水底フェスタ [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (345ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 18切符で在来線に乗って飯田まで行く際に読んだが、辻村さんは私に勇気を与えてくれるはずなのになんじゃ?!と思ってしまい、再読せず目的地に居た友人にあげた。10年ぐらい前かな、
    それでも時折思い出すんだよな。
    ただの恋だったら良かったのに、みたいな心境の吐露を、読んだ時の苦さとともに。
    一度読んだだけで、これだけ鮮明に覚えているなら、良い本なんだろう。
    人には薦めないけど。

    • はるたろうさん
      面白い感想でコメントしてみました。
      私も辻村作品好きですが
      どちらかというと人間の隠れたドス黒いところを
      描くのが上手い人だなと思っていたの...
      面白い感想でコメントしてみました。
      私も辻村作品好きですが
      どちらかというと人間の隠れたドス黒いところを
      描くのが上手い人だなと思っていたので
      180度違う印象を持たれている方がいて
      ほんとにイイ作家さんなんだなと改めて感じました。
      ハッピーな辻村作品もいいですよね。
      2022/12/10
    • megmilk999さん
      コメントありがとうございます。
      はい、私にとっては僕のメジャースプーンの印象で、
      人生捨てたもんじゃない、と教えてくれる作家さんです。色...
      コメントありがとうございます。
      はい、私にとっては僕のメジャースプーンの印象で、
      人生捨てたもんじゃない、と教えてくれる作家さんです。色んな面があるのは確かに良い作家さんですね!そういう見方もあるんですね。
      2023/01/03
  • 自然を切り崩し、ロックフェスを誘致する以外に取柄もない山村。田舎特有の、窒息しそうな閉塞感に苛立つ高校生の広海は、突然村に戻ってきた地元出身の有名モデル・由貴美と出会い、囚われてゆく。ある晩彼女から「村への復讐に協力してほしい」と持ちかけられ、広海は求めに応じるが、実は由貴美には“真の目的”があった。

    「田舎に満足するというのは、思考の停滞を受け入れることだ。」
    「平穏な日常は、取り戻したものではなないかもしれない。この村では、いつ何時でも、何も起こらない。ずっと前から。」

    私も何もない田舎に飽き飽きして上京してきた勢なので、身につまされるセリフがいくつも出てきた。
    朝帰りを繰り返す広海を叱る頭の固い過保護な母親に対して、彼が抱く”自分は母親が知らない世界を持っているのだ”というアドバンテージ。私もそうだったし、でも子供はそうやって大人になっていくのだよね。
    広海と由貴美にちょこちょこ自分の姿を重ねながら、そんな若い男女のちょっとほろ苦い青春小説かと思いながら読んでいたのだけど、物語は油断した読者をあっという間に不穏なミステリへと道連れにしていく。辻村深月の小説はだから面白い。
    そう、田舎では決して何も起こらない。一つの集落をのみ込んだダムの底へ、すべては沈んでゆく。

  • 誰一人幸せじゃ無いんじゃないか。
    最後、広海が結局また湖に飛び込んで終わるかと思った。
    証拠を手に、これから村の立て直しをするべく戦っていって欲しい。

  • 広い外の世界に行きたい。自分はこの狭い世界の住人とは違う。そう思っている自分自身がすでにその狭い世界に染まってしまっていることに気づかない。

    とてもおもしろかったが、分かりすぎて、読んでいてつらかった。

  • 作品のことと少し離れますが、鈴鹿の部分が懐かしく、F1ファンの夫にその部分だけ読んだら?と渡したら、なかなか返却されず、面白く読破したようでした

  • 途中、「勘違いかよ!傍迷惑だな」って思ってしまったが、真実は結局分からないまま。 実は彼女は生きてて、本人納得の上で村ぐるみで生死を曖昧にしているのでは?最後は大人になった広海が彼女を姿を目撃して終わるのでは?と思ったのだが…。 後日談はあるのだろうか。

  • 2021/2/24 AmazonよりKindle本フェアにて652円(326pt)でDL購入。

  • 外にはもっと広い世界とたくさんの選択肢があるのに、それらを選べないこともある。○○特有の、っていう環境にいることは当事者には気づけない。

    どちらも仕方がないかもしれないけれど、ありがちなことだなあと感じた。業界でも会社でも部活でも。

    "井の中の蛙"じゃないけど、知っていることからだけでなく、探して最善策を選び取りたいなっていうことと、八方美人風味のことはやめたいなと決意させられた。

  • 続きが気になって一気に読んでしまった
    作品としては面白かったのかもしれないけど、これも暗くて、希望のない話…
    達哉だけが広海の為だけに行動している様子に涙が出たけど、結局は誰も救われていない本当に暗い話…
    人物描写はさすが惹き付けられるものがあったけど、もうちょい誰かは幸せになれる話だったら良かったなってのが正直な感想でした。

  • ある閉鎖された村へ昔の住人が復讐のために返ってくるところから始まる物語。
    といってもスプラッター物というわけではなく、村で行われている不正を外部に伝えることを目的としている。
    この本でまず思ったのが一番マトモだったのは、一番ダメなやつ扱いされていた達也だったってこと。全体的に雰囲気が暗く人が死んでも見つからなかった事にする等ちょっと都合が良すぎる途中までは結構期待していたが、最後はダメダメでした。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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