ブルックリン 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]

監督 : ジョン・クローリー 
出演 : シアーシャ・ローナン  ドーナル・グリーソン  エモリー・コーエン  ジム・ブロードベント  ジュリー・ウォルターズ 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
3.43
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142227812

感想・レビュー・書評

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  • 個人的な前置き。
    シアーシャ大好きおっさんにも係わらず、うっかり当分以前に見たつもりでいた。
    が、それは「17歳の肖像」と混同していたのだった。
    俺のばかばか。
    時代も場所も異なり、少女が都会で成長するくらいしか共通点ないじゃん、と思ったが、実はどちらも脚本家ニック・ホーンビィが関わっているのだった。
    テイストとして無関係ではないと判ってホッ。
    また、大人になってから好きになって、なるべく出演作を追っているのが、まさにシアーシャ・ローナンとキャリー・マリガンのふたり。
    ふたりがこのたび頭の中で並んだとき、あ! シアーシャはSさんに似ていてキャリーはFさんっぽい、と自分が好きになりかけていたふたりを思い出した。
    実生活での恋慕を予め抑圧するためにこのふたりの俳優を好きになったのではないか、と。

    以上自分語りおじさんの前置き終わり。
    以下は連想おじさんの箇条書きへ。

    ・序盤の田舎からの脱出欲。ここで結婚せよという圧は凄まじかったろう。
    ・そりゃ大西洋を渡るんだもな~船の船酔いの酷さ。船室のトイレに鍵をかけられて入れずバケツを。吐く前に尻を突っ込むあたり、イイネ! したい。梶尾真治原作・鶴田謙二作画の「おもいでエマノン」を思い出したりして。
    ・ここで長距離航海のノウハウを教えてくれる、宮崎駿監督「魔女の宅急便」のウルスラっぽい先輩女性の存在が、その場限りなのに印象深く、よい(後半にも効いてくる)。
    ・さてニューヨークはブルックリンに来たエイリシュが、デパートの売り子をライスワークにするわけだが、この移民や民族やの感覚はアメリカの都市部の感覚なんだろうな。
    ・トッド・ヘインズ監督「キャロル」でルーニー・マーラが演じたのも、1950年代のブルックリンのデパートの売り子だった。
    ・エイリシュの下宿の女たちは移民のコミュニティだが、ここの姦しさは勝手に、ルカ・グァダニーノ「サスペリア」(2018)を連想した。
    ・下宿の長とかデパートの上司とか、このへんで気づいたが……、この映画は(決してあらゆる層に訴える水準の)劇的ではないからこそ、登場する役者の顔力で「もっている」。もちろん調度品や衣装や美術やの丹念さ込みだけども。
    ・なんでもアイルランドを表す緑の服がシアーシャを彩り続け、アイルランド→アメリカはブルックリンへと移行する過程を示しているんだと。このカラーコーディネートは見ている最中も気づいたし、大事だと思った。緑→赤っぽい印象も。
    ・ところでイタリア人彼氏の「背の低さ」もまたしっくりくるな、と。エイリシュがスパゲッティを食べる練習とか、細部も文化的に面白い。
    ・さらにところで、簿記を習うの、というところで、ボキ、と聞こえてびっくり。「bookkeeping」がボキと聞こえるみたい。語源どうこうではなく偶然の一致かしらん。
    ・サザエさん的髪型。前髪を降ろしておでこを隠すのは男女ともに、世界大戦後の感覚なのだとか。
    ・姉との手紙でホームシック、姉の死、帰郷、故郷の男とNYの男を比べて、という、「よくある話」へ中盤から雪崩れ込む。この辺、関係は薄いしベクトルも違う高畑勲監督「おもひでぽろぽろ」の田舎の醜悪さを思い出したりもした。都会と田舎は逆転しても「そいつ選んでも今後大変じゃろー(それは相手ゆえではなく自分ゆえ)」というところも。
    ・全体を通じた感想としては、親からも異性からも職場からも、あらゆるところから「求められる立場」になった女性、という、国や性別だけでなく能力的に私と真反対の立場の人物が主人公で、なかなか想像力が及びきらなかった。「結局よゆーなんでしょ」、と僻み目線もあって。
    ・田舎と都会でふーらふら、田舎の洗練されたイケメンと都会の生活感ありありの男の間でふーらふら、という構造について、視点人物に高潔さを求めれば眉を顰めるところだが、偶然ちょっと綺麗で偶然ちょっと有能だった女の子の選択と思えば、そのへんにある何でもない話とも思える。が、その何でもなさと、求められ続ける感じが、齟齬を来している、とも感じた。倫理的に許せないから失敗せよと恨むほどではないが、なんだかなーと。
    ・どっちの男を選べば幸せなのかという基準に、視聴者を誘導する無意識の価値判断への違和も、ある。あっちとくっつけと応援することを促されるような作り。
    ・まあ眼福だったのは間違いない。

