西の善き魔女6 金の糸紡げば (角川文庫) [Kindle]

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  • 本来ならこれが物語の始まりだろう。フィリエル8歳から始まる物語。そこにルーンが連れられて来る。邪魔だが殺してしまうとい8歳にしてはちょっと嫌な女の子であったな、フィリエル。

  • がっつりフィリエルとルーンの話。

    子供時代の話だと想って侮っていたけど
    とんでもなかった。

    フィリエルの父親に対するわだかまり、
    愛してほしいという渇望と
    愛されていないのではないかという寂しさ。

    ルーンの置かれた環境から、
    フィリエルに対する心情の変化が

    セラフィールドの厳しくも美しい自然の様子とともに描かれていた。


    物語中盤で、
    フィリエルがルーンに数学で叶わないことを悟り、
    博士の特別がルーンなのだと絶望し、
    彼を殺さなくてはと思い実行に移す。

    ショッキングなシーンだったけど、
    自分も子供の頃に、
    兄弟喧嘩が激しすぎた日や、学校で嫌がらせをされた時、
    死んでしまえばいいのにと思って泣いていたことを思い出し、
    子供ってそう思うことがあるということに共感できた。

    そして、それをこの物語で差し挟めること、

    「殺すとフィリエルに言われた時には、一瞬尊敬したルーンだった」
    という一文が心に残った。
    フィリエルに悪意や殺意があるということにかえって安心できたということも。

    完全に清廉潔白だったらきっと眩しすぎて近寄れない。
    清濁併せ持つ中で輝くから手を取りたいと思うのだと。


    博士がフィリエルをユーナと呼ぶこと。
    1巻では、母親と間違えているとフィリエルが思い込んでいたが、
    この巻を読んでそうじゃなかったんじゃないかと思った。
    エディリーンとは違うけれど、
    博士にとってフィリエルはユーナだったんだと思ったら、
    これまでの博士に対する見え方がガラリと変わって
    ちょっと泣けた。


    終章で、18歳になるフィリエルとルーンのその後が描かれていたけど、
    ルーンが年頃の男の子らしい欲求を持っていることに
    ほっこりした。

  • フィリエルとルーンの始まりの物語。

  • フィリエルとルーンの幼少期。狭い世界に暮らす女の子と、暗いの過去をもつ男の子。少しずつ大人たちに助けられて見守られながら大事に育てられてる。フィリエルの、「ルーンなんかいなくなればいい」という感情は姉や兄の立場の人間なら多少覚えのあるもの。何事もなくてよかったけど。
    最後に帰ってきたフィリエルとルーンが、あの頃の2人であり、その先にいり2人でもあり。ディー博士帰ってきて欲しいな。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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