BCGの特訓――成長し続ける人材を生む徒弟制 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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  • どの仕事にも通ずる「型」を得ることができる1冊。私はいつも脳内が騒がしく、無駄にエネルギーを使っている自覚がある。本書を定期的に読み返し、人生という限られた時間をより有意義に使えるようになる。

    ・「守破離」
    スキルを集めるだけでは成長しない。

    ・"最近調子がいいな、うまくいくな"と思ったらむしろ要注意。

    ・指示されて動く「フォロワー」から、自分で考え目的を持って動く「リーダー」になる。

    ・企業が求めているのは、今後の変化する環境(今は全く予測もできないもの)に合わせて、めげずに試行錯誤しながら自分で成長できる人

    ・これをやりたい、これを伝えたいという強い想いがなければ"便利屋" "作業屋"止まりになってしまう。

    ・「自分の中で相対的に得意なこと」と「プロとして仕事で通用する水準に到達していること」を混合しない。市場で戦えるレベルまで磨かないと、「強み」とは言えない。

    ・成果ベースの目標がない「モグラ叩き型」は手段が目的化しやすい。
    ex)PJでリーダーからロジカルシンキングを指摘されたから、「ロジカルシンキングができるようになる」→「ロジカルシンキングができるようになることで、いつまでに、どんな成果をあげたいのか」

    ・ビジネスは時間との戦い。意思決定に必要な情報がすべて揃うのを待っていたら競争に負ける。自分としてここだけは抑えたいというポイントを絞り込み、限られた情報のなかで自分の意見を持つ努力をする。

    ・学びのスイッチが入っている時間を増やす。決してサボっている訳ではないものの、漫然と作業になっている場合がある。

    ・「観客席から観る」のではなく、「ネクストバッターズサークルから見る」。

    ・思考のプロセスを因数分解することで、本質をシンプルに抽出する癖をつける。
    ①うまくいかなかった時:思考の癖を見抜く。
    ②うまくいった時:再現性を作る。

    ・実践の機会を多く持つことで、PDCAの回数が増え、成長が加速する。

    ・上司とは、自分が成長するために"使いこなす"べき存在。

    ・やろうと決めたことが実現できない理由は3つ。
    ①(本音では)やる気がない
    ② How toがない
    ③ リソースがない

  • 成長とはスキルアップではない。正しい目標設定と正しい自己認識のもと目標に向かって努力すること。
    頭をガツンと殴られた感があります。
    若手〜中堅ビジネスパーソンの伸び悩み方を類型化し、成長するマインドセットと方法論を教えてくれます。

    ・伸び悩む原因
    スキルコレクター
    手段が目的化して目的(仕事で成果を出すこと)に興味がない
    目の前のモグラ叩きに夢中になる

    ・自己認識の落とし穴
    弁護士、会計士、公務員などにみられる思考パターンは「正解探し」。仮説思考ができない。
    「限られた情報のなかで自分の意見を持つ努力をしろ。そのうえで、自分としてここだけは押さえたいというポイント絞り込め」

    ・成長を加速する鉄則
    成長の面積を増やす
    量=スイッチオンの時間を増やす
    任され下手を脱却する。任されるためには上司と積極的にコミュニケーションをとり成果物の解像度を上げる。
    リバースエンジニアリング(なぜ自分は誤ったBという選択をしてしまったのか?を考えて原因を探る)


    ・成長のマインドセット
    他者貢献の思い
    折れない心
    素直さ

  • これ系は、独語になるケースが多い気がしてて避けてたけど、思ってたよりも全然汎用化できる話で書かれてた。さすがや。

    なぜなぜ5回の話を、ダイエット中の人が風呂上がりにビールを飲むことに例えるとか、イチイチうまくてもはやウケる。

    本題の従弟制のとこは、MGRは成果と成長を両方追わないといけない、とシンプルに定義されてて、それにより成り立つんだよな、ということと、ここがナアナアなケースがやりきれてないケースなんだろうなあという感想。言ってることはごく単純、できるかどうかが別の話。

  • 最もレベルの高い知的労働を行うであろうBCG現役のパートナーが執筆したとあって、単なるアカデミックな内容に留まらず、いずれも具体例まで示されている点が非常に興味深い。「何となく知っている」という内容も多かったものの、構造化されて示される事でより深い理解ができ、かつ、実際のマネジメントにも応用が効きやすい内容であった。

  • BCGにおけるコンサルタント養成手法を体系化した一冊。若手コンサルタントはもちろん、事業会社の若手や育成担当者・人事担当者が読んでもタメになると思われる。

    【メモ】
    ・パフォーマンスに必要なもの
    (1)マインドセット
    ①他者への貢献に対する思いが強い
    ②折れない心
    ③原因自分論を持てる素直さ
    (2)スキルの使い方
    (3)個別のスキル

