御手洗潔の挨拶 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 探偵・御手洗潔の初期の短編集。長編の方が面白いのだが、短編でも十分楽しめた。
    『異邦の騎士』よりも後に読んだ方が良い作品。御手洗と石岡がなぜコーヒーを飲まなくなったかが、本作の『数字錠』を読むとわかる。御手洗の熱さが伝わる良い話なので、女性からの評価が高いのもわかる気がする。

  • 御手洗シリーズ初期短編集。

    数度は読んでいるはずなのに、なぜだかちっとも内容がアタマに残らない。他の人が書いたレビューに「御手洗がコーヒーを飲まなくなった理由がわかる」と書いてあったので、「ああそういえば・・・でもどうして飲まなくなったんだっけ?」と考え込む有様。
    収録されている四編はどれもそこそこ楽しめます。内容をあらかた忘れちゃったワタシが言っても説得力がないかもしれないけど(笑)。

  • 何かで知って、ずっと読んでみたかった御手洗潔シリーズ。

    一気に読んでしまうくらい面白かった。

    短編が4作品というのも読みやすくて、
    御手洗潔と石岡君が主に主人公として出てきているのかと思いきや…
    事件に関わった別のキャラクターから見た御手洗潔が描かれているお話もあり、
    そういうのも新鮮で面白かった。

    もちろん、石岡君目線でのお話も面白い。

    御手洗潔という人物に惹かれる…

    自由奔放かと思いきや、優しさもあるし、
    人間的な部分も感じて…

    私が一番心に残ったのは、一番最初のお話。
    「数字錠」
    御手洗潔の優しさや、人間的な部分、
    事件を解決しないといけない葛藤みたいなものも感じられ、
    犯人の人間性や生い立ちなんかっもあって、とても切なさが残った…

    実は、この本の前のお話、
    「占星術殺人事件」
    お恥ずかしながら、まだ読んでいないので、読みたいなと思っている……

  • この短編集は、佳作揃いです。この作品を読んで、初めて探偵物だと思えました。また、ここで一気にキャラ立ちもしました。あの竹越刑事も登場します。それにしても、昭和(末期)だなと。(1987年)

  • 再読。全体的に昭和ぽい。
    「数字錠」
    殺された中小企業の社長。住み込み従業員は荻窪→四ツ谷までトラックで通勤してるので、アリバイはあると思われたが。
    「疾走する死者」
    マジックを見せ、貴重品を盗む一味の仲間割れ。からの殺人。チック・コリアのライブがTVであると知り、とっとと解決する御手洗くん。
    「紫電改研究保存会」
    とある会社員が語った謎。宝くじ盗まれたのだ。
    「ギリシャの犬」
    ギリシャで財をなした日本人の息子の誘拐事件。

  • 異邦の騎士→占星術→斜め屋敷と読んできて、暗闇坂にかかったらなぜか御手洗と石岡が同居していてびっくりして、なんで?とこの短編集を先に読めばわかるかも、と読んだ。
    読んで、特に理由はなくて、つまり和製ホームズらしくワトソンと同居させたものなのかな、と理解した。

    ・数字錠
    どこかで「島田荘司版クリスマス・キャロル」と評されているのを見たけれど、まさにそんな感じ!とても好き。
    トリックは、「は?」って感じだったけど(大体荻窪から四谷までいくらラッシュ時とは言え車で2時間もかかるか???当時はそうだったの?)、物語性がとっても好き。御手洗潔の人間性がわかるというか。若者に優しい視線を送る人に弱いので。人気が高いのもよくわかる。
    読後ちょっと涙ぐんでしまった。コーヒーを飲まなくなる決意も、優しさだよね。

    ・疾走する死者
    タイトルがシュール。すごく好き。トリックはそうでもないというか、ロープはともかく、まあどうにかして空飛んで近くの線路に落っことしたんだろうな、というのは予測がたつのでそこまでの驚きはない。短篇だとトリックの鋭さが肝だと思うので……。評価の高さは第三者から見た御手洗と石岡が物珍しいからでは?という気がする。
    ただ、これを読んでリターン・トゥ・フォーエバーの第七銀河の賛歌を聞いたら、なるほど疾走感がぴったり合うな!とは思った。このギター弾ける御手洗すごいわ。アタマがわからんというのもわかるし。御手洗の設定もりもりだなあ……名探偵にありがちではあるけど。チック・コリアを聞かせて「懐かしいだろう?」って石岡君に言うのは、これは某作品既読の読者へのサービスかしらね? 浪漫の騎士も聞いてみないとな……。
    石岡君の外見への第三者からの描写はすごく興味深かった。某作品では暴力をふるった自分に違和感がないようなことを言っていたので、そんななよっとした感じじゃなくて、結構粗野な見た目のイメージを勝手に持ってた。色白で芸術家然としているというと、何となく女性的な線の細いイメージになるんだけど……。ここらへん御手洗ファンの人に話を聞いてみたい。
    しかし推理を披露するのに「6時からのチック・コリアのライブが見たいから」(しかもテレビで!)というのはひどいな(笑) 数字錠での対応との雲泥の差よ。まあ、犯人像が全然違うんだから、しかたがないのかな?御手洗ってこう見ると結構人間臭い。奇人変人ぶりが目立つけど。

    ・紫電改研究保存会
    おもしろかった。こういう短篇ミステリ大好き!切れ味がするどい。無駄がない。そして驚きがある。
    私にとって御手洗シリーズでの石岡君の存在はそんなに重要じゃないのかもしれないな~。石岡君ファンの人が多いみたいだけど、御手洗がでてきてズバッと解決!みたいなのが面白い。もちろん石岡君視点の奇人御手洗も面白いんだけど。シリーズを読み進めると変わるかもしれないけど。

    ・ギリシャの犬
    導入の子供のあれはなんだったんだ?と読後すぐわかんなかった。
    誘拐物は初めてかな。面白かった。
    しかし、竹越刑事がこんなに関わってくるとは思わなかったなー。どんどんいい人、というか御手洗の理解者になってきてるのが、物語の流れを感じさせて面白い。
    グリースともしばらく一緒に住むの?
    犬と結婚の方がいいってすごいけど、犬の忠実なところが好きなのかね?

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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