  • 2016/12/31 シアーシャ.ローナン 瞳が いつもキラキラ輝いてて目ヂカラあるから ついつい、物語にも引き込まれてしまう。ブルックリンってタイトルが どういう意味なのかラストで分かるところがいいですね。アイルランドからブルックリンに渡り 勉強や新たな世界を知る ホームシックから やがて街に慣れて彼氏も出来る(秘密の?結婚も)母親を任せる形で美人な妹想いの姉を置いてブルックリンへ…姉の突然の死で 自分の故郷に戻り 気持ちが揺れ動く 実際そんな体験した事がないので分からなかったけど、故郷の田舎の狭い世界は 直ぐに噂が広まる そして 彼女の決め手になったのが 居てほしいのか?出て行ってほしいのか?どうでもよい事に翻弄される町だという事を思い出させる。何かを新しく知り そこに古きを見て真実と向き合うのは大切だと思う。

  • 1950年代、不況のアイルランドからニューヨークに移民してきた女の子エイリッシュが、デパートで販売員をし、夜間学校で簿記の資格をとって、ハンサムなボーイフレンドを見つけ、、とニューヨーク・ブルックリンでの生活に適応していく話。
    最愛の姉の訃報と、それに伴う帰国という一時のイベントがあり、姉の後釜としての仕事と、紳士になった旧友との恋愛にゆらぐも、最後はニューヨークに戻る。
    田舎娘が新たな世界で自分の人生を掴んでいった。それはありきたりな話だけど、テンポもいいし、劇中の会話が面白い。ブルックリンで住んでる寮の、女の子たちと寮母との食事シーンが好きです。化粧品のセールとか恋愛の話とか普通のガールズトークなんですが、やたら神様が絡んできて笑えます。笑 イタリア系の彼と食事するためにスパゲッテイの食べ方練習したり笑

    一方で若くして病に倒れたお姉さんは対照的すぎて、あまりに可哀想ですが・・。

    主演のシアーシャ・ローナンは”気取ってないけど芯のある女性”の役が本当に合いますね。
    いろんな場面で彼女の表情に魅せられる。場面場面での覚悟を決めた顔の演技がとても良い。喋りすぎない映画の中で、とても魅力的な女優さんです。

  • アイルランド イギリス カナダ/2015年/ジョン・クローリー監督/シアーシャ・ローナン 出演

    律儀に丁寧に丁寧に物語が進行する。ケレン味もこれ見よがしの映像美もなく、スクエアな製作姿勢に静かな感動がある。激しくならないので、時に退屈なんだけど、そんなこと気にしてる風もない。激しく自己主張したり、観客に媚びたりしない。こういうスタイルっていつまでも心に残るだろうなと思う。

    アイルランドからブルックリンに出てきて、最初仕事がうまくいかないが、善意に恵まれて簿記の勉強をし、彼が出来て最初どうなることかと思ったことがうまく転がっていく。しかし、そこで、姉が急死し、少し故郷に帰ることになる。その前に彼の要望で結婚する。戻ると、姉の後の仕事を頼まれ、また新しい彼が出来て、彼女はどうしたものか悩む。近所の人に、結婚していることがばれて、ブルックリンに戻る。

