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感想・レビュー・書評
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特攻隊が、命を投げ出す前にピアノを弾きに来たという思い出から、その存在が真実であったのかを探るうち、命を捨てられなかった特攻隊員のその後の真実に迫っていくというドキュメンタリーである。これまで、あまり深く考える事のなかった特攻隊の実情についてわかり、戦争の悲惨さや死ねない事で逆に生きずらくなっていくやり切れなさ等、当時の状況に想いを馳せる事ができた。
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終戦間際。フッペル社製のグランドピアノを保有する佐賀県の鳥栖小学校に2人の青年が突然訪れる。彼らは間も無く特攻隊として出撃し、もう戻って来ることはない。なので最期に存分にピアノを弾かせて欲しいと頼み込み、ベートーベンの《月光》を弾いた。2人とも戦争が無ければ音楽家、音楽教師を目指したという。その場に居合わせた女性音楽教師はこの出来事を深い悲しみとともに記憶した。戦後40年の歳月が経ち、何かの折に彼女は、かつて2人の若き特攻隊員が弾いたピアノが廃棄される予定だと知る。捨てるなら自分が引き取るといい、その理由を問われた。事の次第を説明したところ、講演会をすることになり、それが反響を呼びピアノ保存活動に発展する。という事実に基づいた創作小説です。この本はできるだけ多くの人、特に若い世代に読んで欲しいです。長く読み継がれていって欲しいです。途中、特攻隊員の遺書が何点か収録されているのですが、どれもやるせない気持ちになります。
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