駅 STATION[東宝DVD名作セレクション]

アーティスト : 高倉健 
  • 東宝
3.73
  • (4)
  • (2)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104095992

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 倉本聰の連作短編ですね。仕事に燃え尽きた刑事(高倉健)は北の居酒屋に立ち寄ります。男運が悪く、人生の温もりを忘れていたママ(倍賞千恵子)ですが、この出会いで惹かれあい、一気に親密な仲になります。「夜叉」の時もそうだけど、健さん、出会った次の日にはベッドインしています。でも、運命の歯車は2人を結ばせません。酸いも甘いも知った居酒屋のママですが、健さんに会って、ときめきを抱く女を演じ、倍賞千恵子は、ここでも「寅さん」では見せない奥行きのある演技で心に残りました。タイトルの「駅」は出会いと別れの象徴ですね。八代亜紀の「舟唄」が北の冬景色に溶け込んでいました。

  • 1981年の作品。脚本が倉本聰。北海道の札幌の道警本部での事件を皮切りに、増毛・留萌が舞台となる。撮影当時、運航していた増毛線は、今や配線。陸の孤島として増毛港から船で渡るしかなかった雄島。ここも今では道路が開通し陸路でいけるようになっている。

  • TVにて
    3部構成で少し年代を変えながら、高倉健演じる英次の心境の変化葛藤を描く。
    時代時代の雰囲気が紅白歌合戦やオリンピックの映像で表され、北海道の厳しい雪景色の中に舟歌が流れる。空気感を描いた作品として素晴らしいと感じた。

  • おススメ
    『駅 STATION』は、1981年に製作された高倉健主演の映画である。北海道・増毛町、雄冬岬、札幌市などを舞台に、様々な人間模様を描き出した名作である。劇中に八代亜紀の代表曲「舟唄」が印象的に使用されていることでも知られている。
    本作には第5回日本アカデミー賞でも主要部門の多くを受賞したが、宇崎竜童も助演男優賞にノミネートされ(優秀賞)、最優秀音楽賞を受賞した。現役のロックミュージシャンが俳優部門で賞にノミネートされることはそれまでなかったため、当時の映画人にとってはあまり面白いものでなく、丹波哲郎が宇崎を"素人"呼ばわりして物議を醸した。また授賞式でテレビ放映の前に音楽賞の発表があり、宇崎が『遠雷』で音楽賞にノミネートされた井上堯之と並んで座っていたら、プレゼンターが井上堯之の「タカユキ」を読めず。音楽賞の後に最優秀助演男優賞の発表があり、これにもノミネートされていた宇崎が、グルッと一巡して再び席に付こうとしたら、岡田茂日本アカデミー賞実行委員長から、「お前、また出てきたんかい!」と言われたという。宇崎は「いままでの映画界を支えて来た人たちの偉さは認めるが、心が貧しすぎる」などと批判している。