    清純で真面目な女の子の半生記もので、邦画でもありそうなテーマだ。プロポーズに口淀んでしまい、翌日誠実に回答したり、近所の人のチクリに、この町が嫌いだといったいいシーンがあるが、彼女の態度というのは不誠実なもので、結婚したら、まずは母親に報告すべきところだろう。打算が働いているのか、こんな清純で真面目そうな子でも女はかくあるといいたいのか。イタリア男よりもしたたかであるというとらえ方がいいのか。

    お姉さんは母親の世話をするということで地元に残ったのに、またブルックリンに戻って、お母さんはどうするのか。どうもアイルランドに戻ってからの彼女の葛藤があまり描かれておらず、作品としては不足を感じる。

    でもまぁキチッとした製作姿勢が見どころなのでいいのだけど。

    キネ旬2016 9位、中野翠2016年ベストテン
    アカデミー賞3部門(作品賞、主演女優賞、脚色賞)ノミネート

  • ありがちな物語を品位漂う作品に押し上げたのはシアーシャ・ローナンの演技に負うところが大きいでしょう。アメリカ帰りの彼女の垢抜けぶりは眼を見張るほどでした。自由の国アメリカに行かなければ、「こういう町だった」とは気づかなかったでしょうね。どっちの彼の方が幸せになったかはわからないけど、納得できる選択をした彼女は正解だと思います。

  • 2017/07/24
    なんで結婚したことを親にも隠したままにしてたのかが謎だけど、故郷でちょっと揺れ動いちゃった気持ちはなんとなくわかる。
    わかるからこそ、見ていてイライラしてしまった。
    そこからブルックリンに帰る決断をちゃんとしてくれてよかったと思う。

  • ファッションがお洒落。田舎娘の主人公がアメリカに移住し、どんどん垢抜けて綺麗になっていくのが良い。

    主人公に共感してこんなに自分に重ね合わせながら洋画を見たのは初めてかも。あっという間に広まる噂、いじわるな婆さん、どこの国でも田舎はこうなのかな。いじわるな婆さんに言い返すシーンが主人公の成長ぶり、聡明さが出てて好き。

    よくある設定ではあるけど、その分上京したことがある人なら共感出来るし、何より画が綺麗でとても品のある映画だった。

  • 新生活が始まる今の時期に観るのがぴったりな映画だった。

  • アイルランドの文化、風景、服装、好きでした。
    ひとりの女性の人生、移民としての立ち場。

    映画としては美しく綺麗だったけど、なんだかもっと深く見たかった。
    あらすじ的で、今の私には物足りなかった。

  • おすすめ資料 第372回(2017.3.17)
     
    1950年代のアイルランドからアメリカへ移民した女の子の物語です。

    主人公は、緑豊かな故郷から突然ニューヨーク・ブルックリンの喧騒の中へ飛び込み、はじめは戸惑いながらも、周囲の人の力を借りて新しい生活を見つけていきます。

    故郷を離れる人、新しい生活を始める人の多い季節です。

    たった一人で海を渡る主人公の姿は、不安を乗り越えて進む勇気を与えてくれるかもしれません。


    【神戸市外国語大学 図書館Facebookページへ】
    https://www.facebook.com/lib.kobe.cufs/posts/1234999233216446

  • 移民でなくても移民の心情を追体験できる映画。

  • 地方出身娘の上京物語。
    1950年。アイルランドの内気な田舎娘がひとりN.Y.に出て来て新しい暮らしを始めます。
    新しい生活に馴染んだ頃、一旦帰国し、母や幼馴染が暮らす地元の暮らしにも惹かれます。
    彼女が選んだ暮らしは…という映画でした。

    ちょっぴり映画の主人公に似ているなと、学生時代の秋田の友達を思い出しました。
    上京した人たちはみんな
    新しい暮らしのなかで、ホームシックになったり、
    多少なりと映画の主人公のような経験をしているのでしょう。
    地元には戻りたくない、という奴もいたっけな。それぞれ色んな想いがあるのでしょう。
    上京経験者は共感できるものが多い映画なのかなと思います。

  • 故郷を離れて、遠い地に一人で行ったことがある人なら共感すると思う。

  • いい映画やった。

    ちょっとイライラもしたが(笑)
    この時代が好きだな。

    雰囲気が最高!

