角川インターネット講座1 インターネットの基礎 情報革命を支えるインフラストラクチャー (角川学芸出版全集) [Kindle]
- KADOKAWA (2014年10月23日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (326ページ)
感想・レビュー・書評
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インターネットの基礎知識および歴史について一般向けに書かれた本。このコメントを読んでいるということは、あなたはインターネットを使っているということである。基礎知識ぐらいは知っておきたい。まあ、一度さらっと読んだだけの俺は他人に説明できるほど理解していないけど。
この本が出版されたのは2014年であり、2019年である今となっては少々古いが、インターネットの成り立ちが変わるわけではないので、今読んでも勉強になる。こういう話を読むと、どんな複雑なものでも始まりは単純で小規模なのだなと思う。
面白いのはインターネットの思想はベストエフォートであり、情報の送受信の1回1回に完璧さを求めていないということ。ダメだったらやり直せばいい。そうやって設計されているから、インターネットは障害に強い。このインターネットの思想は、いわゆるネット企業の行動原理によく似ている。とりあえず試してダメだったら考えて再挑戦。これは偶然なのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
インターネットの基礎
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今では当たり前に存在しているインターネットという基盤も、ほんの数十年前には存在しなかったものである。インターネットが生まれた経緯からどのように発展を遂げてきたかまで、その歴史の片鱗が読み取れる良書。
OSI参照モデルの説明といった技術的な解説も含まれているが、あくまで技術書ではなく読み物である。技術的な知識だけでなく、その背景や歴史と結びつけてインプットすればより深く理解出来ることは間違いなく、その助けとなる本であると思う。
○インターネットの理論
・フロンティアの流儀
・技術の誕生と成長
・インターネットの仕組み
・変貌するインターネット
・インターネットを誰がどのように運用するのか
・インターネットプロトコル
○TCP/IP発明者からの「宿題」
・インターネットの再発明
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村井先生が書かれたインターネットの黎明期の話。ありきたりなインターネットの歴史ではなくて、実際に何をやったか生の体験談が書かれているのでとても面白い。
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国立天文台はジャンボジェットに磁気テープを詰めてNASAとデータをやりとりしていた。
誤った伝説のひとつは、ARPANETが軍事用ネットワークというもの。ARPAが研究資金を出していただけ。
JUNETは電話会社の研究所を巻き込んで通信費ただ乗りで始まった。
パソコン通信は阪神大震災を境にインターネットと交代していく。
リレハンメルオリンピックがウェブの試金石となった
はじめてクッキーを使用
かならずユニークなIPアドレスが必要となる(IPv6)
モリスワーム事件
パトリオット法
インターネットはまだ完成してないし、開発が終わったわけでもない -
1冊目
前の仕事とかなりかぶる部分が多く、当事者として興味深く読むことができた。
これは記録として残しておく価値があるものだと思う。 -
初学者が、いきなりインターネットのすべてをつかもうとするのはとうてい無理なのだが、ぼんやりとした輪郭をとらえるための「概論」の語り部としては、日本においてはこれ以上の人選は他にないだろう。少し古いが、慶応大学SFC提供のiTunesUの講義を併せて購読すると理解が深まると思う。
インターネットは、ゴリゴリのインフラだ。 -
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※1集だけのレビューです。
「インターネットの基礎」ではなく「インターネットの歴史」が近い。
恐ろしく面白い。
さすがはインターネットの設計・開発・運用・普及に深く関わり続けている人が書いたと言わざるを得ない内容で、設計の意図、運用の判断の解説が、全て現場の目線で書かれている。読めば、その内容に終始圧倒されるはず。
これ、史料としての価値もめちゃ高いのでは。