日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書) [Kindle]

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  • 一ノ瀬俊也『日本軍と日本兵 米軍報告書は語る』講談社現代新書、読了。太平洋戦争下、本書は「アメリカ陸軍軍事情報部が、部内に向けて発行していた広報誌」掲載の「敵としての日本軍」を材料にその同時代米国人の日本軍(人)イメージを活写する。 http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2882434

    物量の前に破れた精神主義を否定することはできないが、報告「敵としての日本軍」は、それだけに収まりきらない「日本軍と日本兵」の豊穣なイメージを浮かび上がらせる。日本人は開国以来、米国嫌いではなかったし、超人的な志気の高さはほとんど例外だ。

    特攻や玉砕は非合理的の最たるもの。しかし綿密な分析は「日本兵に”超人”性は何もない。同じ人間としての弱点を持っている」と結論づける。対して同時代の日本軍は相手を悪魔化するだけで分析することはなかったのが対照的。この心性は今も続くか。

著者プロフィール

一ノ瀬 俊也(いちのせ・としや) 1971年福岡県生まれ。九州大学大学院比較社会文化研究科博士課程中途退学。専門は、日本近現代史。博士(比較社会文化)。現在埼玉大学教養学部教授。著書に、『近代日本の徴兵制と社会』(吉川弘文館、2004)、『銃後の社会史』(吉川弘文館、2005)、『皇軍兵士の日常生活』(講談社現代新書、2009)、『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」』(文藝春秋、2012)、『日本軍と日本兵 米国報告書は語る』(講談社現代新書、2014)、『戦艦大和講義』(人文書院、2015)、『戦艦武蔵』(中公新書、2016)、『飛行機の戦争 1914-1945』(講談社現代新書、2017)など多数。

「2018年 『昭和戦争史講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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