応天の門 1巻 (バンチコミックス) [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
4.13
  • (56)
  • (53)
  • (30)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 485
感想 : 37
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (202ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • unlimited

    「道真少年の事件簿」という評があって笑ってしまった。すごいピッタリ。「謎」自体は単純なものが多いしヒントもめちゃめちゃ分かりやすく出てるのですぐにピンと来てしまうものが多いけど、その行動に至るまでの人の心理などの描写が上手いし面白いと思う。
    月刊とは思えぬ話のゆっくりさ加減なので、コミックにまとまってから読んだ方がいいなこれは…。

  • 平安時代のお役人(検非違使や、陰陽師等)も激務をこなしていたんだな。

  • ちょっと気になったのは挨拶の仕方で、市井の人は中国式の挨拶をしていたのでしょうか。うーん。
    藤原が力で日本の富も力も得ようと跋扈する時代、筆と正義で歩く菅原道真と、史実でも一二を争うめちゃモテイケメンなれど処世術と魅力で大切なものを守り歩く在原業平という賢さ2大巨頭が、物怪、妖で解決されそうな難事件を冷静に勇気をもって解決してゆく推理ドラマIn日本史。私の読書はまだまだ途中ですが。
    道真イコール天神様はあまりに東風吹かば〜 が有名ですが
    海ならず たたへる水の底までに きよき心は月ぞてらさむ
    【現代語訳】
    月は、海の水の底まで照らすように、清らかな私の心も照らし出してくれるだろう。
    心だに誠の道にかなひなばいのらずとても神やまもらむ など、句は道真の人と正義を信じる実直さを残していて漫画の彼を私には彷彿とさせます。
    帝の子を産み藤原の道具にされるべく屋敷に幽閉されている高子姫を処世術を駆使して己が才も想いも隠して守る少将業平もまたイメージ通り。ふたりの関係性を見ていてちょっとアニメ一休さんと新右衛門さんとの関係も思い出しました。帝の血筋はこの場合一休さんではなく新右衛門さんですけど。
    ふたりを取り巻く登場人物もまたみんな事情がありながらも懸命に生きていて魅力的です。まだ続いています。平安の御代でも帝から実質権力を奪って思い通りにしようと暗殺や暗躍ばかりの応天の門の内。善良なだけでは生き残れないのはいつの世も同じなら、強かさと実直さ、ふたつとも持ちたい。そうして良きものを少しでも多く守れたら歴史を継いでいるとも言えるでしょうか

  • 何気に手に取った応天の門。かつての自分であれば時代が時代で、題材も題材で、敬遠していたであろう作品。年をとり世の中の仕組みだったり、人の思いであったりをかじり、様々な知恵をつけたら見方が変わった。阿吽や呪術廻戦などの他作品と出会ったことも大きい。名前ぐらいはかろうじて知っている過去の偉人たち。創作とはいえ史実に基づき、時にミステリ仕立ての謎解きエピソードを盛り込み、政という名の下に権力を争うおっさんたちの思惑にページをめくる手が止まらない。

  • これは面白いです!
    平安ミステリーといった感。
    三白眼の道真と業平2大スターの共演と、藤原一族。
    時代背景についても細かな解説あり、創作だけど時代に浸れる。一気読み決定です!

  • キンドルがやたらとこの漫画をおすすめしてくるので、気になったので読んでみると、シャーロックを彷彿とさせるとても面白い漫画だった。

    読むまでは表紙の少年は宮さまか誰かかと思っていたら、菅原道真公だった。

    実際に菅原道真と在原業平に交流があったのかは、長岡天満宮https://nagaokatenmangu.or.jp/がそう主張しているだけで、他の文献では確認されていないらしい。
    おそらく神社に箔をつけるために、伝説的な有名人たちのエピソードを作ったんだろう。
    それはともかく、この漫画は面白い。長岡天満宮にも行ってみたい。長岡ってどこ?京都?狛犬はあるのかな?

  • パッと見は無気力なヤレヤレ系主人公の謎解き漫画といった印象だった。(「薬屋のひとりごと」のような) 知識豊富で才能ある主人公が「自分はまだ何も知らない」と感じて更にひたむきに研鑽に向かう姿勢に刺激を受けて、自分もまだまだやれることがあるのではという自己啓発的な受け取り方をしました。

  • 学生時代の菅原道真を主人公にした、平安初期のサスペンス。在原業平、藤原高子、伴善男、藤原基経などの歴史上の人物が登場する。

  • 菅原道真が主人公。独特のタッチだけど、綺麗な絵。話も解決までが早く面白い。

  • 大河ドラマ「平清盛」ファンとして、(なんだか読みやすいな…)とすいすい読み進めてたら考証に本郷和人先生が出てきてついウフフって笑ってしまいました。
    一種のホームズ&ワトソンもので、怨霊や祟りの仕業とされる事件を若き日の菅原道真が在原業平と共に解決してまわるのだけど、そんな主人公その人が日本有数の怨霊と恐れられる結末が避け難いのを想えば、青春がうららかに描かれるほどこの先どうなってしまうんだろうと思わせる描写でもあります。

全37件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

はいばら やく
漫画家。東京都在住。女性。
元々は同人作家として和泉八雲名義で活動。2006年に「コミックZERO-SUM」にて『とかげ』でデビュー。2017年、在原業平と菅原道真が怪奇事件の謎を解き明かそうとするクライム・サスペンス作『応天の門』で第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞し、これが代表作となる。

灰原薬の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×