住んでみた、わかった!イスラーム世界 目からウロコのドバイ暮らし6年間 (SB新書) [Kindle]

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  • ドバイに6年間住んでいた著者が、イスラーム教徒の生活を紹介した本。

    多くの人が誤解しているイスラーム教徒の生活について、UAE(アラブ首長国連邦)の文化や風習を中心に解説しています。

    タイトルにある通り、 目からウロコが落ち、イスラーム世界の暮らしを知ることができました。イスラーム世界の暮らしを知る上で読んでおくべき一冊。

  • 帯の写真が男性なので著者も男性かと思って読み始めたら著者は女性だった。イスラーム世界は男女が名各に区別され、行動もともにしないので、同じイスラームの人々でも女性の細やかな日常を知らないだろう。著者が女性であるためイスラームの女性の日常がよく見えた。
    「イスラーム教徒はイスラーム教徒ではない人をどう思っているのだろう?」それ私が感じていた疑問だった。ユダヤ・キリスト・イスラーム教の唯一神を信じる人から見れば、「死後永遠に救われないなんて可哀想に、今信仰すればこの世の短い時間なんて比べものにならないくらい長い時間救われるのに、なんて馬鹿な選択をしているのだろう」と思うのではないか、と。本当に唯一神の信仰をしているなら、自分ならそう思う。
    けれど、宗教を持たない日本人にもそんなに冷たい視線を向けているようにも見えず……疑問だった。
    本書を読んでいると、その疑問が少し氷解した。イスラームの日常の中でも神との関わりは人それぞれで、その人と神との関わり方に意見をださない、という文化が根付いているのようだ。

  • 知らないことをたくさん知ることができた。
    ここに書いてあるのはUAEという一部の国でしかないけど、それでも驚かされることがたくさんあった。

  •  ドバイのザイ―ド大学で日本語講師をされていた著者が、学生やまわりの人とのかかわりの中で知ったことを綴られた本。
     私も昨年10月にアブダビに旅行し、アブダビのザイ―ド大学で講師をしていた友人から話を聞いたところだったので興味深く読んだ。
     アブダビの友人の話では、住人の8割は外国人だという。ドバイもそれほど変わらないのではないかと思われる。ただ、ザイ―ド大学は地元の人のみが行くことのできる大学なので、UAEの伝統的な社会の色合いは濃いのだろう。
     「わかった!」というタイトルは若干大げさかもしれないけど、住んでいれば、様々な違いを感じることがあり、それを話したくなるだろうなと思う。書かれていることは大げさではなく、異文化へのリスペクトのある書き方で好感が持てた。

    面白いと思ったことを列挙(以下ネタバレ)

    *シーア派の人がスンニ派のモスクに来ていてもまったく問題ない
    *UAEでは公共の場所で男性が女装を、女性が男装をすることを禁じている
    *雑誌で裸の写真には黒マジックで線が引いてある。
    *(アラブ人にとって)他人からよいと言われた物は邪視、すなわち妬みの目をかけられた演技の悪い物になってしまうようだ
    *イスラム女性は肌や髪を隠しているが、マネキンはおおっぴらに肌を見せてもいいらしい
    *ベルリンウォールのある校舎
    *結婚式は男女別々に行われ、新郎側は新婦がどんな人なのかを見ずに帰る!
    *兄弟姉妹が同じ日に結婚式をあげるのはよくあること
    離婚するUAE人カップルは多い
    *女性は肌を隠していても男性に空手などを習うことはできないし、練習することもできない
    *日本の武道では礼をすることが多いが、イスラムでは神以外の対象にはお辞儀をすべきではないと教えている。
    *テレビ番組「ハワーテル」が日本の生活を紹介した特集を組んだことにより日本好きのアラブ人が増えた。「日本の電車はスリを心配せずに車内で眠れるぐらい治安がよい」「日本はイスラム教徒でないのにイスラムの道徳を実践している」などと紹介された。
    *UAEでは大学進学率は女性の方が高い。
    *イスラーム教徒がイスラームをどれだけ信仰するかは一人一人が自分の意志で決めること。たとえば飲酒をしても、心はイスラームに帰依しているし、神を偉大だと思う気持ちに変わりはない、などと言う人もいる。

  • アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで日本語と空手を教えることになった著者。生徒との交流、現地での暮らしを通して徐々に理解していった、イスラーム教徒にまつわる行動の不思議を解き明かす

    豚肉や飲酒はダメ、断食、女性差別…どうもイスラム世界には窮屈なイメージしかなかった。が、本書を読むと湾岸諸国でも国によって微妙に違いがありUAEでは女性の方が大学進学率は高い、優遇されているように見える男性は義務を果たすのがかなり大変、押し並べて親日的…等、いろいろな発見があった。
    (B)

  • UAEでは幼稚園からイスラームについて習い始める。小学校から大学まで必須教科。
    アラブ人は自分の持ち物をほめられると嫉妬の目をかけられた縁起の悪いものになるので人にあげようとする。
    一般に犬は不浄の動物として扱われている。
    ラマダン期間は親族同士で集まって毎晩一緒に食事をする。1ヶ月間に同じ場で同じものを食べることはとても意義がある。厳しい規則を共にするので連帯感が生まれる。男女が一緒なのは幼稚園まで。私立大学は男女共学。

    礼節を重んじる日本人はイスラムの道徳を体現していると思われている。

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著者プロフィール

1968年生まれ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程退学。日本語指導の講師として、UAE国立ザーイド大学に2007年~2012年まで勤務。ドバイに2006年~2012年まで滞在。UAE国立ザーイド大学では、日本語のほかに空手道の講師も務めた。現在はロンドン在住だが、UAEと日本のかけ橋となるべく活動を続けている。

「2014年 『住んでみた、わかった!イスラーム世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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