子宮に沈める [DVD]

監督 : 緒方貴臣 
出演 : 伊澤恵美子  土屋希乃  土屋瑛輝  辰巳蒼生  仁科百華  田中稔彦 
  • アルバトロス
3.05
  • (2)
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  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 103
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318409221

感想・レビュー・書評

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  • 実際にあった大阪二餓死事件・苫小牧育児放棄死体遺棄事件を混ぜて作った作品。
    現実よりも母親に多少の同情要素があるけれど、免罪符になることはない。
    ずっと心が苦しくて、虐待されていても子どもは母親を心から信じていて、振り向いて欲しいと思っている様子が伺えて胸が痛む。
    言葉を悪く言ってしまえば、胸糞悪い映画なのだが
    これが現実に起こったことであること(しかもマイルドにしていてこのレベル)を考えると見ることに意味を見出せる。もし近くで異変を感じたら迷わず通報しなければと改めて痛感した。
    どうして子どもを大事にできない人のところに子どもが宿ってしまうのだろう。

  • 子役の演技が秀逸

  • どちらかというと再現VTRとか、ドキュメンタリーに近いのかなーという感じ。
    映画として面白かったら、もっとたくさんの人が観るだろうに…って残念に思います。

  • ABEMAにて鑑賞。同監督の「終わらない青」を鑑賞してからこちらも観てみた。2010年の「大阪2児餓死事件」を基にした作品。

    実際の事件は母親の背景も複雑なようだし(シングルマザーになった理由も事件と映画では異なる)、こんなに綺麗ではないだろうけど、撮り方のせいか?良い意味でも悪い意味でも生々しさがよく出ている。

    普通の若いお母さんと二人の子どもの生活が大きく変貌していき、幼い女の子が床にこぼれた粉ミルクをかき集めたり缶詰を開けようとするシーンは胸が痛いし、母親の真似事の延長を弟にしようとするシーンはドキリとする。終盤のお風呂と洗濯機は……もう……。
    母親が初めから「悪いお母さん」ではなくて「子どもを愛している(いた)普通のお母さん」として描かれていて、ラストでそこに自分で気づくのも余計しんどいなあ。

    「胸糞」の一言でも片づけてしまえるのだけれど、母子がここまでに至った背景などを考えるとやるせない、なんともいえない映画だった。

    ●他所の感想見てるとロールキャベツとか赤い毛糸とかはなるほどな、と。
    ●幸役の子は撮影当時3歳で2023年現在は14歳。写真見ると元気で可愛らしい雰囲気の子だった(トラウマになってないといいな……)。

  • 興味本位で観た。悲しみや怒りで気持ちがかき乱された。シングルマザーとして蒼空と幸を育てるたいへんさをオイラはきっとわかっていない。でも由希子に同情できない。結愛ちゃん虐待事件を知った時も絶望的な気持になった。子どもへの虐待の向こうに男女のセックスが見えたからだ。セックスしたいと自分の子どもまで邪魔になるのか?パートナーのために自分の子どもを虐待したり殺してしまう親、パートナーの子どもが邪魔になって虐待したり殺してしまう親。そしてセックスする男女。子どもを放置した由希子は妊娠して帰ってきて堕胎を試みたのだろう。そんなセックスをせずにいらいれない由希子を許せないけど、そこに追い込まれた由希子をオイラは理解できてないだけなのか。でもどんな親だろうと小さな子どもはその親に頼らなければ生きていけない。やっぱりわからないよ。

  • 見るのがつらい作品.
    最後のレジャーシートに並べられた二人の姿に言葉もない.

  • なぜかNetflixに薦められるがままに鑑賞。
    わかってはいたけど、もちろん後味悪いわなぁ。

  • いやーしんどい…

    観ているのが辛かったけど、こうやって亡くなっていく子供たちが今も何処かにいるのかと思うと、最後まで観なければいけない 現実を知らなければいけない(というか現実はもっと酷かったんだろうけど)っていう使命感みたいなものが出てきて、最後までなんとか観た

    これをまだ小さい子供達に演じさせるのも賛否両論あるんだろうけど、とにかく凄かった…泣けるというより、まぁー胸が苦しくて辛くなる映画でした
    どんどん荒んでいく部屋がリアル

  • 2010年の大阪二児餓死事件を題材にした映画。

    カメラの目線を子ども達の視線に合わせているため、子どもの目線で見える大人の世界や、キラキラした幸せな日々から、餓死するまでの長い一日一日を疑似体験しているかのような、または盗み見しているような、効果的な見せ方になっている。

    これは、始終不快であるし、救いもないし、後味も悪くて、決して気持ちのいい作品ではない。
    でも、現実に起きていることとして、これらに目を逸らして生きることができない人が、実際にこの世には存在するのだ。

