- Amazon.co.jp ・電子書籍 (219ページ)
感想・レビュー・書評
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いいともの最終章をリアルタイムで鑑賞できる立場におらず、ここ数年はせいぜい時間軸のずれたタモリ倶楽部の違法動画を繰り返しみていただけの自分にとっては、本書の読み始めはある種昭和史資料としての様相を呈していたのだが、少し読みすすめるうちに「おっと…平成史も含んでいるのだった…」と気付かされてしまうほどのズレ具合だったことを改めて認識させられることに。むしろ「リハビリ書」であったことを認めたほうが良いのかもしれない。
最近はたまにBIG3の近況をみかけるたびに抱くのは主に「毎日のようにみていないこと」に起因する自身の状況は棚に上げての「歳とらはったなぁ…」の感覚。でもこうした記録書のページをめくるにつれその人それぞれに生き抜いてきた時代背景がみえてき、そうした直感的印象も少しは丸みを帯び、ひいては自身の齢も同じ尺度で流れているのだということにむしろありがたさを感じたりするのだからおかしなものだ。タモさんの場合はそれがまるまる日本のカラーテレビ史にあてはまったりするわけでより深みが増す。
ホント、長生きしていただきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タモリさんがまだ有名でなかったころのエピソードで、ジャズの山下洋輔と渡辺貞夫のコンサート後の宴会に突然「(歌舞伎口調で)この世の~」と言いながら闖入していった話は面白かったですね。目に浮かぶような情景です。
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本人が読んだら恥ずがりそな本。なるほど執着の観点から面白さが納得した。
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<感想>
過去のエピソードやタモリ本人の言葉から類推し、体系的な思考としてまとめた一冊。福岡に生まれ、キワモノとしてテレビに登場し、お昼の顔として国民的タレントとして名声を確立する現在まで、タモリが何を考えどう行動したかを辿る。非常に仏教的な思考を持つ人物で、読むと救われた気分になる。
読むと、タモリの恩人でもある赤塚不二夫の「これでいいのだ」に深い意味を感じる。
<アンダーライン>
・合わないことを楽しもうとするんです。
・(青年の主張)パターンが決まってるんだよ。まず一念発起して何かを始める→挫折する→涙を振り絞って再び出発する。
・嫌いなものを面白がる
・(日本文学は)病人が作った文学でね、本当、対処すりゃいいものをそこにとどまってジーッとねえ(笑)。病んでいく自分が好きだとか(笑)
・意味をずーっと探すから、世界が重苦しくなるんだよ
★流れを作るような、それほどの能力は人間にはないですから
・宗教としてキリスト教は肌に合わなかった。むしろ仏教的な境地に惹かれていた。
・悩んでいるのが最高だと思っているのは、オレ大間違いだと思う
・コトバがあるから、ものがよくものが見えない
★「おふくろはあの歳にしては珍しく道徳的なことは一言もいわない」「「かくあらねばならぬ」というものが、一切ないです。
・どこでも関係なくノリまくれるヤツはお笑いの世界で大成したためしがない。
・恥かいて恥かいて、それもう泥まみれになってケダモノとか言われながら、成長していくんだ。
・仕事って実力が備わる前の段階で来るんだ。
★緊張できるような仕事ができてるっていうことを幸せに思うことですね
・まずくいったときはまずくいったで、それを見せちゃったほうが
・反省なんかしません。反省なんかしたら毎日やっていけませんよ。
・その反省をもとにして、同じ状況に立って、こうすれば良かったと思ったことを再びやったときに、それがその場にそぐうそぐわないかは、また疑問だからね。そんなことを反省してもしょうがないものね。
・夢なんかなくたって生きていけるんだよ
★人間の不幸は、どだい、全体像を求めるところにあると思うんです
・何とか生き延びるっていうことが最優先。
★★夢があるから絶望がある
・人生とは後悔するためにすごすものである。
・かつて手に枷をはめる刑罰があり、それが転じて「幸」という字になった。なぜそれが「幸せ」なのかといえば、本当は死刑になるところを、命を落とさずにすんだからという。
・根が明るいやつは、なぜいいのかと言うと、なんかあグワーッとあった時に、正面から対決しない。必ず再度ステップを踏んで、いったん受け流したりする。暗いやつというのは真正面から、四角のものは四角に見るので、力尽きちゃったり、あるいは悲観しちゃったりなんかする。
★★その時点で時間が生きるということは、それの前と後ろが切れてなきゃ絶対生きてこないわけでね。未来とか過去があって、その連鎖の中に時間があったんじゃ、その瞬間瞬間の時間は絶対生きてこない
★★★その企画は何をバカにしていますか? -
言葉を破壊したい、やる気のあるやつは去れなど、この本で描写されるタモリは積極的虚無主義。僕は共感しまくる。でも「タモリにとってエロスとは何か」とかは突拍子なさすぎて(バカすぎて)すごかった。自分の思考の甘さを痛感する。
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ライターさんが書いた本なので、やはり過去の雑誌記事の寄せ集め感が非常に濃く、個人的にまあこんなもんかと雑誌っといった印象を受けました。
はじめから雑誌と思って読めば★4くらいの本かと思います。