古代エジプト 失われた世界の解読 (講談社学術文庫) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
5.00
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (252ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふむ

  • [余白のロマン]完全な復元はもはや不可能ながらも、その歴史や伝説が多くの者を魅了してやまない古代エジプト文明。文字や文学、さらには建築に至るまで、古代エジプトの概要を コンパクトにまとめた一冊です。著者は、時事通信社通信員等として四半世紀にわたりイスラエルに在住していた笈川博一。


    無味乾燥な記述ではなく、読者の想像力をぐいぐいと引き出してくれるような記述になっている点が嬉しいところ。古代エジプト文明の魅力を削がない形で、というよりはさらにそれを増幅してくれる形で紹介することに成功しているように思います。それにしても古代エジプト文明の豊穣さには改めて驚かされました。


    一門外漢としては、偉大な建築や彫刻といった部分に目が奪われがちなのですが、本書中に訳出された4つの物語は、古代エジプト文明の文学や神話が持つ魅力も伝えてくれています。現代の我々が見ても「おっ」と思わせてくれるストーリー展開があったりと、彼我の歴史の隔たりを感じながらも、変わらない部分があることを教えてくれているような気がして、夢想に浸りながらの読書体験となりました。

    〜エジプト語が書かれるようになってから約五千年、忘れられてから千数百年が経つ。この間に多くのものが失われてしまって、それを回復出来る希望もない。しかし筆者個人に限れば、この空白こそがはるか後代の我々にロマンを与えてくれるように思えるのだが。〜

    この感想にまったく同意☆5つ

    ※先のレビューで1月中頃までレビューを中止すると言いましたが、気が変わったので早速再会することにしました。個人的朝令暮改のご連絡まで。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1942年東京生まれ。1970年,東京教育大学文学部大学院修士課程修了。専門は古代エジプト言語学,現代中東学。イスラエルに25年間在住。ヘブライ大学,時事通信社勤務を経て杏林大学教授。著書に,『物語エルサレムの歴史』(中公新書)など。

「2014年 『古代エジプト 失われた世界の解読』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笈川博一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×