もうひとりの息子 [DVD]

監督 : ロレーヌ・レヴィ 
出演 : エマニュエル・ドゥヴォス  パスカル・エルベ  ジュール・シトリュク  マハディ・ザハビ  アリーン・ウマリ  ハリファ・ナトゥール 
  • TCエンタテインメント
3.33
  • (1)
  • (9)
  • (12)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 55
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562227882723

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • イスラエルの病院で出生時に取り違えられていた18歳の少年2人。しかもユダヤ人とアラブ人。
    全然詳しくないがパレスチナ問題のこの土地では最も間違ってはいけない関係だと思う。

    ただ、何で18年も誰も疑問に思わなかったんだろうと思うとなんか入り込めなかったし、これが本当の親子だと言われても役者の顔がバラバラで親子に見えなかった。

  • 子供の取り違えという映画としてはアルアルの設定。でもそれがイスラエルとパレスチナに跨るので一味違う話になる。話は良かったけど、パレスチナ側の息子役がアラブ過ぎる顔立ちだったり、イスラエル側の息子が色白過ぎたり...キャスティングもう少し考えて欲しかったなぁ

  • ずっと心が引き裂かれるような思いだった。
    特定の宗教を信仰しない私には到底理解できない、宗教が人の揺るぎないアイデンティティである世界、人たち。もちろんそれを否定しようとしているわけではない。ただ、理解できなかった。
    ユダヤ人としてイスラエルに生きてきたヨセフが、自分の心の拠り所としていた《ユダヤ人》というアイデンティティをラビに否定された時の動揺。
    ほんの数分前まで仲良く肩を組んでいた弟が血縁的にユダヤ人であると知った兄の、弟に対する豹変した態度。
    その一方で、手をつなぎ共に遊ぶそれぞれの妹たち。
    この作品は、私達が日頃、無意識のうちに《アイデンティティの拠り所》としているものが、どれほど曖昧で、ある種の幻想であることを伝えているように思えた。《私達》としたのは、宗教に限ったことではないと思ったからだ。《日本人》《フランス人》《韓国人》《中国人》《アラブ人》《ユダヤ人》これらのアイデンティティだってそうだ。
    どのような人を《日本人》と言えるのだろうか。
    日本国籍を持っていたら日本人?
    日本語を話せば日本人?
    日本文化を知っていれば日本人?
    両親が日本人なら日本人?
    曖昧な幻想に囚われて、私達は時に人を殺すことすら正当化しようとする。
    当たり前を疑え、とよく耳にするが、私はこの当たり前だと思っていた幻想について、もう一度疑うことが今この国に必要だとこの映画を見て思った。

  • 赤ん坊取りちがえ事件が、子どもが入隊しようとする18歳の時発覚する。しかもフランスの軍幹部の息子とパレスチナの修理工の息子。政治的対立はよく分からないが、親子のつながりのアイデンティティに国のアイデンティティもからんでくる。日本より深刻だ。

    パレスチナの息子のお兄さんが少し過激でこれが原因でトラブルになるかと思ったら、そう大きな問題にはならない。とても優等生的な展開になる。そのあたりが大人のフランス映画ですね。日本だと周囲からイジメにあい事故につながったり、息子を返せと叫んだりしそうである。そんな悲劇を演出しなくてもヒリヒリした緊張感は伝わってきて、それをなんとか優等生的キャラが救ってくれる。

    自分の居場所とは。それは家族なのか国なのかと深刻な問題をはらんでいるが、とは言え面白いというほどのことはない。勉強になりましたという優等生的映画です。

  • 一言で正直言うと、難しかった。

    同時期に公開された邦画「そして、父になる」と同月に観ましたが、テーマは同じといえど内容は全く異なるので比べられません。

    18歳というしっかりとアイデンティティーが確立された年齢での子供の取り違い発覚。
    そこまできたらもう
    「聞かなかったことにしたい。本人達の意思に任せて行き来しよう。」
    そんな風に思うのが一般的になるかと思うのですが、そのに絡んできたのはパレスチナとイスラエルの宗教の問題、敵対する地域で住んできた二人の息子のこれからの葛藤は計り知れない。

    知識の少ない私が下手なことを書き綴れないほど重く、島国で生まれたような私の頭の中では想像を超えてしまうような複雑さがそこにはあった。

    タダ救われたのは、二人の青年がしっかりとした自立した大人だったという事。
    変な偏見を持たず、事実を思った以上に冷静に受け止め、すべて家族を愛そうと努力する想いがひしひしと伝わり、この暗くて重いテーマのストーリーに一筋の光を刺してくれていた。

  • 母さん、僕は「敵」ですか?「息子」ですか?のキャッチフレーズが心に響く。出生時に取り違えられた息子たちがイスラエルとパレスチナ、しかもユダヤ人とアラブ人。根深い対立、宗教・民族・文化の違いは日本人である私には受け止めきれないものがあるが、家族の絆は世界共通なんだなって思いつつ、民族問題は言葉で表現できるほど簡単なものではないという認識を受けた作品。

全8件中 1 - 8件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×