    あらすじ:
    【1968年1月 直子】
    その日、警察官の英次は雪の降り続く銭函駅ホームで、妻の直子と、4歳になる息子義高に別れを告げた。離婚を承諾した直子は、動き出した汽車の中で、英次に笑って敬礼するが、その目には涙が溢れていた。苛酷な仕事と、オリンピックの射撃選手に選ばれ合宿生活が続いていたことも原因であった。傷心をひきずる中、ある日の検問中、英次の上司・相馬が英次の目前で連続警察官射殺犯“指名22号”・森岡茂に射殺された。中川警視の「お前には日本人全ての期待がわかっている」との言葉に、犯人を追跡したい英次の願いは聞き入れられなかった。テレビが東京オリンピックマラソン競技三位の円谷幸吉の自殺を報じていた。「これ以上走れない……」英次にその気持が痛いほどわかった。
    【1976年6月 すず子】
    英次の妹・冬子が、愛する義二とではなく、伯父の勧めた見合い相手である北見枝幸に住む男と結婚した。英次は、妹の心にとまどいを覚え、義二は結婚式の夜に荒れた。その頃、英次はオリンピック強化コーチのかたわら、赤いミニスカートの女だけを狙う通り魔を追っていた。増毛駅前の風侍食堂で働く吉松すず子の兄・五郎が犯人として浮かんだ。すず子を尾行する英次のもとへ、突然コーチ解任の知らせが届いた。スパルタ訓練に耐えられなくなった選手たちの造反によるものだった。すず子はチンピラの雪夫の子を堕すが、彼に好意を寄せていた。しかし、雪夫にとって、すず子は欲望のハケロでしかなく、英次が警察官と知ると協力を申し出た。雪夫は結婚を口実にすず子を口説いた。すず子は、刑事たちの張り込みに気づいていながらも、愛する雪夫を兄に会わせたく、五郎が潜伏する町へ案内した。そして、英次の前に吉松五郎が現れた時、隠れていた警官隊が駆け寄り、辺りにはすず子の悲鳴がこだました。
    【1979年12月 桐子】
    英次のもとに旭川刑務所の吉松五郎から、刑の執行を報せる手紙が届いた。4年の間、差し入れを続けていた英次への感謝の手紙でもあった。英次は正月の帰省のため、雄冬への連絡船の出る増毛駅に降りた。英次は警察官を辞する決意を固めていた。風待食堂では相変らず、すず子が働いていた。雪夫は結婚したらしく、妻と子を連れてすず子の前を通り過ぎて行く。独り五郎の墓参をしたあと、連絡船の欠航で所在無い英次は、暮れも押し詰まった三十日だというのにまだ赤提灯の灯る小さな居酒屋「桐子」に入った。女手一つで切り盛りする桐子の店だが、他に客もいない。テレビでは八代亜紀の「舟唄」が流れている。「この唄好きなの、わたし」と桐子は咳いた。自分と同じく孤独の影を背負う桐子に、いつしか惹かれる英次。大晦日、二人は留萌の映画館で、香港映画のMr.Boo!ミスター・ブーを見た。肩を寄せ合って歩く二人が結ばれるのに時間はかからなかった。英次は、初詣の道陰で桐子を見つめる一人の男に気づく。英次が雄冬に帰りついたのは、元旦も終ろうとしている頃だった。そこで、13年ぶりに電話をかけて直子の声を聞いた。池袋のバーでホステスをしているという。雄冬の帰り、桐子は、札幌へ帰る英次を見送りに来ていた。その時、“指名22号”のタレ込みがあり、英次は増毛に戻った。手配写真と、桐子を見つめていた男の顔が英次の頭の中でダブる。桐子のアパートに乗り込むと、そこには22号・森岡が潜んでいた。慌てて隠し持っていた拳銃の銃口を向ける森岡だったが、英次の拳銃で射殺された。警察に通報しながらも森岡をかくまっていた桐子。札幌に戻る前に英次は桐子の店を訪ねた。英次に背を向け素っ気ない態度で「舟唄」に聞き入る彼女の顔に涙が流れている。英次は忍ばせていた辞職願を破り、駅のストーブにくべると、深川行きの列車に乗った。同じ列車には札幌に出て働く事になったというすず子の姿もあった。(ウイキペディア)

  • 2017.9.18

  • シナリオの構成力とヒロインの魅力が素敵な映画を見た

    深く白い雪と良い女と実直な男

    主人公の故郷がある雄冬への連絡船が出る終着駅の増毛駅
    駅で出会い別れ次へと続く物語が良い

    4年――オリンピックの前年の冬ごと――時の積み重ね。時代の小さな変化を感じる構成が良い

    主人公の実直を絵に描いたような高倉健
    登場するヒロインたちが、みなさん可愛くて好きだった

    わたしも舟歌ききながら(つかのまでも)幸せにぬくぬくしたーい

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1931年、福岡県生まれ。映画俳優。「網走番外地」「日本侠客伝」シリーズ、「幸福の黄色いハンカチ」「鉄道員」などに主演。映画俳優として初めて文化勲章を受章。『あなたに褒められたくて』で日本文芸大賞エッセイ賞受賞。二〇一四年没。

「2018年 『話しベタですが… 暮らしの文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×