これの前作『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』がつまんない映画だったのと、予告で見た「居酒屋だるま」のせいで劇場に観に行きませんでしたが、けっこう良い映画でした。
前作は★2。今作は映画としては★3ですが、X-MENの原作ファンとしてはかなり面白かった・・・というか非常に「惜しい」映画。良かったところも多いです。
まずウルヴィーっていうかローガンは「サムライの魂を持つ男」なんですが、これはなぜかというと日本に居たことがあるからでそれが今回のエピソード。このマリコとシルバーサムライの話は原作ファンには非常に人気が高い。彼らの初登場後にこの映画のベースになってる話が描かれたんですが、作画は『ダークナイト』や『シンシティ』『ロボコップ2・3』のフランク・ミラー。この人は日本のニンジャやサムライが大好きな人ですね。
監督や製作者サイド曰く「日本が描かれてる映画は変なのが多いから、日本人スタッフに訊いてちゃんと描くように努めた」らしいんですけど、どこがじゃ!!!wという内容。ツッコミどころは全部!狙ってやってるような感じさえあってゲラゲラ爆笑できます。ほんとに腹筋痛い。でも原作はアメコミだからもっと変なんだよー!
その反面、芝の増上寺をロケに使ったりしてて(あそこはコンサートとか比較的オープンみたいですが)日本ロケのシーンが非常に充実してます。秋葉原とか大三島とか素晴らしい。
その代わりにめっちゃワープしますwwww芝から秋葉まで一瞬だし、長崎から車で東京に帰るしw カタナ持ってるからキルビルみたいに飛行機で日本行けないでしょ?と思ってたら自家用ジェットでよかったんだけど、国内の移動が車w
劇中の設定だと新幹線で福岡まで行って長崎に行くんですが、ロケ地は福山市(広島)です。たぶんロケの都合上、今治に近いからでしょうね。福山駅って『かみちゅ!』かよと。
そういうツッコミどころはどうでもよくて笑うところなんですけど、すごくよかったなと思うのはこれら日本文化の入れ込み方。シルバーサムライは原作だとミュータントなんですけど、非常に「日本的」になってる。やはりヒュー・ジャックマン主演の『リアル・スティール』かよ!と。扱い方が非常に近い。それと野獣(ウルヴァリン)vsエコノミック・アニマルかよ!wみたいな。
悪い点、挙げればキリがないですがまずアクション。これは最近のハリウッド映画全部そうなんですがアクション映画が非常につまらない。昔はポール・バーホーベンみたいな頭のおかしい人がいたからよかったんだけど、最近のはほぼ全部面白くないです。ジェームズ・マンゴールド監督は『3時10分、決断のとき』とかよかったんだけど。
他の人も書かれてますが、真田さんとの対決シーンとかもうちょっと面白くしてもよかった。あと、全体的に日本人がすごいんです。大戦中に無敵のウルヴァリンを捕虜にしてるし、ヤクザはがんばって闘うし、真田さんはウルヴァリンに勝つしw 日本人はウルヴァリンより絶対つえぇよなー。
逆に、ドラマパートがよかったかというとこれがすごく惜しい。メインのプロットはとっても良いのに・・・。マリコとの恋愛をもうちょっとちゃんと描けてたらというのがひとつ。それとおじいちゃんの行動原理。
「シルバーサムライはヤシダ家を守護する」存在なので、おじいちゃんが「ヤシダ財閥と孫娘のマリコを守る為に永遠の命が欲しかった」って話にできてたらかなり面白くなったと思います。
福島リラさんて『軍師官兵衛』で初めて見て、『スプライス』っていう映画にでてくるやつみたいでショックを受けたんですがw、この映画ではあれより全然マシでした。