図解 これ以上やさしく書けない プロジェクトマネジメントのトリセツ (Panda Publishing) [Kindle]

著者 :
  • パンダ・パブリッシング
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感想・レビュー・書評

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  • P96
    プロジェクトマネジメントとは、一言で言えば、「先読み技術」です。 いかに先読みして、手戻りが発生しない最善の手を打っていくか。それこそがプロジェクトマネジメントの醍醐味です。
    P332
    プロセスがブラックボックス化されていると、適切な解決策が打てなくなるのです。 丸投げするのであれば、丸投げ先にきちんと計画を立ててもらい、プロセスを「見える化」することが大切です。
    P355
    プロジェクトでは臨時組織が作られます。既存組織で十分なら、わざわざプロジェクトを発足する必要はありません。 既存組織の枠組みで解決しないから、プロジェクトで推進しようとするのです。 ですからプロジェクトは、ゼロスタートの前人未踏の取り組みといっても過言ではありません。  従ってプロジェクトでは、決められた業務手順や過去の前例がありません。既存組織の業務に比べて、飛躍的に成功の難易度が増します。 前例がないという点において、そもそもプロジェクトの難易度は高いのです。
    P441
    特定の目的」です。 目的がなければ、プロジェクトは必要ありません。また、目的があいまいなプロジェクトは、正常なプロジェクト活動ができません。
    P728
    1.プロジェクトマネジメントの5原則
    P733
    プロジェクトの不確実性を回避するために、プロジェクトは適切なフェーズ(Phase:段階分け)に区分して実施するとともに、プロジェクトの開始と終結(ライフサイクル)を明確にしなければならない」
    P738
    ライフサイクルは、「立ち上げ―計画―実行―コントロール―終結」の5つのプロセスから成り立っています。
    P767
    【豆知識】 ライフサイクルを確実に踏むことが大切 【ウラ技】 ステークホルダーを味方にすることが不可欠 【ウラ技】 プロジェクトマネジメントの知識を組織に定着すべし
    P776
    既存組織とは異なり、暗黙のルールがないことから、「前提条件」「制約条件の明確化」が必要になってきます。
    P786
    プロジェクトには決められた業務プロセスやマニュアルが存在しません。そこでプロジェクトの作業計画が必要になります。その作業計画を、 WBS(Work Breakdown Structure:ワーク・ブレークダウン・ストラクチャ)と呼びます。
    P789
    作業計画が明確になったら、スケジュールが必要になります。最も一般的に使われているスケジュール手法が、 ガントチャート です。
    P817
    技】 オーナーを味方に付けろ。オーナー不在は論外
    P907
    必ずしも5つに分割する必要はありません。 半年以内で完結する小規模プロジェクトでは、多くの場合フェーズ分割はしません。  その場合でも、5つのフェーズ分割は役に立ちます。フェーズに分けなくても、企画を立ててから設計する、そして調達・開発して導入・運用するというフェーズの流れを使うことができるからです。
    P1,085
    WBSで大切なのは作業を丸投げしないということです。作業を要素分解することで、具体的に何をすればいいのかを計画段階で認識することが必要です。
    ⚠️ 1,094
    視点を変えれば、WBSの作業をやればやるだけ、残された作業は減っていきます。つまり、仕事を引き算にするのです。 仕事を引き算にすることにより、確実に納期を守ることができるのです。    プロジェクトで、やればやるほど作業が増えるということはないでしょうか。たとえばスタート時点では気楽に考えていても、 プロジェクトを実行してみると、やらなければいけないことがどんどん増えてくるという状態。これは、WBSを作成していないか、WBSが不完全な場合に必ず発生します。
