新装版 ロードス島戦記 5 王たちの聖戦 (角川スニーカー文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2014年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (380ページ)
感想・レビュー・書評
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戦乱の渦中にある3つの王国で起こる平和のための戦いに、冒険者パーン一行が協力する物語。「ロードス島戦記」シリーズ第5作。
王になることを周囲から説得されるも悩むパーン。3つの王国の王や王子たちの姿を通して、パーンは自分の役割を見出していきます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロードス島戦記は日本のファンタジー小説の金字塔と言われる作品です。水野良さんは西洋のファンタジーの要素を取り入れながら、独自の世界観とキャラクターを創造しました。魔法や剣、竜や神々が存在する架空の島・ロードス島を舞台に、壮大な物語が展開されます。シリーズは7巻まで完結していますが、その後も外伝や続編が発表されています。
第5巻「王たちの聖戦」はシリーズの中でも特に重要な位置を占める作品です。主人公のパーンはカシュー王に「アラニア王になれ」と言われますが、王の資質や在り方に疑問を持ちます。その答えを求めるために、ロードス島南部に向かいます。そこでは三つの王国が戦乱に巻き込まれています。パーンはそれぞれの王たちと出会い、彼らの思惑や苦悩を知ります。そして原初の混沌の力を秘めた「炎の巨人」という謎の存在にも直面します。
この作品の魅力は何といっても王たちの人間ドラマにあります。パーンは三人の王と交流しますが、それぞれの王は自分の国や民を守るために様々な決断や行動をします。しかし、それが必ずしも正しいとは限りません。王たちは自分の信念や理想と現実との間で葛藤します。パーンは彼らの姿を見て、自分が王になることの意味や責任を考えます。
このように、水野良さんは王たちの心理描写や対話を巧みに描き出しており、王たちは単なる敵味方ではなく、それぞれに魅力や個性を持った人物として表現されているのも本巻の見どころと言えます。 -
半独立のエピソード群からなる第5巻。ファイヤー·ジャイアントと竜騎士達との闘いは見応えがありますし、シーリスやカーソンの人間描写も素晴らしいです。全体的に人間描写が重厚になった感じがします。