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感想・レビュー・書評
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敵とは戦うな、戦わずして勝て、的な、いわゆるゆるキャラ的な発言が多かった。的は追い詰めすぎると何をするかわからないから逃げ道を残しておけ、最も怖いのは完膚なきまでに相手を叩きのめすことであるといった、戦い以外でも交渉やビジネスに役立つ名言があった。
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老子について訓詁学的な解説と時代背景による解釈がされています。
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2000年以上にわたって読み継がれてきた中国古典『老子』。
“人類の教科書”ともいうべき普遍性を持つこの書の思想を、平易な現代語訳で紹介する書籍。
『老子』は、老子が著した書である。
しかし、老子という人物については諸説あり、何者かははっきりしない。前漢に著された『史記』の「老子伝」には、3人の人物が候補者として挙げられているが、その正体は謎に包まれている。
『老子』の今本は、上下2篇に分かれ、上篇37章、下篇44章、合わせて81章から成る。
『老子』は『老子道徳経』とも言われるように、「道」と「徳」についての論述が中心となっている。そして、「道」を宇宙論的な観点から捉え、「徳」よりも上位に置く思想が顕著である。
「道」とは、一切の現象の根底に永遠に存在する、天地自然の摂理ともいうべきものだ。老子は、天地自然を観察し、世界は微妙なバランスの上に成り立つことを発見した。また、万物は究極的に「道」という根元に復帰すると述べている。
「徳」(心の持ち方や身の処し方、および社会的な問題)については、聖人の為政について語ったものが多い。例えば、聖人が持つ「3つの宝」の1つとして「倹」、すなわち倹約を挙げている。これは、単なる物質的な倹約ではなく、心の働きが奢侈になることを惜しむ考え方である。
『老子』の独特な思想の1つに、水の尊重がある。
老子は、水の特性を人の生き方に結びつけ、人の最善のあり方を水にたとえた。水は、柔弱でありながら最高に強く、へりくだって低い位置にありながら最高に貴い存在を象徴している。