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感想・レビュー・書評
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このシリーズは自分としてはなかなか面白いです。
もともとこのシリーズ自体「世界史読書案内」(津野田興一/岩波ジュニア新書)で知ったものです。
もうとにかく、ロマノフ王朝が倒れるまでの弾圧が半端ではない。さすがスターリンを産んだ政治的風土だな、と。
そして19世紀のヨーロッパというのが、フランス革命をビッグバンとして「王政→共和制(そして一方で産業革命、近代化競争)」という大変動の時代だったということを改めて実感。
その踏み台にされたのがアジア・アフリカ・南米などの植民地だったりするので、19世紀欧州の激動のロマンを暢気に楽しんでる場合では無いかも知れませんが…。
ロシアにとっては、結局シベリアが植民地だったようなものですね。
※
これらの時代の中に、ドストエフスキーもトルストイもいたんだな、というのは改めてわくわく感がありました。
そして幾多の死屍累々の末に、賢明というべきか狡猾というべきか、ともあれ鉄の意志を持ったレーニンやトロツキーが乗っかることで、「ロマノフ王朝統治に対抗したブルジョア勢力」から「プロレタリア革命」へと舵が切られる。そのあたりは実はかなりぎりぎりの線だった…。このあたりはスリル満点。
そして、確かにレーニン、トロツキー、スターリンという三者だけで、大河ドラマが出来てしまいそうな濃厚さ。スターリンを死の寸前に排除しようとしたレーニン。その意志をもみ消したスターリン。レーニンと並んで革命を実行した、最も「志士らしき志士」だったトロツキー。死後のレーニンを神格化することで権力を得るスターリン。トロツキーを排除し、追い詰め、とうとう殺害するスターリン…。
うーん。重い。
こんな延長に2022年現在のロシアの政治機構が存在しないことを祈るだけなのですが…じゃあ自分の国はどうなんだ、って訊かれると。詳細をみるコメント0件をすべて表示