    P1,358
    優秀な経営者や管理者は、リスク管理能力が優れているといわれます。リスクを低減し、プロジェクトの目標が確実に達成できるようなリスクマネジメントもたいへん重要です。   ◆ リスクの洗い出しと評価が先決  リスクマネジメントの第一歩は、まずリスクに気がつくことです。どんなリスクがあるのかに気がつかなければ、予期せぬトラブルの連続になります。  リスクの洗い出しには「ブレンストーミング」が最適です。あらゆる可能性を探索し、認識することから始めましょう。  リスクを洗いざらい出したら、 次はリスクを評価して優先順位を決めます。リスクは「発生確率(P)」と「重大性(S)」で評価します。
    P1,842
    計画には5W2Hを明確化することが基本です。   まずなぜそのプロジェクトが必要なのか 理由(Why) を明確にします。そして 目的(What) を明確化します。それから 対象範囲(Where)、 納期(When)、 誰がやるのか(Who) などを明確にします。5Wが明確になったら、2Hの どんな方法で(How)、 予算はどれくらいで(How much) やるのかを明確にします。どれひとつ欠けても計画として不十分です。
    P1,899
    計画段階で必要なリソース(経営資源)を獲得するよう、リーダーは戦え。必要性を説得するためにも計画は重要 【ウラ技】 リスクマネジメントの対策はWBSに組み込んでおくとよい
    P1,967
    サプライチェーンとは、消費者に商品を届けるまでの、一連の業者と業者のつながりです。サプライチェーンの構成要素は、「商品開発」「調達」「製造」「配送」「販売」「アフターサービス」です。   SCMは、そのサプライチェーン全体をトータルでマネジメント(経営)する経営革新手法です。 簡単に言うと「販売時点情報(POS:Point of Sales)」「トータル在庫情報」「生産計画情報」を連動させ、製品のトータル在庫を削減しながら、売れ筋製品の在庫欠品を防ぎます。
    P2,078
    目的の明確化   目的はプロジェクトがめざすゴールです。「何々のために何々をする」ことを決めます。目的は迷った時に立ち返る、プロジェクトの拠り所になるものです。迷ったら目的に戻って考え直すということを肝に命じておきましょう。
    P2,089
    達成目標は、目的をさらに数値化して詳細に定義したものです。 目標にはQCD(品質、コスト、納期)を含めるとメリハリがでます。
    P2,278
    WPの大きさは、8/ 80 の法則を目安にします。8/ 80 の法則とは、8時間から 80 時間、すなわち1日から2週間の期間で完了する大きさを目安にします。
    P2,393
    企画会議では、プレゼンテーションが重要になってきます。 プレゼンテーションは3つのプロセスに分けることができます。「プレ・プレゼンテーション」「プレゼンテーション(本番)」「アフター・プレゼンテーション」の3つです。
    P2,398
    プレ・プレゼンテーションには、 目的の明確化、資料の作成、事前準備などがあります。 段取り八分といいます。 プレ・プレゼンテーションの段階で、成功の8割が決定するといっても過言ではありません。
    P2,405
    プレゼンテーションの目的は、相手を説得して、企画の承認を勝ち取ることです。熱意と好感度を維持しましょう。プレ・プレゼンテーションがしっかりしていれば、相手が上位の役職者だとしても、自信を持ってプレゼンテーションできます。自信があれば、聞いて欲しいという熱意が、緊張を忘れさせてくれるものです。   ◆ アフター・プレゼンテーション  プレゼンテーションが終わると、 質疑応答の開始です。
    P2,502
    プロジェクトは、実行前のしくみ作り(ルールの確立)が極めて重要です。 発足後にしくみを作ろうとしてもメンバーの足並みが揃わず、プロジェクトを混乱させる原因にもなりかねません。   情報伝達のしくみは、伝達ルートだけでなく、フォーマットまで明確にしなければ定着しません。
    メモ創業も一緒だな

