原作未読。
役者陣が魅力的に感じて見てみたが、原作が元々なのか
映画化にあたってなのかわからないがあまりにも陳腐な内容。
そもそも原発が悪者、それを推進する政府は黒、
関係者がいじめられれば100%被害者というスタンスが
偏りすぎていて見ていて不愉快。
リアリティが無く、その道のプロである登場人物たちが
すぐに感情的になって怒鳴り合うのも違和感だし
刑事が拳銃紐もせず簡単に素人に銃を奪われたり
無線で連絡を取るのを諦めて、モールス信号で
使い方を指示するのでもなくずっとやり取りをしたり
それでいて說明は不十分だったりと滅茶苦茶。
犯人が手錠をかけられた時にしても、相手を殺してしまうより脅して歩かせるか
殺してから鍵を探す方が良いだろうし
ナイフをつきつけられて、画面の派手さを演出したいのだろうが
刃の部分を持って掌が切れても気にしない演出もチープ。
家族の関係も、どの家族の描写も中途半端だった。
冒頭で湯原がヘリにしがみつこうとしたとき、
それだけでどれだけ握力があるのかと思ったが
そんな努力の末振り落とされた湯原に嫁が
しがみついておけよと言うところからして呆れてしまった。
wikiによると作中に航空自衛隊が登場するにも関わらず航空自衛隊や防衛省等からの協力は得ていないらしく
そのせいなのかわからないがどこまでも説得力がない。
「ビッグB」が碌なセキュリティもなくあっさり盗まれるのも勿論だが
そもそも子供が簡単に忍び込めるという設定からして杜撰。
綾野剛さんの演技は好きだけれど
全体の話がチープなので名演が浮いてしまっていて気の毒。
これは他の役者さんたちにも言える。
安っぽい展開と演出だと、演技を真剣に演じているほど浮いてしまうのが悲しい。
唯一高彦を演じていた田口翔大さんが非常にうまく
ちょっとした表情などの表現も素晴らしくて
この浅いストーリーの中でも感情移入できそうになるほどだったが
調べてみたところもう芸能界は引退されるようでとても残念だ。
12月23日追記
小説を読んだが、小説では原発が絶対悪という書き方には感じなかった。
ヘリがジャックされ、そこに子供が乗っていて救出するという概要は同じだが、細かなところが全く違う。
そしてそのディテールの違いで印象は大違いだ。
原作とは別物と思った方が良い。
★★から★に修正します。