- Amazon.co.jp ・電子書籍 (79ページ)
感想・レビュー・書評
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芥川賞受賞の表題作のほか1作を収録。会話文少なめ、地の文大盛りマシマシの短編の中に、ある男の結婚から20年間の軌跡が詰め込まれていた。コッテリとした超濃厚スープのような小説で、時間をかけて読んだ。非常にコクがある物語だった。
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1人の男性(あるいは汎用的な男性)の遅めの結婚から子が独立するまでの人生を描いた作品。とまとめちゃうときっと違うイメージになってしまうが、80ページくらいだけど、500ページくらいと感じさせるくらい高い密度で、ほとんど改行なしのせいか、スピード感がすごく、読んでいて身体が熱くなり汗をかいてしまった。男ってもしかしてみんなこうなのかな?って思わざるをえない所が多くて、それがテーマなのかもしれない。とても深いメッセージが他にもいろいろある気がするけど、全ては読み取れなかったが、独特な手法?がとても好みで、何回も読み返したい作品であった。
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中年男性小説。
どこか不確かで落ち着かない空気に満ちているなかを生きる、サラリーマンを描いている。そして、結婚した後の夫婦の微妙な関係性を、寓話的に描いている。ところどころ非現実的な描写が挿入されているが、普段生きていても、なんだかわからないもの(運命?)に押し流されながら生きる、不可解な人生だなあ、と思うところがあるので、この小説はそのあたりの感覚を具象化したものかなと感じた。また、カフカっぽさも感じた。 -
結婚すれば世の中のすべてが違って見えるかといえば、やはりそんなことはなかったのだ―。互いに二十代の長く続いた恋愛に敗れたあとで付き合いはじめ、三十を過ぎて結婚した男女。不安定で茫漠とした新婚生活を経て、あるときを境に十一年、妻は口を利かないままになる。遠く隔たったままの二人に歳月は容赦なく押し寄せた…。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。