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感想・レビュー・書評
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まえがきを読みはじめたところで早くも感動。都甲さんは、東大の柴田元幸さんの、アメリカ文学の短編を読んできて自由に意見を言い合うという授業を受けて、自分の意見をきいてもらえる、自分の居場所がある、ここにいていいんだ、と感じた、という。いいなあ、そんな授業を若いときに受けていたら、わたしも人生変わっていたかも、とか。
対談で話されていた、マイノリティとは、人種とか性別だけではなくて、「世界に違和感を感じ、悲しい気持ちで生きているマイナーな人」だとか、「友達の少ない人によるグローバリゼーション」だとかいうあたりにも、すごく共感した。
都甲さん、先生である柴田元幸さんに、英語力がない、アメリカに行ってきなさいとか言われて(わたしは、いや東大なのに、どんだけ高い英語力を求められているんだろうとか思った)、アメリカの大学院に留学したとき、なんで日本人に生まれたんだろう、アメリカ人だったらよかった、今までの人生無駄だった、とまで精神的に追いつめられた経験があるという話をしていて、興味深いといったら失礼かもしれないけど、もっとそのころの話をききたいと思った。
ご自身がそこまで苦労されたからだろうけど、翻訳家になりたいっていう人たちの英語力が低すぎる、とか、アメリカで1、2年過ごして、それからアメリカの本を紹介したいと言うべきでは、などとあって、ああ、死ぬほど苦労しないと翻訳家になんてなれないんだなあと。対談相手の岸本佐知子さんも、翻訳家になるのに生まれてこのかたないくらい勉強して、とか話していたし。……翻訳なのに「スポ根」?とか思ったり……。
ただ、挙げられている本は、アメリカ文学に限らず、世界文学、国境を越えるような文学で、実験的で斬新なものが多くて、わたしなんかは「文学」はこういうもの、っていう固定観念にとらわれているので、けっこう苦手なジャンルかも、とも。
あと、村上春樹についての対談がかなりページがあって、村上春樹は英訳されることをはじめから考えて書いているはずだとか興味深い話や、個々の作品について深い考察がさまざまあっておもしろかった。
とにかくとてもおもしろかったので、都甲さんの本をもっと読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかく私がアメリカ文学と村上春樹に明るくない、どころかほぼ読んだことないので、対談そのものは楽しく読めるのに、本の感想や考察部分がさっぱりや〜
じゃなんで読んだんだと言われると謎だけど、翻訳者の書く文書エッセイが好きだから興味を持ってしまったのでした。
海外文学読んでみよっかなぁ~、てか、村上春樹の1Q84読んでみたいな〜と思った。途中、ほぼずーーっと村上春樹の話で、あーやっぱり人が語りたくなるような人なんだなぁ〜とおもった。