BCGの特訓――成長し続ける人材を生む徒弟制 (日本経済新聞出版)

  • 日経BP (2015年11月20日発売)
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BCGにてコンサルタントとして働く経験から紡ぎ出された、成長の方程式を言語化、開示した一冊。

特に新卒入社の社員の場合、序盤は全てが新しく学びにつながる経験であるため、離脱しない限り一定の成長は当然のごとく見込める。一方で、一定経験を積んだ上で更なる成長機会をものにしたり、成長速度を加速していくためには、「成長」に対して押さえるべき要諦が複数存在し、これの言語化がなされている。

いくつか本書から得られた気づきを以下に記載する
・成長=機会に触れる量×機会から得られる学びの質、とも整理できる。前者を向上するために必要なことは、能動的なマインド/行動であり、フロントローディングな働きかけを行うことで、チームでの信頼感を獲得し、更なる機会を任せられるというフローになる。後者はPDCAの速度、粒度の細かさが肝要と想定。PJ内における自身の思考、行動を振り返り、継続してこれを改善していく姿勢が必須
・根本的に成長とは能動的なプロセスであり、また仕事の目的そのものではない。根本の目的はクライアントに対する貢献であり、これを達成するための手段が成長である(成長することによってクライアントに対する貢献意識も醸成される側面があるため、序盤は一定成長の目的化も重要と想定。ただこれも数年単位で脱すべきスタンスと思う)
・成長の根幹にあるのが「自分原因論」。これは全て自分が責任を背負い、耐え忍ぶべきということではなく、自分の中に少しでも原因があるのであれば、それは自らの意識によって変えられるという能動的なスタンスのこと。

上記以外が主たる気づきであるが、書籍の中でも言及されていたように、ある意味において当然のことがまとめられていると少し穿った見方もできる。一方、これらの意識を持った人材が既に社内で多数を占め、組織に根付かせる風土があるということがBCGの妙であり、「分かってはいるが実践できない」というところに、個々人の成長の難しさがあるのだろうと理解した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 仕事
感想投稿日 : 2022年3月9日
読了日 : 2022年3月9日
本棚登録日 : 2022年3月9日

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