  • 少し息苦しく窮屈だと思っていた地元を離れて、遠くの街で一人暮らしを始めた頃のことを思い出しました。

    私に姉はいないけれど、家族から届く手紙は封を開けるだけで何故か涙がこみ上げる時期がありました。
    知らない土地、慣れない仕事、流れに身を任せてみたけれどどこかで無理をしていた自分。
    初めて聴くアイルランドの唄がとても懐かしいものに感じるくらい、私にとって自然な作品でした。

    後半はまだ1つ2つ捻りがあるのかと思っていたけれど、この終わり方からその時の彼女の一番の幸せが見えて好きです。

    ラブリーボーンでのS・ローナンを思い出したり、アイルランドの砂浜の風景に、ハリーポッターの貝殻の家を思い出したりもしました(あっちのロケ地は西の海岸のペンブルックシャーみたい)。

    追伸:トニーがエイリッシュを見つめるときの瞳を見ていると恥ずかしさがこみ上げます。とってもいいね。

  • 離れた故郷を想いながら見知らぬ土地で人生を切り開いていくうち、いつの間にかそこが自分の居場所になっている事に気付かされる時がくる。そういうたくさんの移民達が作り上げてきた国なんだな、アメリカは。

  • アイルランドからアメリカ・ブルックリンに渡った女の子が素敵な大人の女性へと成長するお話。

    船旅で酔い、新大陸でホームシックにかかり、デパートで不慣れな仕事をし、夜間大学で簿記の勉学に励み、やがてイタリア系青年と恋に落ちる。
    青春だあ、と観てて思った。
    素直で聡明な田舎娘が都会の洗練された女性へと変貌していく過程を、化粧の色合いとファッションの明るい色彩で表現していくその細やかな演出は、センスの良さと相俟って心憎い。

    移民とは職を求めて故郷を離れ他国に移住する人たちのことを指すが、移住目的は経済的動機だけではないことが映画から窺い知れる。田舎の因習や伝統、世界観の狭さ、そこで繰り返さる日常の息苦しさから逃れることも、海外に移住する動機でもあり得るし、きっとそうなんだろう。(ラスト近くのエイリシュにまつわる噂をわざわざ本人を呼び出して話した食料品店の意地悪ばあさんのエピソードが象徴的)。
    ホント、故郷とは愛着と嫌悪の相反するものが染み込んだ土地だ。

    主演のシアーシャ・ローナンの演技も見事。可愛いね。
    ただ、どのシーンもドラマチックに描かれているが、どれも予想の範囲内で、いまひとつ物足りない。(これ実話だから、こんなこと言ったら失礼だろうけれど)
    もちろんシーンごとに涙を誘うし、観終えて幸福感に満ちた気分になるんだけれども。その点が残念だった。

  • 故郷についてのあれこれ思うこと
    アイルランドからブルックリンへ発ち、ブルックリンであれこれ葛藤してるまではすごく、ものすごく面白かった。
    突然の訃報でブルックリンへ再び戻ってからすごくつまらなくなってしまったのが残念。
    イタリア人の彼氏ができ、その家族との団欒、小憎たらしい恋人の弟、寮の意地悪そうな姉さんたちとのやりとり、デパートの仕事。いろんなことがよかったのにな。
    田舎には住めないな〜って思った、
    そうそう、田舎ってあんなイメージ。
    おしゃれで雰囲気よくてコミカルなのでよかったです

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