帯 「ふたりは、少女たちの殉教者だった」
クラッシュギャルズは、アイドルとして扱われた。リングで歌を唄い、踊り、テープが投げ込まれる。
長与千種の感じた違和感。エリートだった飛鳥。この二人が、今までにないプロレスをしようと合意したことから、成立したこと。
しかし、輝きというものは短い。
第1章 観客席の少女
第2章 置き去りにされ
親戚の間をたらいまわしにされた千種の幼少期
第3章 光り輝くエリート
エリート飛鳥、しかし松永兄弟から「伝わるものがない」と言われ
第4章 赤い水着
1983年に結成されたクラッシュギャルズ。女子中高生の熱狂
第5章 青い水着
トップだった飛鳥が千種に喰われる。なぜ歌うのか、苦悩
第6章 親衛隊
軍隊のような親衛隊組織
第7章 引退
クラッシュの分裂、ダンプの引退、千種は神取との対戦に活路を見出そうとするが
第8章 現実と向き合う季節
千種が引退、飛鳥も後を追う。しかしレスラーでなくなった現実
第9章 新団体
劇作家「つかこうへい」が千種の才能を見出す。「リング・リング・リング」上演
。千種は1994年ガイア・ジャパン設立
第10章 冬の時代に
飛鳥も復帰、ヒールに転向して開眼
第11章 夢見る時を過ぎても
第12章 そして誰もいなくなった
クラッシュ再結成、しかし時代は戻らない
第13章 クラッシュ再び
少女時代、応援していた少女
第5章に、ノンフィクション作家井田真木子さんの話が出てくる。これを読んで「プロレス少女伝説」を読みたいと思った。本書の中では、千種と井田氏のやり取りだけが「デラプロ」に掲載され、飛鳥の考えが掲載されない、それはおかしいと著者。プロレス雑誌は試合のことを伝えることが主、記者の主観のみ掲載するのは疑問と。
本書のあとがきで、井田氏が2001年、44歳急死されたことを知った。井田氏と千種の間には、行き違いがあったと。
自分が高校卒業後、東京で一人暮らしを始めて、一緒に遊びに行く人もない日曜日の午後、いつもテレビで見ていた女子プロレス。
あのときの6畳一間のアパート、暑かったし、寒かったなあ。