総医療費に引っ張られて公的医療費も増え財政リスクが高まる。現政権もそれを認識しているため、急進的な市場化とは距離を置いている。アメリカみたいになってたまるかという話である。 -
特集「市場化される日本社会」、副題「奪われる私たちの選択肢」。最初に先日の堤未果氏を読む。米国例に公教育の変質が転落の入り口になる下りが恐ろしい。新自由主義以前、聖域のはずの教育さえ子ども犠牲でじゃんじゃんすすめる投資・マネーゲーム。そこまでされても変えられない国、まさに富裕層には夢の国だ。それを必死にまねたいアホ顔の首相いだく我が国が悲しい。国民総所得の約2割を有する1%の富裕層が残り99%の人間を消費する米国。この狂ったアメリカンドリームの始まりと維持に「学力向上」が何よりも貢献しているのが興味深い。教育が人を変えるは真理。このアホな話を見習うに必死なアホな指導者をいだく我が国は、行きつき先が大変わかりやすくなってきた。TPP、憲法改悪、集団的自衛権、秘密保護法、教師格差と権威剥奪…。この雑誌の存在は貴重、批判こその論壇が見事に狭くされている時代がうそら寒い。