機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(中) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  ガンダム好きなのに、ずっと保留にしちゃってたやつ。映画第一部を観ちゃってから、やっぱり原作読もうと思って、一気に読みました。

     自分が大人になっているのと、アニメじゃなく、小説ってのとで、戦争や思想とか、重いものが突き刺ささった。

  • 地球連邦の腐敗は宇宙世紀ガンダム・シリーズの共通要素である。一年戦争は中央集権的で官僚制の弊害が目立つ地球連邦と、やはり中央集権的な全体主義国家ジオン公国の戦争であった。連邦が中央集権的との説明は、本来ならば白い黒猫のような論理矛盾になるが、ソビエト連邦の例がある。地球連邦はソビエト連邦が健在であった時代ならではの設定であった。地球連邦にもソビエト連邦にも中央集権的で個人を抑圧するというマイナスイメージで共通する。
    冷戦崩壊後の民族紛争を経験し、多様性を重視する立場からすると、地球連邦のような形で統合されること自体があり得ない。それはディストピアである。実際、21世紀の作品『機動戦士ガンダムUC』では反地球連邦勢力に民族主義が反映されている。冷戦崩壊後の作品らしい。この性格は『閃光のハサウェイ』にも見られる。本作品に登場する反地球連邦勢力はアフリカの反植民地運動の名を冠している。反地球連邦に感情移入したくなる。
    『閃光のハサウェイ』は地球連邦の腐敗、官僚体質が一層色濃く描かれる。『閃光のハサウェイ』ではマンハンターという地球連邦の組織が登場し、地球連邦の警察国家的体質を露骨に描く。この組織は『ガイア・ギア』では「マハ」となり、ティターンズ的な存在になるが、元は警察系統の治安機関である。
    軍隊と警察を比べると、日本では軍隊へのアレルギーが強いが、権力の犬となる性格は警察の方が強い。旧日本軍は近衛師団も含めて反乱を度々起こしている。軍隊の反乱への対抗という意味もあり、ソビエト連邦など社会主義国では軍隊とは別系統の内務省軍を持っていた。この点でも地球連邦は全体主義的な警察国家と位置付けられる。

  •  マフティーの反乱では、非常に高性能なΞガンダムが登場するのだが、その割には戦闘は局地戦にとどまる。そして圧倒的な強さを誇るモビルスーツが敵味方陣営に一機ずつあるのだが、そのほかの量産型モビルスーツは強くないだけでなく、数も少ない。地球全体から宇宙までを戦場にして、多くのモビルスーツが登場した一年戦争を描いた「機動戦士ガンダム」と比較すると、そこに違和感とスケールの広がりのなさを感じてしまう。

  • 第15章「おー、嫌だ。大人って、なんでそうなるの?」「想像力がないからさ」これは正に富野風だけじゃなくて、余儀なく本人の言葉だ。
    最初に子供(富野先生にとって年下の全部かな)向けにシリーズがこの程まで成人の視点で書かれるのは好ましい。武と愛と生の三つ葉は古来人類の主題だ。

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著者プロフィール

とみの・よしゆき 「機動戦士ガンダム」シリーズの総監督にして原作者。多くのヒットアニメシリーズを手がけているほか、ノベライズ、オリジナル作品も含めて50冊以上の著作がある。

「2010年 『リーンの翼 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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