    P2,511
    統合のしくみとは、情報共有、進捗管理、意思決定の伝達の管理システムです。   管理システムの確立の手段には大きく分けて、「ルールの明確化」「会議体の明確化」「情報共有化」「情報ツールの活用」の4つがあげられます。
    P2,722
    【ウラ技】 何事も早期対応が基本。悪い情報は早めにオープンにする 【ウラ技】 リーダーは、メンバーが悪い情報でも話しやすい雰囲気を演出すること
    P2,730
    ひとつめは、会社目標とプロジェクト目標の関連の不明確さです。 プロジェクトの重要性を会社目標と対応させて明確化しておくことで、重要性をアピールできます。

  • 仕事の中でなんとなく経験してきたことをあらためて整理したいと思って読んだ。その点では役に立った。あとはこれを実践でどう活かすかどうか。

  • ・プロジェクトとは「特定の目的」達成を「臨時の組織、構成員」で行うことであり、定型的な日常業務とは一線を画すことが多い
    ・当たり前だが特定の目的を明確化しておく必要がある
    ・上記の要因から制約条件、作業計画、スケジュール、コミニケーションチャネル、仕組みの明確化が必要
    ・企画、基本設計、詳細設計、製造、導入・運用のフェーズに分けられることが一般的
    ・企画と基本設計の段階でコストの大半が決まる
    ・フェーズ間では必要になるスキルが異なることから人員が分けられることが一般的だが、企画〜基本設計のメンバーが存在している必要がある
    ・それぞれのフェーズでのインプットとアウトプットを明確化しておくこと
    ・ウォーターフォール(フェーズ間をきっちり分けて進行してさせていく)、スパイラル(プロトタイプなどを作り、工程間の行き来をする)
    ・フェーズ間でWBS(WorkBreakdownStructure)を行う=構造化され、細分化されたタスクの詳細化を行う。
    ・WBSの管理にはガントチャートが一般的。この時点で見積もりを行う
    ・起こりうるリスクについてリストアップし、リスクマネジメントを行う

  • 書籍内では、プロジェクトの種類を1. 経営改革プロジェクト, 2. 商品&事業開発プロジェクト, 3. 情報システム開発プロジェクト, 4. プラント建設プロジェクト、と分類していた。
    この書籍はその中の、1. 経営改革プロジェクト、に該当する事例をストーリー仕立てで説明してる。

    事業会社にいる人が、経営改革プロジェクトの立ち上げに関わることになった時に、どういった進め方になるのか、何を想定していればいいのか、を知るのには良い書籍なのだと思う。

    タイトルで言うほどは図解されていなかったような?
    あとは事例が少し古めの企業文化の日本企業、みたいな印象を受けたので、その雰囲気があうかどうか。

  • プロジェクト管理初心者はもちろん、知識を一通り知ってる方にも、計画とは何のためにあるか、起きやすいコンフリクトなどあらためて気づきが得られる。

  • kindleにて。
    話が具体化され、クライアント目線の話がメインになっていた気がする。
    PMOの理解という点では、少しわかりにくかった。

  • プロジェクト活動=プロジェクトマネジメント。
    プロジェクトは新しい枠組みを作るために組成される。目的を達成するために役立つことであれば、どんどん出る杭になるという価値観。プロジェクトの目的は、特定の目的を達成することで、それが達成できれば解散する。プロジェクトの納期は会社の月次や期の時間軸とは別に決定される。

    日常業務(既存組織)=組織マネジメント。
    やるべきことが明確なもの、ビジネスモデルが確立されているものは、既存組織で進める方が圧倒的に良い。

    プロジェクトは既存組織と異なり、暗黙のルールが無いことから、「前提条件」「制約条件の明確化」が必要になってくる。
    「前提条件」はプロジェクトにおける決めごと。例えば新商品開発プロジェクトの場合、ターゲット顧客をどうするか、販売価格や数量をどれくらい見込むのかを決めることが必要。
    「制約条件」は、社内外から決まる、変更が難しく足かせとなる条件。社外要因からは、法規制、世論などの制約。社内要因からは、会社の経営資源の大きさ、経営者こだわりなどが制約になり得ます。

    ■PMBOK(ピンボック)プロジェクトマネジメントの知識体系。9つの知識体系で構成。
    「統合マネジメント」「スコープマネジメント」「タイムマネジメント」「コストマネジメント」「品質マネジメント」「人的資源マネジメント」「コミュニケーションマネジメント」「リスクマネジメント」「調達マネジメント」の9つ。

    ■マスタープランの目次
    0.目次
    1.背景
    2.目的
    2-1.目的と目標の明確化
    2-2.対象範囲の明確化
    3.前提条件と制約条件の明確化
    4.プロジェクト方針の明確化
    5.フェーズ分割の概要
    6.フェーズの活動内容と成果物
    6-1.フェーズ1:戦略策定(3ヶ月)
    6-2.フェーズ2:システム設計(4ヶ月)
    6-3.フェーズ3:システム開発(8ヶ月)
    6-4.フェーズ4:システム導入運用(3ヶ月)
    7.概略予算と投資対効果の検証
    8.実行計画
    8-1.WBS
    8-2.スケジュール
    8-3.各フェースの推進体制
    9.推進上の留意点
    9-1.リスクマネジメント
    9-2.推進上の課題

