- Amazon.co.jp ・電子書籍 (323ページ)
感想・レビュー・書評
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科学研究におけるミスコンダクトについての論考。科学業界の欺瞞の構造を掘り下げる内容。
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「科学者も人の子である」ということだが、なんとも寂しい限り。とは言え、人の性を変えることはできない。制度の充実しかないのだろう。STAP細胞騒動を受け、その活動が進んでいることを願うばかり。
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昨今の情勢から緊急復刊ということで購入してしまいました。原著から時間も経って状況も変わっておりより新たな情報に基づく良書もあるのかもしれませんが。
さて、理想的な「科学」と現場とに乖離があるということはもはや多かれ少なかれ誰もが感じていることではないかと思います。一方で「科学」というのもの総体に対する、そう、素朴な信仰とでも呼ぶべきものは少なくとも私にはありました。本書から読み取ったことを自分なりにまとめるのであれば、科学の結果が理性に従うものであったとしても、科学の過程・歴史はそうではない、ということになるのだと思います。科学的知識が伝授される場合、既に体系立てられたものであり、その過程自体も体系立てられていたかのように思えますが、事実は異なるわけです。「科学」も人の営みである以上、当たり前のことではあるのですが。何かを正す、あるいは、何かに対するためには、まずその何かを認める必要があります。現状の「科学」もまた人の営みたる不完全な体系に過ぎない。それを認めた上で初めて何かをなしえるのではないでしょうか。