おれに関する噂(新潮文庫) [Kindle]

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  • 表題作「おれに関する噂」めちゃくちゃ面白かった!大衆の消費の速さを端的に描き出すオチもさることながら風刺どころかダイレクトに描かれるマスコミと大衆の反応を荒唐無稽にも思える設定でコミカルに展開させてて面白い。「熊の木本線」期待以上の傑作。不気味な雰囲気で始まりながら爆笑展開から急展開するオチ。この短い中で感情を揺さぶりまくる筆力もさすがだが何かの暗示だろうかと想像を刺激させるエンディングがまた格別。不気味なホラー話に振り切らない筒井康隆独特の魅力を放ってる。
    「怪奇たたみ男」文章が可笑しい、面白い。内容以上に語り方なんだなと笑いながら感心した。 「だばだば杉」シュルレアリスムチック!どこから自分の夢なのか他人の夢なのか現実なのか、と境界線が曖昧になっていく文章の上手さたるや!「幸福の限界」こんなことを小説で表現してしまえるのか!?文字通りのオチも見事。突き抜け過ぎのドタバタっぷりながらもフィクションに見えない。人間の本質かもしれん。「YAH!」オチの面白さはオマケみたいなもので風刺的なドラマ展開が簡潔見事。鮮やかな面白さに楽しみつつ完成度の高さに唸る。
    「講演旅行」日常から離れ楽しさに酔い出口のない迷宮へと気づかず入り込んでしまう展開にそそられた。「心臓に悪い」このオチ好き!人物の描き方が上手い。主人公があのオチへと到達する追い込まれっぷりをドタバタ喜劇で展開させててホント素晴らしい。 魅力たっぷりの短編集だった。

  • 懐かしい感じ。この感じは、今は流行らないのかも・・・

  • 借りた本。人と本の貸し借りするの久しぶりで新鮮だった。
    皮肉が効いてて面白かった。それじゃあ本末転倒じゃん!ってオチとか、主人公が徐々に異常な雰囲気に飲み込まれてく様子が少し怖かったけど、大体がちょっと憎たらしいキャラだからか、なぜかあんまり可哀想に思えない…。普通ならあり得ないファンタジックな(狂気的)状況にいても、トントン話が進んでいく。畳男とか気持ち悪くてオワワ〜って思いながら読んだ。

  • 古本屋で購入した一冊。過激なショートショートといった感じで読了後も感想が言葉に出てこないような話もあったけど、読んでいて面白かったから良し。「幸福の限界」「心臓にわるい」がガツンと印象に残った。最近SFを読んでいると思うけれど、科学の発展の先はどこなのか、病気も事故もない、生活も不便なしを達成したらおかしくなるのは社会より人間が先かもしれないなと思う。それと話は違うけれど、「幸福の限界」はそういう平らすぎる生活の先にある狂気みたいなものを感じた。「心臓にわるい」はオチはトンチのような話で星新一のような面白さがあった。ただ大げさだけどこういう人いるよなあ、自分ならどこかでセーブがかかるけど気持ちわかるなあと思えてしまう。すこしゾッとした。

  • 突然ありえない不幸に見舞われた男達を主人公にした、悲喜劇のセレクションのような短篇集。中でも「熊の木本線」が傑作。ある意味怪談話よりも怖い。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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