千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書) [Kindle]

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  • 千住氏の絵を通じて得られたインサイト・哲学が紹介された一冊。

    <メモ>
    ・絵を描くということは自分にあるものを見つけて磨いていくこと。
    ・自分にあるものだけで絵を組み立てていくこと。
     そう考え、意識することで腰の据わり方も随分違ってくる
    ・自分にあるものを描く、この態度こそ生き方として最も求められていること。
    ・たった一つでも掛け替えのない何かが残ったら、それは宝物。
    ・絵は憧れを描くもの。わあ、いいなと思える風景、素敵な人物、美味しそうな果物。
    ・神経をきちんと入れ、その空間に対して意識をきちんと入れて遠ざけていくということ。
    ・二人描くということは二人の間の社会、すなわちコミュニケーションを作り上げること。二人の画面上の関係のようなものが感じられて初めて空気が流れて絵が生まれてくる。
    ・違いを発見すること、これが観察。
    ・人物を描くとは関係を描くこと。
    ・一人の人物を描くには、どこに目が行くか、という順番が出なくてはならない。
    ・二人の場合、距離があり、緊張もあれば親しさもある。何らかの関係を見抜いて、作り上げてそれを描く。それが画家の観察力と構成力。
    ・私たちは余白の中に生きている。余白の中を歩いているなんて、なんてすごいことか。それがこの現実の空間。一歩一歩と人が遠くに歩いていくのを見ていると奥行きまでもが宇宙の一部分であるように思えてくる。
    ・問いかけを作り、本当にこれでいいのか自問して乗り越えていく。そうすることでもう一つ深いところまでたどり着ける。
    ・宇宙や神に対する質問の歴史が芸術の歴史。
    ・世阿弥 目前心後。演じている自分を離れて見る、もう一人の自分が表現者には絶対に必要である。自分の絵を客観的に見ることはとても大切。画面の中の構造やバランス、綺麗なところ、面白いところ、つまらないところを自分自身の厳しい目で判断していく。
    ・つまらなければなんとかする。学び取ってきた面白かった美しかった部分の経験をどういう風に生かしていくのかが大切。
    ・成功するのはとことん好きという連中。
    ・新鮮な切り口こそ求められている。
    ・自信とは徹底的にやったということ。
    ・重要なのは自分で自分を飽きさせないこと。
    ・思い出せることだけを描く。
    ・絵描きは常にものを探していく。
    ・全ての答えはすでに自分の中にある。どんどん不純ぶんを取り除いていく。

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著者プロフィール

1958年東京都生まれ。82年東京藝術大学美術学部卒業。87年東京藝術大学大学院博士課程修了。ヴェネツィア・ビエンナーレで東洋人初の名誉賞受賞。大徳寺聚光院の襖絵、羽田空港第二ターミナルの壁画、APEC JAPAN2010の会場構成など。革新的な日本画が国際的な評価を得ている。

「2015年 『千住博全版画カタログレゾネ1988-2015』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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