30分でわかる「会社の数字」―週刊東洋経済eビジネス新書No.27 [Kindle]
- 東洋経済新報社 (2013年5月18日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (75ページ)
感想・レビュー・書評
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わかりやすい。
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比較的分かりやすい、「ここは重要な計算式!」というものを事例を合わせて紹介している1冊。
【安定性】
第一に超短期な安定性指標、すぐに使えるお金がどの程度あるのかを知る「手元流動性」。一般的な目安では大企業で1カ月以上、中小企業で1.5カ月以上は欲しい。
手元流動性(カ月)=(現預金+換金しやすい流動資産)/1カ月分の売上高
次に短期でつぶれてしまわないかどうかを知る「流動比率」。一般的な目安は120%以上。
売掛金のほとんどない、電車やコンビニなどはもっと低くても大丈夫。一方で在庫や売掛金を多く抱えるアパレルなどは120%以上欲しい。
流動比率(%)=流動資産/流動負債×100
最後は中長期の安定性、就活や株を買うかどうかを判断するための、「自己資本比率」。
製造業のように固定資産を多く使う業種では20%以上、卸売行のように流動資産の多い業種でも15%以上が望ましい。
自己資本比率(%)=自己資本/総資産×100
【収益性/成長性】
先ずは売上高が伸びているのかの「増収率」を見る。
増収率(%)=(今期売上高-前期売上高)/前期売上高×100
その次に、売上高を立てるのに原価がどのくらいかかっているかを知る、「原価率」。
原価率(%)=売上原価/売上高×100
続いて、どのくらい付加価値があるのかを「粗利率」でみる。
粗利率(%)=売上総利益/売上高×100
※実は粗利率と原価率は、裏腹の関係。
粗利率(%)100-原価率
粗利率から、間接部門の費用である販管費を引くと本業の利益、「営業利益」が見える。
売上総利益-販管費=営業利益
営業利益を売上高で割ると、「本業の利益率」が出る。
売上高営業利益率(%)=営業利益/売上高×100
【決算書の読み方】
①目的をもつ、②比較する
①差し迫った目的がない時には、「儲かっているか?(収益性)」「つぶれないか?(安全性)」を見ること。
②比較は大別して、過去と現在、自社と競合の2パターンがある。
【収益力】
①3つの利益額の変化、②利益率、③ROA、を見る。
①5つの利益
1.営業利益:本業で獲得した利益
2.経常利益:通常の活動で獲得した利益(基礎体力)
3.当期純利益:株主からのお金をどれだけ変化させたか
ROA=利益/総資産=(利益/売上高)×(売上高/総資産)
まず、3つの利益に急激な変化がないかを損益計算書で確認する。
それに加えて、数字の比較だけでは「どの程度の変化」かイメージしにくいので、それぞれを売上高で割った、「利益率」で見てみる。
会社が儲かっているかどうかは、ROAで見る。ROAを高めるには①利益率か②回転率、のどちらかを上げる必要がある。
【ROE】
ROE=レバレッジ比率×総資本回転率×当期純利益率
当期純利益/自己資本=(総資本/自己資本)×(売上高/総資本)×(当期純利益/売上高)
レバレッジ比率:自己資本に対して何倍の借り入れをしているのか
総資本回転率:売上高が総資本の何倍かを示す
当期純利益率:売上高を利益に変える力
・PLの当期純利益はBSの利益剰余金に加算される
・PLの税引前当期純利益はキャッシュフロー計算書の冒頭と一致
・キャッシュフロー計算書の期末現金および現金同等物はBSの現預金とほぼ一致
【CF】
・本業での稼ぎを示す営業CF(通常は+)
・投資にいくら使ったのかを示す投資CF(通常は-)
・借入や返済などの財務活動の出入りを示す財務CF
・営業CF+投資CF=FCF