火星のタイム・スリップ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • やはりディックはすごい‎߹ㅁ‎߹)♡

    タイトルからは想像できないほど壮大なストーリーでした…!!



    火星で成功しているアーニーは、火星の残存土着民(ブリークマン)を料理人として使い、贅沢な暮らしをしている。

    ある日密輸業者の ノーバート・スタイナーが自殺。
    彼の息子マンフレッドが分裂症のため、施設に入院している事を知る。

    分裂症患者の頭の中の時間の流れは、通常よりゆっくりとした速度で流れているという事を知り、利用しようと目論む。

    人類が火星に移住します。
    全ての人類ではありません。
    火星の環境は生活に適しているとは言い難く、常に水不足です。
    そして、各国の植民地に分かれています。

    元々分裂症患者だったジャック・ボーレンが主人公。
    再発に怯えながらも火星で生活しています。

    火星に住む先住民族と、精神分裂症患者の頭の中が、この話のキーとなります。

    現実の描写と、分裂症の少年目線で世界を見た時の描写の差が非常に奇妙で興味深い。

    タイム・スリップ云々はさておき、少年のインナースペースで起きている事象がリアルとどう関わっていくのかが非常にに面白く描かれています。

    火星を舞台にしているのに、なぜ精神分裂症患者にスポットをあてたのか…
    タイトルからは想像つきませんよね(-_-;)

    火星における異常児の存在を、地球の難問題のひとつが未来に移植されてしまったしるしと見ている。(本文より)

    地球に住む人々にとって、火星に住む人々は、未来である。

    一般にはガンマ線を大量に浴びたために生殖線に永久的な変化が生じたと認められる場合、その両親および子供は、断種を強制されるという事態も予測している。(本文より)

    火星での繁殖は異常児を産む危険を伴うという未来が待っていると。

    そうして、自閉症の子供達は、キャンプB・Gという施設に送られる。

    単純に「わーい、火星に住むぞ〜」とはいかないみたい…(^▽^;)


    そんなSFの中にも、複雑な人間関係が描かれていて、ディック作品は、飽きません。

    面白かったです!!


    今、ディック作品、Kindleセールやっていますが…。
    こんな安価で読めるなんて…。
    全部欲しい…。
    と葛藤中ですが、おそらくセールでなくても買うでしょう(≧∀≦)
    (ただでさえ積読の山笑)

    次はどんな世界が読めるのか…毎回楽しみです♡

  • 僻地の植民地って閉鎖的な雰囲気が好き

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