朱を奪うもの (講談社文芸文庫) [Kindle]

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  • 男と女について、男は加害者とされやすいが、男に生理的に備わってしまったどうしようもない生理をかわいそうに思うというような表現があった。

  • 1969年, 『朱を奪うもの』『傷ある翼』『虹と修羅』の一連の活動で第5回谷崎潤一郎賞を受賞。

    本作はおそらくイプセンの劇に大きく影響されている(ちょうど新劇運動と被っているのか?)。また左翼運動とのつながりも見られる。

    考察ポイントはたくさんあると思うが,ここでは冒頭のみ取り上げてみる。始まりは抜歯の場面から,さらに乳房の切除手術を受けたことの告白。この地点で,既に性の喪失への恐れが見られる。司馬遷の女性版といったところだ。

    近年において,アメリカの人気女優アンジェリーナ・ジョリーが乳がんの予防のために乳房切除術を受けたことを思い出す。今は随分と健康が喧伝されるようであるが,それと引き換えに失うものの価値観も日々変わっているということだろう。

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著者プロフィール

円地文子

一九〇五(明治三十八)年東京生まれ。小説家、劇作家。国語学者・上田万年の次女。日本女子大附属高等女学校中退。豊かな古典の教養をもとに女性の執念や業を描いた。主な作品に『女坂』(野間文芸賞)、自伝的三部作『朱を奪うもの』『傷ある翼』『虹と修羅』(谷崎潤一郎賞)、『なまみこ物語』(女流文学賞)、『遊魂』(日本文学大賞)など。また『源氏物語』の現代語訳でも知られる。八五(昭和六十)年文化勲章受章。八六年没。

「2022年 『食卓のない家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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