罪の余白 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
3.67
  • (12)
  • (33)
  • (30)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 243
感想 : 36
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (263ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いじめを題材にした内容は辛いです。加えて娘がいる身、考えさせられます。加害者に復讐を誓う、でも加害者に対しても少し希望を持っていた被害者の父親の気持ちが分かります。

  • 早苗さん大好き。ってなりました。
    早苗さんでもう一作書いてほしい位。
    後半につれて、スリリングな展開が素敵でした。それぞれの感情を見れる書き方はいいですね。特にこのような作品ではすごく良かった。

  • 罪に罪を重ねて余白はない。早苗と話してみたい。

  • 女子高生・安藤加奈が校舎の4階から転落して死亡した。遺書などはないものの目撃者の証言などにより自殺の線が濃厚ということでほぼ決着していた。
    大学講師の父・聡は片親で講義中のため第一報を受け取れず,娘の死に目に間に合わなかった。しかし自殺という結論には納得がいかず独自に情報収集を続ける。
    所謂倒叙小説に近い形と言えるが,転落に至る状況については関係者の視点で冒頭から明らかにされている。つまりちち・聡がどうやって真相にたどり着くのか,たどり着いた後,加奈を死に追いやった人間をどうするのかという点がこの作品のメインの筋である。

  • 学校で転落死をした娘の死の真相を求める父。
    なぜ娘は死ななければならなかったのか?

    次々と登場人物の視点に切り替わりながら進んでいく物語が、それぞれの心理をより分かりやすく描き出し、とても読みやすかった。
    他者との関係性が希薄な自分には、少女たちの気持ちがあまり理解できなかったが、こんな気持ちもあるのだろうか?
    早苗さんの存在がとても魅力的で、彼女の物語も読んでみたい。

  • 「忘れないようにパスワードにする」っていいなと思った。
    途中からムナクソわるい。

  • 大学講師の安藤は講義中に何度も鳴った携帯電話の電源を切った。しかしそれは娘の加奈の死を知らせる義母からの電話だった。なぜ加奈は死んだのか?それは自殺だったのか?答えの出ない問いを問う安藤。加奈の友達の咲と真帆の独白。安藤の上司にあたる小沢早苗の独白。彼女は他者とのコミュニケーション障害を持っている。それぞれの声を借りて加奈の死の真相を探っていく。

  • デビュー作。野性時代フロンティア文学賞受賞作。

    高校のベランダから転落した加奈の死を、父親の安藤は受け止められずにいた。娘はなぜ死んだのか。
    加奈、友人、父親などそれぞれの視点で語られ、面白かった。
    女子高でのスクールカースト、こんなふうに自分の位置を認識して、学生生活を送っているのか。

    同僚の女性心理学教授の早苗は人の気持ちや空気を読めず、言葉どおりに受け取る女性。なかなかいい味を出してした。

    読みながら、以前テレビで映画を見たことを思い出した。

  • すごく面白かった。

著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

芦沢央の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×