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感想・レビュー・書評
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NHKプロフェッショナルの流儀が宮崎駿監督にフォーカスした。その少し前に、この本を手に取って読んだ。正確には、この本と「失われたものたちの本」を同時に購入したのだった。少し前に「スタジオジブリ物語」を読んで、組織や仲間というものについての論考を読んだような気分になった。
宮崎駿監督の語り口を1度でも聞いたことがあれば、このインタビュー集を文字で読んでも宮崎監督が話すのを聴くような気分になるだろう。作品に全身全霊をかけて取り組むとはどういうことなのか、作品に向き合うとはどういうことなのか、産み出すとはいかなることなのか、宮崎監督を知り、作品を知る手段となった。
まだ、もう少し、宮崎監督を知ってから、改めて作品を見直そうと思うのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本も、ずいぶん前に一度読んでいるんだけど、中身はすっかり忘れていた。新鮮に楽しめたね。作家は作品のみ作っていればいい、という人もいるかもしれないけど、作品を作っている人の話というのも、なかなか楽しいんだよね。続もあるから、読もう。
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す
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1990年から2001年までの5回のインタビューを文庫にしたもの。
かなり濃密な、インタビューというか対談をしているので、時々付いていけなくなる。
私は大体観ているのだが、アニメの色々な場面や、固有名詞を出されると時々理解できない。ほとんどオタク同士で突っ込んでいる。笑いながら。(笑)とか「ーはははは」とかがやたら出てくる。
実は、宮崎駿は1992年時点で引退を宣言しているので、その後21年間つづけて、今年本当に引退(?)することができたのだ。 -
宮崎駿というのは、なんとしちめんどくさいクリエーターなのか。
天才に気難しさや奇行はありがちとはいいつつ、実際割り切るのはなかなか難しい。宮崎はその典型だろう。
アンチヒューマニズムを気どったライトな共産主義者という昔気質のインテリだというのはよくわかる。
その癖、科学万能感を毛嫌いしながら、近未来とポスト一次大戦的な香りの軍事兵器をせっせと描く。そして作品が終わるたびに、「もうほんとにクタクタ、これ以上こんなのやりたくない!」と言ってみせる。
わかっていたこととはいえ、実像が本人の言葉で語られると鬱陶しさが増す。
そして、本書の最大の問題は、インタビュアーの知性が感じられず、作品の本質や演出の意図を掘り下げるという作業を放棄していることだ。
読み始めてしまったから読み通したが、こんな低レベルな対談集を出版するなと言いたい。