    ・成長=目指す姿と現状のギャップを埋めること

    ・成長を加速させる法則
    (1)オンの時間を増やす
    (2)目を肥やす
    (3)行動を分解する
    (4)実践する、変化する

  • BCGには人材育成のベースとなる、2つの考え方(成長の方程式)がある。
    ①マインドセット(基本姿勢)+スキル
    継続的な成長のためには、スキルの他、次の3つの「マインドセット(基本姿勢)」が欠かせない。
    1他者への貢献に対する強い想い
    2何度もチャレンジを継続できる折れない心
    3できない事実を受け入れる素直さ

    ②正しい目標設定+正しい自己認識
    人が成長するためには、あるべき姿を正しく定義して、自身がどういう状態にあるのかを理解する必要がある。

    成長スピードの速い人は、次の4つをすべて実践している。
    ①スイッチ“オン”の時間を増やし、常に学ぼうと心がける。
    ②良い手本に多く触れ、自分の「目を肥やす」。
    ③自分の行動を「分解」し、1つの経験から多くのことを学ぶ。
    ④とにかく実践し、学びの機会を増やす。

    効果的な育成のためには、業務を分解して難易度別に分け(一番難易度が高いのが「論点で与える」で、以下「仮説で与える」「タスクで与える」「作業で与える」と続く)、本人の実力に合った難易度の業務を任せる必要がある。
    ①論点で与える:
    A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。どうしたらいいか考えてみて。
    ②仮説で与える:
    A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。商品を小売店に運ぶための物流コストがネックになっている可能性があると思うんだけど、調べてみて。
    ③タスクで与える:
    A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。商品を小売店に運ぶための物流コストがネックになっている可能性があると思うんだけど、主力商品のCとDについて、工場から小売店への配送コストがここ3年でどう変化したか、分析してくれる?
    ④作業で与える:
    A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。商品を小売店に運ぶための物流コストがネックになっている可能性があると思うんだけど、主力商品のCとDについて、それぞれの事業部に問い合わせて、工場から小売店への配送コストのここ3年間の変化を、配送業者ごとにこんな感じの表にまとめてくれる?

    育成を着実に進めるには、次のようなPDCAを回す必要がある。
    ・PLAN:育成を狙った適切な仕事を任せる
    ・DO:コントロールの範囲内であえて、転ぶまでやらせてみる
    ・CHECK:適切なタイミングでフィードバックする
    ・ACTION:行動を意識したアドバイスを行う。伝える際には、より具体的な行動を示す「アクションベース」にする

  • ■筆者経歴
    【木村亮示】
    1996年(23歳) 京都大学経済学部卒
    1996年(23歳) 海外経済協力基金
    1998年(25歳) HEC Paris経営大学院経営学修士修了
    2000年(27歳) 国際協力銀行 カントリーオフィサー
    2002年(29歳) BCG コンサルタント
    2004年(31歳) BCGプロジェクトリーダー
    2006年(33歳) BCGプリンシパル
    2010年(37歳) BCGシニアパートナー・マネジングティレクター(現職)
    — 【木山聡】
    1995年(23歳) 東京大学経済学部卒
    1995年(23歳) 伊藤忠商事株式会社不動産事業部
    2001年(29歳) BCGパートナー・マネジングティレクター(現職) -
    ■全体感想
    自分の仕事への向き合い方や、キャリアを考える上で非常に刺さった、刺さり過ぎた一冊であった。
    「このスキルと、あのスキルと、こんなスキルを付ければ成長できる!!」というチェックボックスメンタリティを以て自分の成長を測るのではなく、「いかに自分が顧客に提供出来る価値を最大化していくか」を軸に成長は捉えるべき。真の成長は現場からしか学べない、客と本気で向き合って価値を提供せねばならない、という当たり前だけど忘れがちな本質を再認識させてくれる本。若手の新人研修担当になったら絶対読ませるだろうと思った一冊。 —
    ■エッセンス
    ①WHAT (この本を一言で)
    最速で成長する為のエッセンスを詰め込んだ本。

    ②WHY (読む目的)
    新卒入社後すぐになんとなく戦略コンサルに憧れて買ったけど放置していた本で帰り道に薄くてすぐ読めそうだったから読んだ。
    しかしながら、自分の伸び悩んでいる状況や仕事の悩みに対して非常に刺さる点が多かった。

