翼をください 上 (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 1939年、初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真に映るカメラマン山田順平の消息を追って記者の翔子はカンザスへ向かう、老人ホームに94歳になる彼がいた。
    写真に映る、彼の襟元には翼の形をしたネームプレートにAmy.Eとあったとか80年前の写真を880倍ズームとか凄くない⁉︎ 嘘880倍ってことかなw
    そこから、かつて数々の世界記録を樹立した女性パイロットエイミー・イーグルウィングが浮かび上がる。
    (モデルの人物はアメリア・イアハートという女性らしい。)
    それに、ルーズベルトにアインシュタイン、山本五十六までビッグネーム天こ盛りで清々しい。
    で、ヤマジュン爺さんなんでカンザスに住んでるのか無茶気になって後編に続きます。

  • 勢いで上巻読了。

  • 『さいはての彼女』がとても気に入った作品だったので同じ作者の作品を読んでみようと読み始めた。想像とは違って『さいはての彼女』とは全く違ったジャンルだった。ドキュメンタリー風かつサスペンス風と言った感じの長編小説となっている。主役が飛行機乗りということもあり、舞台もアメリカと日本さらに世界各地と幅広く、それぞれの登場人物も魅力的だ。時代背景は第2次世界大戦前の1930年代で不穏な空気が漂う頃だ。どこまでが史実でどこまでが創作かわからないが、ワクワク感、ドキドキ感が止まらない。下巻が早く読みたい。

  • 「世界はひとつである。それを証明するためです」、「空から見れば、国境などないのです。私はそれを、全アメリカ国民に代わって確認してきました」。1928年、女性パイロットとして初の大西洋横断飛行に成功したエイミー・イーグルウィングが記者に語った言葉だ。そのエイミーは、1937年7月、世界一周飛行達成目前の太平洋上で忽然と失踪してしまう。

    一方、日本の大手新聞社、暁星新聞の若手報道カメラマン山田順平は、同社を上げた一大イベント、世界一周飛行に関わろうとしていた。

    太平洋戦争前の日米を舞台にした飛行機冒険ドラマ。物語は、エイミー・イーグルウィングと山田順平、この二人を軸として展開する。

    どこまでが史実で、どこからが創作なのか、よく分からないが、少なくともエイミー・イーグルウィンは実在の人物らしい。日本の新聞社による世界一周飛行は史実なのだろうか?

    原田マハの作品は初めてだが、とても読みやすい。展開もダイナミックで面白い。下巻が楽しみだ。

  • 出だしは、期待したが、後半は、史実よりフィクションに重点置かれて、ミステリー感がなかつた。
    暁星新聞の記者である青山翔子は、社内の資料室で一枚の写真を見つけた。それは、1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真だった。翔子は当時、暁星新聞社が社運をかけて取り組んでいたプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザス州アチソンへと飛ぶ。老人ホームで暮らす山田は、翔子から渡された古い写真を見て、重い口を開いた。そこには、ある米国人女性パイロットの姿が―。

  • これを書いている時点で、既に下巻も終わって感想を書いてますが、上巻だけでも一つの小説として成り立つような感じでした。我が国の史実をこのようなかたちで知れたことに感謝。

  • 空を飛ぶことが普通ではなかった時代に、こんなにも多くの女性たちが果敢に飛行に挑戦していた。
    .
    「私たちはひとつじゃない。だからこそ、共存しなければならないんですね」
    .
    私は、飛ぶのだ。私自身のために。自由の、ために。
    .
    世界は、ひとつではない。だからこそ、大事なのは、共存すること。

  • これって本当にあった話?!って思いながら読んでた。
    前半のエイミーの話と、後半の山田の話が、下巻でどうクロスするのか気になる。

  • 「異邦人」のような作品を期待して読んだけど、あれっ、なんか青臭い...。調べたらだいぶ初期の作品だった。異邦人のような奥行き、彩りは感じず、だだっ広い透明感のある空のような印象。だんだんと戦争の匂いがして陰謀に巻き込まれていく様子はどきどきしたけど、セリフ回しが多く、登場人物のキャラが爽やかすぎたり完璧すぎたり正義感すぎたり青臭かったりが、漫画作品を小説で読んでいるようで、ちょっと照れくさい気持ちに。

  • 第二次世界大戦前夜、世界一周を目指し太平洋上で消息を絶った米国の女性パイロット。
    同じ頃、新聞社の社運をかけ世界一周に飛びだった日本の飛行隊。
    国は違えど思いは同じ、'世界は一つ。'
    かなりの頁ながら壮大なヒューマンドラマにただただ感動。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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