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感想・レビュー・書評
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ロシア革命の指導者であるレーニンの著書。
「資本主義の発展段階としての帝国主義」を批判した内容である。
資本主義社会では銀行が富を独占し、さらなる富を追い求めるために他国の植民地支配を目指す帝国主義へと移行する。
その国家間の競争のため戦争となる。
資本主義及びその発展段階としての帝国主義こそが、平和を蝕む。
従って、市民が一致団結して平和を追求することが必要である。
大まかに言うと、これがロシア革命の目的となったプロレタリアの世界だ。
2月革命で国王を退任させるに満足せず、10月革命で市民による政治を目指した。
レーニン主義が資本の独占を批判していることは理解していたが、資本主義に戦争の原因を見出していることは初めて知った。
本書の内容は、ドイツを中心とした銀行や経済の様々なデータを積み上げた論文である。
レーニンは冷酷なカリスマ的独裁者、というイメージだったので、緻密にデータを取って冷静に論理を構築していることには心底驚かされた。
正確且つまとまったデータなど多くはなかったであろう時代にこの本を書いたことは、天晴としか言いようがない。
大国に革命をもたらすような人はパワーが違う、やはり天才なのだと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
具体的に数値データ例を出して議論している
もっと理屈を捏ね回しているのかと思っていた
やはり読まないといけない -
ホブソンを読む前に、読んだが。
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「すなわち、「自由競争は生産の集中化を生み、そしてその集中化は、一定の段階に達すると独占へとつながっていく」ということである。」
レーニンのよる資本主義批判本。
最終的には銀行が資本を独占する。
マルクス主義批判に対する批判が多く展開されいている。
この本を読んで私が感じたのは、いかに銀行が資本主義を加速させているかについてである。銀行は企業への融資を通じて、その影響力を大きくしていく。近年では、銀行を介さない資金の集め方が普及しており、今後銀行の影響力は衰えると思われる。しかし、それにはまだ時間がかかりそうで、銀行の融資を通じた影響力には気をつけなければならない。