    ③THINGS (学んだ事)
    ・所謂「成長」を求める奴は成長が遅い事が多い。自分に不足しているスキルを片っ端から具備しようとするチェックボックスメンタリティに陥いる事が多い。常に生活の中で「学ぶ」という気概を持つオンの時間を長く持って、試行錯誤を重ねながら正しくPDCAを回す事が大事
    ・成長は所詮手段に過ぎない。成長を目的とすると壁にぶち当たった時に乗り越える為の力が出ない。クライアントの役に立てる様に成長したいという気持ちが成長の1番の原動力になるし、手段と目的を履き違える事は危険である。
    ・付けたスキルはTPOを選びながら使うか使わないかを見極めるべき。そこで大事になるのはマインドセットである。土台となるマインドセットを持った上で個別スキルを習得し、その使い方を学ぶ事が継続した成長に繋がる。これは個別スキルを片っ端から具備するより泥臭くて大変である。
    ・正しいマインドセットは原因自分論を持てる素直さ、折れない心、他者への貢献に対する強い想いからなる。この為にも自分が何を成し遂げたいのか、何を伝えたいのかという熱い想いを持つべき。
    ・PDCAの回し方は「振り返り」「因数分解」「抽象化」「応用」。結果に至ったプロセスを因数分解し、その上で失敗/成功要因となった因子における決断を「何故」自分が下したかを突き詰めて(リバースエンジニアリング p147)スケールさせる事が大事
    ・出来るか出来ないか不安な状況でも足を止めずに諦めずに試行錯誤を重ねながらやってみないと成長はできない。
    ・目標はできるだけ具体的に、結了条件が明確化できる様に。
    ・なんでもできる人よりも「出来ないこともはっきりしているが、突出した強みを持っている人」の方が大きな価値を提供できる。
    ・良いインプットを重ね、共通項を見つけて自分のものとするべし。
    ・どんな時でも「自分だったらどうするか」というオーナー視点で物事を考える
    ・仕事は全て自分でやるものではない。難易度が高いタスクを任された時にまずはどの様に進めるかステップを切る。その案を持って上司に相談しにいく。上司は自分の成長の為に使いこなすべき存在、遠慮している場合ではない。
    ・仕事の振り方は難易度順に「論点で振る」「仮説で振る」「タスクで与える」の三つ。
    ・日本企業において必要性が高まってきているスキルは変化対応力と高度な統合力

    ④HOW(どう実践するか)
    正直学びが多過ぎて情報過多なので、今週末改めて更新します。アクションに落とし込まないとただ意識だけ上がってしまいそう

    ⑤よかった事
    成長は現場に有り。最速で成長出来る思考法やハウツーを学べた。

    現状にかなり刺さる本だった。残業が多過ぎて正直現場から離れたいと思ったが、残業のない今だからこそ空いた時間で現場と向き合うべきだと思った。
    その上で自分の成果を最大化する為のスキルをつけたいと思う。

    また、短期的・中長期的なゴールを具体的、かつSMARTのフレームワークを使って立ててストイックに追求したい。

    伸び悩んでいる若手にお勧めの一冊です。

  • BCGコンサルタント2名による、人材の成長について書かれた本。読みやすい内容ではあるが、基本的に徹底された自責スタンスに立っていて内容が良い意味で厳しめなのでハッとさせられる部分が多く、定期的に読み直して背筋を伸ばしたいと思わせられる本だった。

  • BCGにてコンサルタントとして働く経験から紡ぎ出された、成長の方程式を言語化、開示した一冊。

    特に新卒入社の社員の場合、序盤は全てが新しく学びにつながる経験であるため、離脱しない限り一定の成長は当然のごとく見込める。一方で、一定経験を積んだ上で更なる成長機会をものにしたり、成長速度を加速していくためには、「成長」に対して押さえるべき要諦が複数存在し、これの言語化がなされている。

    いくつか本書から得られた気づきを以下に記載する
    ・成長=機会に触れる量×機会から得られる学びの質、とも整理できる。前者を向上するために必要なことは、能動的なマインド/行動であり、フロントローディングな働きかけを行うことで、チームでの信頼感を獲得し、更なる機会を任せられるというフローになる。後者はPDCAの速度、粒度の細かさが肝要と想定。PJ内における自身の思考、行動を振り返り、継続してこれを改善していく姿勢が必須
    ・根本的に成長とは能動的なプロセスであり、また仕事の目的そのものではない。根本の目的はクライアントに対する貢献であり、これを達成するための手段が成長である(成長することによってクライアントに対する貢献意識も醸成される側面があるため、序盤は一定成長の目的化も重要と想定。ただこれも数年単位で脱すべきスタンスと思う)
    ・成長の根幹にあるのが「自分原因論」。これは全て自分が責任を背負い、耐え忍ぶべきということではなく、自分の中に少しでも原因があるのであれば、それは自らの意識によって変えられるという能動的なスタンスのこと。

    上記以外が主たる気づきであるが、書籍の中でも言及されていたように、ある意味において当然のことがまとめられていると少し穿った見方もできる。一方、これらの意識を持った人材が既に社内で多数を占め、組織に根付かせる風土があるということがBCGの妙であり、「分かってはいるが実践できない」というところに、個々人の成長の難しさがあるのだろうと理解した。

  • コンサルで学ぶこと 2日で読める

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著者プロフィール

ボストン コンサルティング グループ マネージング・ディレクター&シニア・パートナー。BCGコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのグローバルリーダー。ハイテク・メディア・通信グループ、およびトランスフォーメーショングループのコアメンバー。京都大学経済学部卒業。HEC経営大学院経営学修士(MBA)。国際協力銀行を経てBCGに入社。BCGパリ・オフィスに勤務した経験もある。共著書に『BCG 次の10年で勝つ経営――企業のパーパス(存在意義)に立ち還る』『BCGの特訓――成長し続ける人材を生む徒弟制』『BCGが読む経営の論点2018』(日本経済新聞出版)。監訳書に『戦略にこそ「戦略」が必要だ』(日本経済新聞出版)。

「2021年 『BCG「最強(グレート)」を超える戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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