- Amazon.co.jp ・電子書籍 (168ページ)
感想・レビュー・書評
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なぜ労働者(プロレタリアート)による革命が起こることが歴史的必然なのか、について熱く語られた本。これは当時危険視されたのもわかるくらい、扇動的な著書であった。
ところで実際に共産主義社会はこの本の通り実現されたのか。その答えは否であり、21世紀に入っても引き続き、資本を蓄積し富める資本家と賃金労働者階級の格差は生じている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
100ページにも満たない本なのでサクっと読める。
それに開いてみるとそこまで難しくもない。ただ歴史や背景を知っているとよりスッと入ってくるんだろうなという部分はどうしてもある。
一応眼は通したが自分も理解出来ていなかったり、わからない部分は結構出てきたので、またサブテクストを手にどこかのタイミングで読み返したい。 -
武器としての哲学の推薦本である。非常に薄い本であるが、今ではこれが発禁された理由が歴史的事実とのみ理解されよう。ロシアと中国の現在をどうしても実物として参照して考えてしまうので、理論そのものに入り込むことが難しい。
大学生にとっては資本論を読むよりは簡単である。 -
『資本論』の何倍もさらっと読めるので、マルクスの思想に触れたい人はこちらから手をつけるべきだと感じた。有名だからといって『資本論』を開いた私は挫折しつつある。
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マルクスとエンゲルスの思想体系をコンパクトにまとめた「社会主義の不滅の古典」(解説)。
序文によれば、共産党宣言を通底する基本思想とは、その当時までの「全歴史は…階級のあいだの闘争の歴史であった」ということと、プロレタリア階級の解放をすべての社会で同時に行われなければならない、ということの2点のようだ。およそ人びとの間には利害の対立が存在していることを考えれば、社会では常に「闘争」が存在するという観察はそのとおりだろう。しかし、そうだとすれば、プロレタリア階級の解放はきっと新たな「闘争」を生むことになるのではないか?そういう素朴な疑問を感じさせる内容だった。
個人的な感想として、経済学からの批判(私的所有権の廃止が生産へのインセンティブを弱める)に対して「この考えにしたがえば、ブルジョア社会は、怠惰のためにとうの昔に破滅していたにちがいない。なぜならば、この社会では、働くものは儲けない、儲けるものは働かない、からである。」と答えるのは詭弁以外の何物でもないだろう。労働者だって、より働くことで多くの賃金が得られるわけで、それが立派にインセンティブになっているはずだからだ。2章の内容は読んでいて首をかしげる記述が多い。また、時代背景を考えれば仕方ないのだろうが、本書では「労働」ということばで「肉体労働」だけを指しているように感じられる。より価値の高い知的労働によって多くのお金を得ることも「搾取」と見なされてしまいそうだ。