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- / ISBN・EAN: 4988003825355
感想・レビュー・書評
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<ラヴィ・ド・ボエーム>
さして決意もないまま、つるんだ貧乏芸術家3人組のあれやこれやだが、出会いは緩い始まりのはずなのに、画家の最愛の人の最期まで気配りをみせるあたりが、泣ける。
犬に食わせていた骨肉をスープに入れてしまったり、ワイパーに合わせてBGMがリズムを刻んだりと、小技が効いていて大変よい。
ショット展開は的確で、みていてなんの齟齬も感じない。
ユーモアがあふれる悲しい作品。クレジットとともに流れる「雪の降る町を」が心に余韻をもたらす。
【ストーリー】
芸術家の町、パリ。作家のマルセル(アンドレ・ヴィルムス)は家賃不払いのためアパルトマンを追い出され、途方に暮れて入ったレストランでロドルフォ(マッティ・ペロンパー)というアルバニアからやって来た画家に出会い、意気投合する。芸術談議に花が咲いた2人はそのままマルセルのアパルトマンへ戻るが、そこには既に次の住人、音楽家のショナール(カリ・ヴァーナネン)が。かくして3人のボヘミアンな生活が始まった。やがてマルセルは新聞王ガソット(サミュエル・フラー)をだまして雑誌編集の仕事を手に入れ、ロドルフォにも肖像画を依頼してきた資産家のブランシュロン(ジャン・ピエール・レオー)というパトロンが見つかった。さらにロドルフォは隣室の友人を訪ねてきた女性ミミ(イヴリヌ・ディディ)と知り合い、2人の間に恋が芽生える。一時は不法在留がばれ、ロドルフォはアルバニアに強制送還され、その間ミミは別の金持ちの男とつきあっていたが、ロドルフォがパリに戻ってくると2人のよりもまた戻る。こうしてロドルフォ、ミミ、マルセル、その恋人ミュゼット(クリスティーヌ・ムリーニョ)、ショナール、そしてロドルフォの愛犬ボードレールたちの、束の間だが幸福な生活が続いた。だが雑誌の赤字が続きマルセルはガソットに見捨てられてしまい、貧乏な生活に愛想がついたミュゼットは故郷の地主に嫁ぐことを決め、ミミも前の恋人のところに戻ってしまう。再び3人に戻った男たちは、味気ない日々を送ることとなった。時が流れ、ミミが再び彼らのもとに姿を現わした。彼女は不治の病に冒されていた。男たちは全てを投げ売って手術費用を稼ぎ、ミミを入院させるが、花が咲く美しい季節の訪れとともに遂にミミは帰らぬ人となる。「ひとりにしてくれ」と呟くロドルフォ。静かに病院をあとにする男たちの後ろ姿に、「雪の降る町を」の歌がかぶさっていく。
パリを舞台に、3人の芸術家のボヘミアン生活を描く。監督・製作・脚本は「コントラクト・キラー」のアキ・カウリスマキ、原作はアンリ・ミュルジェールの小説『ボヘミアン生活の情景』(Scenes de la vie de boheme)、撮影はティモ・サルミネンが担当、音楽はセルジュ・レジアニが歌う「僕は飲む」、しのはらとしたけが歌う「雪の降る町を」などの既成曲を使用している。詳細をみるコメント0件をすべて表示