    同じようなネグレクトを受けた人間には、かなりキツイ内容になっている。
    「この瞬間よ、早く終われ、頼むから終わってくれ」というシーンに限って恐ろしく長くて終わってくれない。それがやたらとリアル。
    最後の掻爬シーンは、惨過ぎて私には直視できなかった。

    とにかく子供たち二人の演技が、リアルで素晴らしくもありながら、こんなに幼い子供たちに、ここまでやらせちゃうの?ぐらいのレベル。
    この作品によって、世界が良い方向に変わってくれるとも思えない。
    ただただ、子供たちを抱きしめて「よく頑張ったね」って褒めてあげたい。

    温かい家庭で育った人には、この母親の心理が理解できないと思う。
    でも、想像して欲しい。
    この母親も似たような母親に育てられたのだ。

    そして、この小さな女の子のように、大好きな母親のために「いい子」で「我慢して」お留守番に徹し、誰にも頼らず、「ただこの試練(時間)に耐える」ということをずっと繰り返してきたのだ。
    思い通りにならない弟に暴力を振るったりはしない。
    何かに八つ当たりをしたりもしない。
    ただただひとりでじっと耐えるのだ。

    現実逃避だけが、たった一つの逃げ道で。
    継ぎはぎの写真で、仲の良い家族で海に行って楽しい時間を過ごしたという気分に浸ったり。
    真夜中の真っ暗な部屋の中で、「幸せなら手をたたこうパンパン」と前向きな歌をひたすら歌って、最悪な時間をやり過ごす。

    「私が母親になったら、絶対にこんな思いなんてさせない。子供思いのいい母親になるんだ」って思っていたと思う。最初の母親からはその決意が伝わる。
    きっと、それだけが救いで、そこ(幸せな家庭)に明るい未来への希望を抱いていたと思う。

    でも、現実はそんなに甘くなくて、頼る人がいないこと、助けてくれる人がいないこと、理想と現実はあまりにもかけ離れていて、子供の泣き声すらもう苦痛そのものになり、見たくないものには「蓋」をしてやり過ごす。という最悪な現実逃避を最終的に行ってしまう。
    余裕がないと、人は正しい判断ができなくなってしまう。

    これだけ酷い仕打ちをしても、帰ってきた母を抱きしめて、健気に母の愛を乞う娘の姿に、きっと母親は自分の少女時代と重ねてしまい、「この負の連鎖を自分が断たなくてはいけない」と思ったのではないか。
    自分が全てを終わらせないといけないと。

    恵まれた家庭で育った子供は、同じように恵まれた家庭を持つ。
    虐待されて育った子供は、また同じような不幸な家庭を築いてしまう。
    結局のところ、親と子の関係が、子供の未来を左右するのだ。

    実際の事件の母親は、ホストクラブにハマっていたとか。
    育児放棄してホスト通いするなんて、普通の人には本当に考えられないと思う。
    でも、幼少期から親に褒められることなく、自分の存在を肯定されることなく育った人間は、相手が金銭関係で成り立つホストでも、自分の存在を認めてくれて、褒めてくれて、チヤホヤしてくれることに、安らぎや生き甲斐を感じてしまうのだ。
    人間は、自分を否定されると「私を理解してくれる人なんていない」と落ち込むし、褒められると「やっと自分のことを理解してくれる人に出会えた」とまで勘違いしてしまう生き物なのだ。
    そこが自分の生き場所になってしまう。
    だから、ホストにハマってしまうのも、キッカケさえあれば当然で、本当に悲しいことだと思う。

  • 由希子(伊澤恵美子)は、夫と二人の子供と共に暮らしていたが、ある日、夫から一方的な別れを告げられ、子供二人とアパートで新生活を始める。毎日の長時間労働、資格試験、家事、子育てなどに追われながらも、必死に“良き母”であろうとする由希子。だが学歴も職歴もないシングルマザーは経済的困窮に陥り、次第に社会から孤立していく。なかなか泣き止まない子供や世話の焼ける子供や楽にならない暮らしから逃避するように、若い男性との情事に溺れる由起子。やがて悲劇的な結末に転がっていく。
    2010年に起こった大阪2児餓死事件を元にした映画。
    映画は、実際の事件の特殊性を省き、若い子供を愛しているシングルマザーが、楽にならない暮らしや育児に疲れ果てて、男遊びに逃避して子供を育児放棄して餓死させるまでを、ホームビデオで淡々と記録するように描いていて、生活のために昼夜問わず働く暮らしに疲れ果てていく由起子の憔悴していくところ、育児放棄された子供が飢えに苦しみ死に絶えていくところを緻密に描いていて、育児放棄やシングルマザーの貧困の蟻地獄のような苦しみが痛いほど伝わってくるヒューマンホラー映画。

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