ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか [Kindle]

  • NHK出版
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感想・レビュー・書評

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  • 基本的には起業についての本だがしかし、すべてのひとに必要となる「マーケット感覚」についての本とも言える。特に変化の激しい現代では、その他大勢と同じ選択をすることは堅実どころかハイリスクな自殺行為でしかないという主張は強い説得力を持つ。と同時に、筆者のように逆張りで勝ち続けるのはやはり一握りのエリートのみという現実もあり、この主張自体が矛盾を内包した禅問答のようでもある。

  • 資本主義とは競争ではない。それらは実は対局にある。競争は疲弊を招くだけで、真に重要なのは独占だ。という逆説的な本だが、説得力がある。

    論旨は以下の感じ。

    ・トルストイは『アンナ・カレーニナ』で「幸福な家族はみな似通っているが、不幸な家族はみなそれぞれに違っている」と書いているが、企業の場合は反対で、幸福な企業はそれぞれ独自の問題を解決することで独占を勝ち取り、不幸な企業は皆同じく競争から抜け出せないでいる。

    ・競争とは無益なイデオロギーである。

    ・競争の中では長期的に利益を出し続けるのはその構造上無理だ。壮絶な競争から利益が出ることはない。

    ・本当に新しいものとは、既存の仕組みを「破壊」することではなく、名の通り新しいということだ。既存企業との対比で語られる会社は新しいとも言えないし、独占企業にはなれないだろう。

    ・ポートフォリオではなく、べき乗則でひとつのことに集中するべきである。

    ・といいつつ、差別化というのは他より少なくとも10倍は優れていなければならない。

    ・小さな市場から始めなければならない。100億ドル市場の1パーセントを狙いに行くのは最悪で、大きな市場は参入余地がないか、誰にでも参入できるがために目標シェアに達することが不可能かのいずれかだ。スタートアップにMBAタイプが少ないのはそのせいで、そこに事業チャンスを見出せないからだ。

    ・リーンスタートアップについては懐疑的。リーンは手段であって、目的ではない。あくまで計画を持つこと。

    ・テクノロジーは限界には達していない。(そう思うなら、本屋に並んだ啓発本をなぜ我々は手にとっているのだろう)資源は有限なので、途上国の今後の消費増を考えると。テクノロジーの進化なきグローバリゼーションはあり得ない。

    ・いかなるビジネスも答えを出すべき7つの質問
    1. エンジニアリング
    段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるか
    2. タイミング
    このビジネスを始めるのに、今が適切か
    3. 独占
    大きなシェアがとれる小さな市場から始めているか
    4. 人材
    正しいチーム作りができているか
    5. 販売
    プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか
    6. 永続性
    この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか
    7. 隠れた真実
    他社が気付いていない、独自のチャンスを見つけているか

    ・「社会的にいいこと」というのは、社会のためになることなのか、それとも単に社会の誰もがいいと見なしていることだろうか?それはありふれたアイデアと同じで、もはやただの常識に過ぎない。本当に社会のためになるのは、これまでとは「違う」ものだ。最良のビジネスは見過ごされがちで、たいていは大勢の人が手放しで称賛するようなものじゃない。誰も解決しようと思わないような問題こそ、いちばん取り組む価値がある。


    といった感じだ。つまり、東京でカフェを開くという選択はほとんどの場合間違っているし、ゴールドラッシュの際にやるべきことは金を掘りに行くことではなくて彼らにつるはしやジーンズを独占的に売ることなのだという格言を再認識する。

    ただ、生産者側にとって競争は疲弊だけだとしても、価格競争の意味では消費者に利があるのではないかとも思う。この点についてはどうなのだろう。

  • 経営戦略のコーチおススメの一冊。スタートップはリーンの話もありますが、こちらは、徹底的に起業はじめに突き詰めていくべきポイントを明確にしてくれる内容です。
    「隠れた真実」を探せ!みんながいいということではお金の流れは作れないということに同感!。世の中はあれ?と疑問視するようなことでも、これが本質だ!真実だ!ということを見つけられるかどうか?まさに、ゼロから1を生み出せるかどうかが勝負だとまざまざと感じた一冊です!

  • 1から100を生み出すのではなく、0を1にするために必要なことが書かれているようだが、正直目からうろこ的な内容はあまりなかった。

  • 評判が高い本だったので購入。
    ゼロトゥワンという本のタイトルで無から有を産み出すヒントが含まれているのだが、基本的な事しか書かれていない印象をもった。
    あくまで個人的な感想だが、教養は感じるけど自分のモチベーションにまでは繋がらないかな。

  • PayPal創業者による起業論。知識人でさえ未来を曖昧なまま楽観的にとらえることに怒りを覚えているのか、未来を明確にデザインして突き進めと煽ってくる。競争と独占、人間と機械、常識と隠れた真実などに言及。

  • いわずと知れた。
    相当の煽り本である。中身も序文も。
    某ベンチャーにいる友人からも「この本は有名になっています」ね、と言われた。
    やっぱりその界隈での注目の一冊である事は間違いないのだろう。
    圧倒的経験知ベースドな主張で普遍性がやや低い事と生存者バイアスがかかっている可能性は否めないので、4点。

  • Paypal創業者の一人で、Paypalマフィアと呼ばれる、起業家集団のリーダーのような人が著者。
    単に起業についての本ではなく、イノベーションを起こすような事業やアイディアを形にすることを唱える。
    いかに競争するかではなく、独占する方法を考える、という発想がすでに過去のもとは違っている。
    IT業界だけにとどまらない教訓が詰まっている。

    〈世の中には、隠れた真実があり、それを追究することをあきらめてはいけない〉

    〈起業時によいスタートを切るためのよい仲間を持つことが重要〉

    〈スタートアップの原則〉
    1、小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
    2、出来の悪い計画でも、ないよりはいい
    3、競争の激しい市場では収益が消失する
    4、販売はプロダクトと同じくらい大切だ

    〈独占企業の特徴〉
    1、プロプライエタリ・テクノロジー(ビジネスの根本的な優位性)
    2、ネットワーク効果
    利用者の数が増えるにつれ利便性が高まる
    3、規模の経済
    4、ブランディング

    〈取締役は3人が理想。叙情企業でない限り、5人を超えてはならない〉

    〈グーグルでも他の会社でもより高級でより高い地位につける人が、20番目のエンジニアとして君の会社を選ぶ理由とは?〉
    ダメな理由・・・株式の価値、優秀な仲間、差し迫った社会問題の解決
    →他の会社でも同じことが言えるから。
    いい答え・・・会社の使命について、チームについて
    →他の会社とは違うから

  • そもそも滝本哲史氏が推薦してるって時点で読むべき1冊ってことで購入。

    ・多数派の意見を積極的に覆すことに意義がある
    ・「リーン・スタートアップ」ではなく、「競合とは大きく違うどころか、競合がいなおで圧倒的に独占できるような全く違うコンセプトを事前に計画し、それに全てを賭けろ」
    ・水平的進歩=「グローバリゼーション」<垂直的進歩=「テクノロジー」(ものごとへの新しい取り組み方、より良い手法はすべてテクノロジー)
    ・何よりの逆ばりは、大勢の意見に反対することではなく、自分の頭で考えること。
    ってことを言う人の本が面白くない訳がない…ってことで是非。

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