- Amazon.co.jp ・電子書籍 (242ページ)
感想・レビュー・書評
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凄いSF作家がいたものだ。
過去へタイムトラベルして人類を根絶しようとするETと、人類が生み出したそれを追いかけるアンドロイドとの時間軸を超えた戦い。
主戦場は女王卑弥呼の時代・日本となるのだが、なぜそこがクローズアップされているのかが、各時間軸の戦闘を追いながら破綻することなく明かされていく。
そして終わりのない絶望的な戦いに救いがもたらされる最後は圧巻。人類史を股にかけたこれだけの量の全ての伏線がズバッとまとまるのだから凄い。
SF小説として文句なしの満点だ。 -
Kindleのハヤカワセールで買ってみた初めての作家の本。
人類を滅亡に追い込むETと戦うため、過去に遡って歴史を変えようとする知性体メッセンジャー…というありがちな設定だが、人類が滅亡しない1つの時間軸のために時空を巡って何度も撤退戦を繰り返す彼らの葛藤や、最終防衛ラインともいえる時代の卑弥呼との交流など、淡白な描写ながら心に響くものがあった。SFってやっぱりいいなと思わせてくれた作品。
この著者は他の本も読んでみたい。 -
良かった。
時間を遡りながら、人類を滅ぼそうとする謎の生命体と戦いを繰り広げる人工知性体の話。
SFとしての舞台設定がよく出来ていて、単純に「過去に干渉して未来を変える」だけではない深みがある。 -
いまいち。
時間分岐をタイムリープと組み合わせて、理論的に突き詰めていくというやり方は面白いのだけれど、だからといって個人的にセンスオブワンダーを感じられるほどのびっくり理論が登場するでもなく、「まあ、そういうロジックになるよな」以上のことは思わなかった。敵の機械群の目的及び動機も単純で「後半になるまで隠しておくほどのことじゃないな」と思ってしまった。
では、ドラマ部分はどうかというと、そもそもそのドラマが生じる必然性が乏しいように感じられてノレなかった。具体的には、オーヴィルがなぜ恋愛をしなきゃいけなかったかってことだ。本文中には「人間的な感性」を持たすためとは書いてあったものの、別に過去世界における人々との交渉事はそれ専用のインターフェイスを作ればいいだけのことだし、むしろ兵士(あるいは兵器)であるモノたちにそんな機能を持たせれば大方動作不良に陥ってしまうに決まってる(そんな感性を有した存在が無限に等しい戦争を継続してれば、精神病の1つや2つ患うことは目に見えている)。かといって、そんなリアリティの欠如を強引にねじふせてしまうほどの独創的なドラマであるとも言えず、ヒロインもハードボイルドなんだかウェットなんだか、描かれ方が中途半端で一貫性がなくて、要は雑で魅力を感じられない。半端なドラマをやるくらいなら、時間遡行だけに集中した方がよかったのでは……?
総合的には、「王道というには粗雑で、独創的というには単純すぎる」といったところか。
……とここまで批判し続けてきたが、ラストが個人的に気に入っているのと、太古の人々が機械群と戦っているという「ホライズン・ゼロ・ドーン」的なビジュアルが好みだったので、星3つ評価にした。 -
読了。
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最高に面白い。ただ時間遡行の概念についてはいくつか矛盾している部分はあると思って気になってしまったが、満足。
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とてもシンプルでわかりやすいストーリーです。
時空を遡りまくっててタイムリープ系に近い感じでしょうか?
個人的に著者の作品は好きな傾向にあるので、自分にはポップで読みやすかったですが、好き嫌いはあるかもしれませんね。