終の住処(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞受賞の表題作のほか1作を収録。会話文少なめ、地の文大盛りマシマシの短編の中に、ある男の結婚から20年間の軌跡が詰め込まれていた。コッテリとした超濃厚スープのような小説で、時間をかけて読んだ。非常にコクがある物語だった。

  • ラストシーンの余韻は良かったが突拍子のない展開と身勝手な主人公の物語で、共感しづらい作品だった。

  • 1人の男性(あるいは汎用的な男性)の遅めの結婚から子が独立するまでの人生を描いた作品。とまとめちゃうときっと違うイメージになってしまうが、80ページくらいだけど、500ページくらいと感じさせるくらい高い密度で、ほとんど改行なしのせいか、スピード感がすごく、読んでいて身体が熱くなり汗をかいてしまった。男ってもしかしてみんなこうなのかな?って思わざるをえない所が多くて、それがテーマなのかもしれない。とても深いメッセージが他にもいろいろある気がするけど、全ては読み取れなかったが、独特な手法?がとても好みで、何回も読み返したい作品であった。

  • ふむ

  •  
    ── 磯崎 憲一郎《終の住処 2009‥‥ 20120901 新潮文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B00NSE0IQQ
     
     
    (20231128)

  • 中年男性小説。
    どこか不確かで落ち着かない空気に満ちているなかを生きる、サラリーマンを描いている。そして、結婚した後の夫婦の微妙な関係性を、寓話的に描いている。ところどころ非現実的な描写が挿入されているが、普段生きていても、なんだかわからないもの(運命?)に押し流されながら生きる、不可解な人生だなあ、と思うところがあるので、この小説はそのあたりの感覚を具象化したものかなと感じた。また、カフカっぽさも感じた。

  • 結婚すれば世の中のすべてが違って見えるかといえば、やはりそんなことはなかったのだ―。互いに二十代の長く続いた恋愛に敗れたあとで付き合いはじめ、三十を過ぎて結婚した男女。不安定で茫漠とした新婚生活を経て、あるときを境に十一年、妻は口を利かないままになる。遠く隔たったままの二人に歳月は容赦なく押し寄せた…。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。

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著者プロフィール

1965年生まれ。2007年、文藝賞を受賞しデビュー。『終の住処』で芥川賞、『赤の他人の瓜二つ』でドゥマゴ文学賞、『往古来今』で泉鏡花賞を受賞。2015年、三井物産を退社。現在、東京工業大学教授。

「2011年 『肝心の子供/眼と太陽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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