ネアンデルタール人は私たちと交配した (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ☆画期的な論文が2010年に発表されるまで

  • 有り 469.2/へ/15 棚:11

  • 2022年のノーベル生理学賞・医学賞を、DNA考古学者のスヴァンテ・ペーボ博士が受賞したことを聞いて、ホモサポエンスとネアンデルタール人との交配の証拠を明らかにした業績からは当然だと思いました。
    本書はまだ読んでいなかったので、手に取ってみました。
    その研究の内容が、本書でリアルに詳細にくり拡げられています。
    DNA解析の具体的な研究内容は、わからないことが多いのですが、その苦闘ぶりの雰囲気は伝わってきます。
    その困難さを知ると共に、DNA考古学の急速な進歩はヒト発生の神秘を解き明かしつつあると感じました。
    また、本書はぺーボ博士の自伝でもあります。
    DNAという古人類学科の新しい武器を手に、大学院生から一流研究者へと駆け上がる青年の怒涛の進撃は、まるでドラマのようです。
    しかもノーベル賞という大団円まで準備されているのですから、驚きとしか言いようがありません。
    ヒトの発生は神の御業ではなかったのか、それともこれこそが神の御業なのかと、嘆息する思いです。
    2010年に「サイエンス」に提出したペーボ博士の論文は174ページの電子補助資料付きで発表され、ある古生物学者はそれを「科学論文というより本に近い」と評したとされています。凄いとしか言いようがありません。
    本書は、化学研究としても研究者のドラマとしても面白い本であると高く評価したいと思います。

  • 非アフリカ系現生人類のゲノムには、少なくとも2%以上のネアンデルタール人由来のゲノムが含まれている、という衝撃の事実が本書の説明するところ。考古学、分子生物学、数学、ソフトウエア開発等の統合プロジェクトで、この事実を科学的に証明した著者は、分子生物学のプロ中のプロであり、本物のプロジェクトマネージャである。 つまり、本書の読みどころは2点。1点目は当然ながら「どうやって、本書題名を証明したのか」。2点目は、「この証明を行うプロジェクトを著者がどうやってマネージメントしたか」である。いずれの観点でも読み応えあるが、残念なのは、個人的な恋愛や家族形成が書かれているところ。これは、いらんでしょ。

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