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- / ISBN・EAN: 4988003828998
感想・レビュー・書評
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モノクロームの映像美。夢と過去と現在が入り交じる不思議な世界観。
描いているのは老人のたった1日の出来事。たった1日に老人の人生のすべてを集約し、自分の人生への過ちに気づく様を描く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
老医師が授与式に向かう道中で自分の過去を見つめる物語。恋人や妻に対する後悔や自責の念を夢で追体験し、若者や義娘との交流、老母の元への久し振りの訪問、不仲な夫婦との出会い等で孤独を選択してきたことを省みる。ラスト近くでは息子夫婦や家政婦に対する接し方も変わり、老いの恐怖の中にいた主人公にも安らぎが生まれたようだ。立派な肩書きがあるにもかかわらず生きながら死んでいると言われる主人公を哀れに思っていたのでラストがとても救われる。
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『処女の泉』、『第七の封印』と観て、三つのうちで一番好きかも。
自分のベルイマン作品の初体験は『秋のソナタ』で、これまた静謐かつ強烈である意味すっごくエグイというか表現しがたい母娘の姿にびっくりした覚えがありますが、この作品の義父と義娘にその片鱗を見た気がします。
息子夫婦、兄妹、母、恋人、妻、そして自分自身にもちゃんと向き合わず、仕事に打ち込んできた(逃げていた)老人…そんな人間はそこらじゅうにあふれているのだけど、それが自分だけでなく周囲の人間にどんなに残酷さを振りまくこととなっていたのか…。
別に糾弾しているわけではないのだけど、それをこれほど深く表現し、はっとさせるのはさすがだなぁと思いました。 -
不思議な味わい…。