復活の地2 [Kindle]

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  • 人口の約1割に当たる55万人が亡くなり、都市機能を完全に失った帝都トレント。

    復興院総裁として帝都震災からの復興に辣腕を振るうセイオ。矢継ぎ早に合理的・必要不可欠な措置を講じるセイオだったが、その性急で強引すぎる対応は民衆から強い反発を食らう。「皇室の信任を受けながらも皇室と対峙し、高官の地位にありながらも被差別民と対話する、レンカでは稀に見る果敢な平等主義者。しかれども大義に邁進するあまりやや強硬に過ぎ、このままでは遠からず四面楚歌の果てに政権中枢から放逐されること必定」。

    一方、首相の座を獲得したサイテンは、震災復興という厄介な事業を復興院に押しつけ、批判の矢面に立たせた上で予算を認めず窮地に追い込んでいく。権謀術数を用いて権力を掌握した彼の野望は、軍備を増強してレンカ帝国の星間進出を果たし、皇権を排除してその独裁者に収まること。

    摂政に就任したスミルは、セイオの憎しみのこもった眼差しや言動に強い反発を覚えつつも、その無私な考えと行動力に引かれていく。外遊して視野が広がったスミルだが、カンガータの寺院で儀式を執り行っている最中政治家とともに山津波にみまわれる。そして九死に一生を得たセイオから、母親が卑族民ジャルーダ人であることを打ち明けられる。

    そして明かされる帝都震災の原因。大質量の天体=星代に造られた人工兵器が惑星レントを近接通過し、その強い重力が引き起こしたものだった。そしてこの人工兵器はレントに再び戻ってくることも判明した。第2の帝都震災まであと100日あまり…。

    第2巻ではグレイハンの影薄かったな。メインキャラじゃないのかな?

    読み応えたっぷりだった。最終巻が楽しみ!

  • 復活の地2

  • 第2巻。震災前に書かれたというのが結構衝撃、表紙で損してると思うんだけど中身はそんなにライトじゃない、失われたSF的テクノロジで起きた未曾有の大震災に対峙する人々の物語。主人公ライオが再被災からの腕を失いつつ、再度来る震災に備えて覚醒、最終巻へ。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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