夜の国のクーパー (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  •  ファンタジーに分類した。まあ、ミステリかとも思うのだけどね。さしずめ大人の寓話といったところかしら。
     作品のジャンルや雰囲気は伊坂作品としては異色なのかなと思うけど、「疑え」というメッセージは通底しているし、なんとなくデビュー作の『オーデュボンの祈り』の雰囲気と大胆さがあって、良かった。

     最初はあまり情景が思い浮かばず(というか終盤までそんな感じだった)、それほどノレなかったのだけれども、最後にまず一つ目の真相が明らかになるあたりで「おお、これは自分の身近でも思い当たる話だぞ」と急に親近感が沸いたし、さらに二つ目の真相が明らかになったときの映像が開けるような感覚が、やっぱりうまい。
     はじめて伊坂幸太郎を読む人には別の本を薦めると思うけど、これはこれで面白かった。

  • 2017.9.24 ★4.1

    伊坂幸太郎作品には珍しくファンタジーなストーリーでした。
    初めこそ???な感じでしたが、読み進めるにつれ、猫、ネズミ、人間の小国が世界の縮図のように思われ、あっという間にラストまで読んでしまいました。
    ただ、オチはもう少し何とかならなかったかなと思われます。

  • 猫と人の会話で進められる物語。これまで疑問に思わなかったことに、疑問を持ち行動することの大切さが、ストーリーのあちこちに出てくるのが好き。

  • 終戦記念日の最中も読んでいたせいか、日本は敗戦国なんだということを、感じさせる内容に思えました。
    基地問題や治外法権、理不尽な事件などがリアルにリンクしていると感じたのに!
    なんということでしょう!(笑)
    あまりにファンタジーな展開。
    最後の章。
    面白かったが故に、ちょっと納得?いえ、理解できないでいます。

  • 伊坂作品は魅力的なキャラクターが沢山出てきていいですね。小さな国の人間、猫、ネズミ、みんな活き活きと描かれています。
    戦争モノのファンタジーですが、現代日本の置かれた状況もあわせて、考えさせられますねね。

  • 珍しくファンタジーな物語だが、内容的には結構現実的な題材だとおもう。主人公の存在意義がもう少しハッキリ分かればよかった。

  • 【どうせ小説を読むのであれば、聞いたこともないような「とんでもないホラ話」がいい。しかも現実社会とどこか地続きのものがいい。】(文庫版付記 より)

  • 不思議な猫が語る不思議な国のお話。
    伊坂作品にしては、わかりやすいかも。
    最後のオチ、やられました。

  • 再読。kindle。ファンタジーの世界設定だが、メッセージは現代的で、ある意味政治的。「疑え」というメッセージがここ近年より重要さを増しているように思われるが、それを伊坂さんらしい物語の中にうまく埋め込んで伝えてくれる。このメッセージがより多くの人に届いてくれるといいなあと思う。大江健三郎さんの『同時代ゲーム』に影響を受けているとはあとがきを読んで初めて知った。大江さんを読み直してみなければ。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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