ダブルクロス・リプレイ　闇に降る雪 ―Queen of Blue― (富士見ドラゴンブック) [Kindle]

著者 : 菊池たけし／Ｆ．Ｅ．Ａ．Ｒ．

• KADOKAWA (2014年8月22日発売)

感想・レビュー・書評

[neueさんの感想 · 2021年2月8日]

めちゃくちゃ楽しそうだけどめちゃくちゃコメントに困る、ずばりTRPG初心者にはお勧めできないリプレイ。間違っても真似しようと思ってはいけません。

底本の出版時期が古いので現代の感覚ではついて行けないネタもある（「こいのぼり」とか率直に言って笑えないし白眼視ものでしかない）ものの、オフラインセッションならではのGMやPL同士が同じ卓の空気を共有しているからこそのテンポ良く息の合った演出が見られて、全体的には面白く読み進められる。特に1話の電話のシーンが秀逸。（あとがきを読むとPLのかわたなさんは予め展開を先読みして台詞を用意している方らしく、驚かされる…。が、かわたなさんの演出に合わせてリアルタイムにストーリーを誘導するGMが更にすごい。）2話EDの上月兄弟のシーンもすごい。
ただ、全体的にこのような世界観である、こんな組織がある、こんなバトルが出来る、という雰囲気はつかめてもルールや用語の解説は少なく、盛り上がっているが何が起こっているのかわからない場面がしばしばある。システムに触れる目的で読むとこのシリーズだけでは足りない、と思っておいた方が良いかも。

著者プロフィール

『アリアンロッド２E』のゲームデザイナーであり、『アリアンロッド・サガ』シリーズなどメインリプレイを多数手がけている。

「2019年 『アリアンロッドRPG２E パーフェクト・エネミーガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」