    ■目標は目的の一部
    目的は単純明確に定義。「何のために〜する」とか「〜によって〜を実現する」など。細かい定義は目標ですればよい。
    目標は数字で具体的に定義。「製品在庫の50%以上の在庫削減」「クレーム発生率を0.01%以下を実現する」など。目標はQCDで定義する。Qクオリティ。Cコスト。Dデリバリー(納期)

    ■中間報告書の目次
    1.背景
    2.目的
    3.プロジェクトの推進体制
    4.運用スケジュール(実績と今後)
    5.現状分析
    6.業務改革方針
    7.今後の進め方概要
    8.プロジェクトへの協力のお願い

  • プロジェクトマネジメントについて、架空の物語とともに解説する本です。
    おそらく、一般的なプロジェクトマネジメントについて包括的に説明しているのかなと思います。
    ステークホルダーや関係者への根回し的な部分や情報の整理の仕方については学ぶ部分があると思います。

    ただ、この本の問題点として、架空の物語のみに当てはまる話なのか、一般的なプロジェクト全般に当てはまる話なのかがわかりにくいということです。
    架空の物語のプロジェクトがかなり大規模なものなので、もっと小規模なプロジェクトでも本当にここまでやるものなのか、よくわからなかったです。

    また、近年だとソフトウェア開発界隈だとよりアジャイルな進め方が一般的になりつつあるので、この本に書かれているやり方だと正直遅すぎるように思いました。
    そういう層ではなく、より日本的な大企業向けのプロジェクトマネジメント手法と考えれば妥当なのかもしれません。

    正直あまりおすすめはしない本です。

  • タイトル通り、プロジェクトマネジメントの取扱説明書。

    プロジェクト遂行に要するプロセスと検討項目が網羅的に書かれてあるだけでなく、要点毎に成功につながる勘所が丁寧に書かれてある。ある会社がCSMを導入するという架空のストーリーをケーススタディとして、各フェーズ毎に解説を加えていく展開も具体的なイメージができて分かりやすい。また、マスタープランや実施計画書、ガントチャートなど、具体的にプロジェクトを進めるにあたって用意されるべき資料に関しても、そのままベースにできるレベルの具体例が掲載されており、実務の視点でも有用。最近、初めてリーダーとしてプロジェクトを任された自分にとって、必携の書となった。

    これまで、いくつかの施策に携わったことはあるものの、何を目指しているか分からないままチームが空中分解を起こしたり、何を進めて良いか見えない中で年度末の期限に苦しい抗弁を捻り出す、というほろ苦い経験をしてきたが、その理由がよく分かった。これから着手するプロジェクトも不確定要素が多いので最終的に日の目を見るか分からないが、この本を読んだことで、少なくとも明確な目的を設定の上、各フェーズでやること、スケジュール、役割分担をきちんと明らかにして、責任を持ってプロジェクトを終結まで持っていく自信を持つことができた。

  • 様々なプロジェクトに関わることが増えてきたので、基本知識を得るために読んでみました。初めて聞く内容ばかりなので理解しきれていないところもありそうですが、途中からサプライチェーンの解説と混ざりこんで、どちらがどちらのことを話しているのか迷い込んでしまいました。他の本で基本の基本を押さえてから読むと良いのかもしれません。

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著者プロフィール

株式会社ナレッジクリエイト代表取締役
経営コンサルタント

1982年東京工業大学「経営工学科」大学院修了。富士フイルム株式会社を経て、90年に日本総合研究所に移り、主任研究員として民間企業の経営コンサルティング、講演会、社員研修を多数手がける。2003年より芝浦工業大学大学院教授、08年より同大学院客員教授。現在、株式会社ナレッジクリエイト代表取締役。専門分野は、経営戦略、戦略思考、プロジェクトマネジメント、ロジカルシンキングなど。
主な著書に、『持たないで儲ける会社』 (講談社+α新書)、『1分間ドラッカー』、『1分間コトラー』『1分間ジャック・ウェルチ』(以上、SBクリエイティブ)、『ゼロから始めるプロジェクトマネジメント大全』(大和書房)、『問題解決フレームワーク44』『戦略決定フレームワーク45』(学研パブリッシング)、『ポーター博士の「競争戦略」の授業』(かんき出版)など著書120冊以上。

「2015年 『伸びる会社の社長の条件50』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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