- Amazon.co.jp ・電子書籍 (345ページ)
感想・レビュー・書評
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18切符で在来線に乗って飯田まで行く際に読んだが、辻村さんは私に勇気を与えてくれるはずなのになんじゃ?!と思ってしまい、再読せず目的地に居た友人にあげた。10年ぐらい前かな、
それでも時折思い出すんだよな。
ただの恋だったら良かったのに、みたいな心境の吐露を、読んだ時の苦さとともに。
一度読んだだけで、これだけ鮮明に覚えているなら、良い本なんだろう。
人には薦めないけど。 -
自然を切り崩し、ロックフェスを誘致する以外に取柄もない山村。田舎特有の、窒息しそうな閉塞感に苛立つ高校生の広海は、突然村に戻ってきた地元出身の有名モデル・由貴美と出会い、囚われてゆく。ある晩彼女から「村への復讐に協力してほしい」と持ちかけられ、広海は求めに応じるが、実は由貴美には“真の目的”があった。
「田舎に満足するというのは、思考の停滞を受け入れることだ。」
「平穏な日常は、取り戻したものではなないかもしれない。この村では、いつ何時でも、何も起こらない。ずっと前から。」
私も何もない田舎に飽き飽きして上京してきた勢なので、身につまされるセリフがいくつも出てきた。
朝帰りを繰り返す広海を叱る頭の固い過保護な母親に対して、彼が抱く”自分は母親が知らない世界を持っているのだ”というアドバンテージ。私もそうだったし、でも子供はそうやって大人になっていくのだよね。
広海と由貴美にちょこちょこ自分の姿を重ねながら、そんな若い男女のちょっとほろ苦い青春小説かと思いながら読んでいたのだけど、物語は油断した読者をあっという間に不穏なミステリへと道連れにしていく。辻村深月の小説はだから面白い。
そう、田舎では決して何も起こらない。一つの集落をのみ込んだダムの底へ、すべては沈んでゆく。 -
誰一人幸せじゃ無いんじゃないか。
最後、広海が結局また湖に飛び込んで終わるかと思った。
証拠を手に、これから村の立て直しをするべく戦っていって欲しい。
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広い外の世界に行きたい。自分はこの狭い世界の住人とは違う。そう思っている自分自身がすでにその狭い世界に染まってしまっていることに気づかない。
とてもおもしろかったが、分かりすぎて、読んでいてつらかった。 -
作品のことと少し離れますが、鈴鹿の部分が懐かしく、F1ファンの夫にその部分だけ読んだら?と渡したら、なかなか返却されず、面白く読破したようでした
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外にはもっと広い世界とたくさんの選択肢があるのに、それらを選べないこともある。○○特有の、っていう環境にいることは当事者には気づけない。
どちらも仕方がないかもしれないけれど、ありがちなことだなあと感じた。業界でも会社でも部活でも。
"井の中の蛙"じゃないけど、知っていることからだけでなく、探して最善策を選び取りたいなっていうことと、八方美人風味のことはやめたいなと決意させられた。
私も辻村作品好きですが
どちらかというと人間の隠れたドス黒いところを
描くのが上手い人だなと思っていたの...
私も辻村作品好きですが
どちらかというと人間の隠れたドス黒いところを
描くのが上手い人だなと思っていたので
180度違う印象を持たれている方がいて
ほんとにイイ作家さんなんだなと改めて感じました。
ハッピーな辻村作品もいいですよね。
はい、私にとっては僕のメジャースプーンの印象で、
人生捨てたもんじゃない、と教えてくれる作家さんです。色...
はい、私にとっては僕のメジャースプーンの印象で、
人生捨てたもんじゃない、と教えてくれる作家さんです。色んな面があるのは確かに良い作家さんですね!そういう見方もあるんですね。