西洋音楽史 「クラシック」の黄昏 (中公新書) [Kindle]

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  • 中央公論新社
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  • 現代の音楽ができるまでの、音楽の主戦場だった西洋音楽の歴史の流れを掴むことできる良書。これまで人にとって音楽は何だったのか

    詳細は下記
    https://note.com/t06901ky/n/nd510cfdac14b

  • ・抒情と音楽愛に満ちた、リズムあふれる表現力あふれた文体。学術知に基づきつつ、主観をしっかり主張しつつ、わかりやすくコンパクトにまとめられた、まさに新書としてふさわしい一冊。
    ・ 歴史や技法を知ることで芸術はより身近になる。クラシック時代は独立・断絶した存在ではなく、中世から現代につながる系譜に位置付けられることを理解。
    ・音楽も思想や美術と同期する。欧州発の文化は、大戦による思想的混乱や理性への懐疑で一度断絶されたと改めて感じる。

  • 著者の略歴を見ても、「音楽」という文字が見られないので?でしたが、あとがきで、神戸大学で西洋音楽史を9年間担当していたことがわかり納得。そして、内容は専門外だからこそ書ける気配り、目配りが反映されたわかりやすいい入門書となっています。
    読後、無性にワーグナーを聴きたくなったのは第5章の最後の1文です。「俗悪なハッタリから音楽の形而上学に至る19世紀音楽史のありとあらゆる要素を彼は総合し、疑似宗教的なエクスタシーへと高める。ワーグナーに至って音楽はついに、宗教なき時代の宗教となったのである」(P174)
    こうした予備知識の有無で、(一人の音楽家が時代を変えた)作品鑑賞の印象が変わってくるのも読書の醍醐味でもあります。

    岡田暁生:
    1960年京都市生まれ. 大阪大学大学院博士課程単位取得退学. 博士(文学). 大阪大学文学部助手, 神戸大学発達科学部助教授を経て, 京都大学人文科学研究所教授.著書に『オペラの運命』(中公新書, サントリー学芸賞受賞), 『西洋音楽史』(中公新書), 『音楽の聴き方』(中公新書, 吉田秀和賞受賞), 『ピアニストになりたい!』(春秋社, 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞), 『オペラの終焉』(ちくま学芸文庫), 『リヒャルト・シュトラウス』(音楽之友社)など多数.

  • いわゆるクラシック音楽の歴史の流れが全体に見えて面白かった。特に、王侯貴族のための音楽からブルジョア市民のためのものになり、公開演奏会が一般化し、過去の作曲家の作品を演奏するようになり、という経緯が興味深かった。

    作品を解釈する、演奏する側の面白さは褪せないところがあるので、きっとこのまま行くのだろうなぁ、と思ったり。

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著者プロフィール

1960年京都生まれ。京都大学人文科学研究所教授。専門は近代西洋音楽史。著書に『リヒャルト・シュトラウス 人と作品』(音楽之友社、2014)、『音楽の危機』(中公新書、2020、小林秀雄賞受賞)、『音楽の聴き方』(中公新書、2009、吉田秀和賞受賞)、『西洋音楽史』(中公新書、2005)、『オペラの運命』(中公新書、2001、サントリー学芸賞受賞)、共著に『すごいジャズには理由がある』(アルテスパブリッシング、2014)など。

「2023年 『配信芸術論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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