BCGの特訓――成長し続ける人材を生む徒弟制 (日本経済新聞出版) [Kindle]
- 日経BP (2015年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (184ページ)
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成長とはスキルアップではない。正しい目標設定と正しい自己認識のもと目標に向かって努力すること。
頭をガツンと殴られた感があります。
若手〜中堅ビジネスパーソンの伸び悩み方を類型化し、成長するマインドセットと方法論を教えてくれます。
・伸び悩む原因
スキルコレクター
手段が目的化して目的(仕事で成果を出すこと)に興味がない
目の前のモグラ叩きに夢中になる
・自己認識の落とし穴
弁護士、会計士、公務員などにみられる思考パターンは「正解探し」。仮説思考ができない。
「限られた情報のなかで自分の意見を持つ努力をしろ。そのうえで、自分としてここだけは押さえたいというポイント絞り込め」
・成長を加速する鉄則
成長の面積を増やす
量=スイッチオンの時間を増やす
任され下手を脱却する。任されるためには上司と積極的にコミュニケーションをとり成果物の解像度を上げる。
リバースエンジニアリング(なぜ自分は誤ったBという選択をしてしまったのか?を考えて原因を探る)
・成長のマインドセット
他者貢献の思い
折れない心
素直さ
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これ系は、独語になるケースが多い気がしてて避けてたけど、思ってたよりも全然汎用化できる話で書かれてた。さすがや。
なぜなぜ5回の話を、ダイエット中の人が風呂上がりにビールを飲むことに例えるとか、イチイチうまくてもはやウケる。
本題の従弟制のとこは、MGRは成果と成長を両方追わないといけない、とシンプルに定義されてて、それにより成り立つんだよな、ということと、ここがナアナアなケースがやりきれてないケースなんだろうなあという感想。言ってることはごく単純、できるかどうかが別の話。 -
最もレベルの高い知的労働を行うであろうBCG現役のパートナーが執筆したとあって、単なるアカデミックな内容に留まらず、いずれも具体例まで示されている点が非常に興味深い。「何となく知っている」という内容も多かったものの、構造化されて示される事でより深い理解ができ、かつ、実際のマネジメントにも応用が効きやすい内容であった。
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BCGにおけるコンサルタント養成手法を体系化した一冊。若手コンサルタントはもちろん、事業会社の若手や育成担当者・人事担当者が読んでもタメになると思われる。
【メモ】
・パフォーマンスに必要なもの
(1)マインドセット
①他者への貢献に対する思いが強い
②折れない心
③原因自分論を持てる素直さ
(2)スキルの使い方
(3)個別のスキル
・成長=目指す姿と現状のギャップを埋めること
・成長を加速させる法則
(1)オンの時間を増やす
(2)目を肥やす
(3)行動を分解する
(4)実践する、変化する -
BCGには人材育成のベースとなる、2つの考え方(成長の方程式)がある。
①マインドセット(基本姿勢)+スキル
継続的な成長のためには、スキルの他、次の3つの「マインドセット(基本姿勢)」が欠かせない。
1他者への貢献に対する強い想い
2何度もチャレンジを継続できる折れない心
3できない事実を受け入れる素直さ
②正しい目標設定+正しい自己認識
人が成長するためには、あるべき姿を正しく定義して、自身がどういう状態にあるのかを理解する必要がある。
成長スピードの速い人は、次の4つをすべて実践している。
①スイッチ“オン”の時間を増やし、常に学ぼうと心がける。
②良い手本に多く触れ、自分の「目を肥やす」。
③自分の行動を「分解」し、1つの経験から多くのことを学ぶ。
④とにかく実践し、学びの機会を増やす。
効果的な育成のためには、業務を分解して難易度別に分け(一番難易度が高いのが「論点で与える」で、以下「仮説で与える」「タスクで与える」「作業で与える」と続く)、本人の実力に合った難易度の業務を任せる必要がある。
①論点で与える:
A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。どうしたらいいか考えてみて。
②仮説で与える:
A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。商品を小売店に運ぶための物流コストがネックになっている可能性があると思うんだけど、調べてみて。
③タスクで与える:
A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。商品を小売店に運ぶための物流コストがネックになっている可能性があると思うんだけど、主力商品のCとDについて、工場から小売店への配送コストがここ3年でどう変化したか、分析してくれる?
④作業で与える:
A社のB事業について、中国市場での収益性が悪化している。商品を小売店に運ぶための物流コストがネックになっている可能性があると思うんだけど、主力商品のCとDについて、それぞれの事業部に問い合わせて、工場から小売店への配送コストのここ3年間の変化を、配送業者ごとにこんな感じの表にまとめてくれる?
育成を着実に進めるには、次のようなPDCAを回す必要がある。
・PLAN:育成を狙った適切な仕事を任せる
・DO:コントロールの範囲内であえて、転ぶまでやらせてみる
・CHECK:適切なタイミングでフィードバックする
・ACTION:行動を意識したアドバイスを行う。伝える際には、より具体的な行動を示す「アクションベース」にする -
BCGコンサルタント2名による、人材の成長について書かれた本。読みやすい内容ではあるが、基本的に徹底された自責スタンスに立っていて内容が良い意味で厳しめなのでハッとさせられる部分が多く、定期的に読み直して背筋を伸ばしたいと思わせられる本だった。
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コンサルで学ぶこと 2日で読める