アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史 (ちくま新書) [Kindle]

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  • 縄文人の文化・特徴はアイヌ民族に引き継がれているという本。遺跡の分布などから縄文の文化がどのようにアイヌへ伝わっていったかを解き明かしていく。

    特に面白かったのはイオマンテ(熊送り)の話。北海道で最強の生物である熊の儀式があるのは当たり前に思っていたが、どうも元々は熊では無かったらしい。元は本州で行われていた猪飼育の儀式があり、それを北海道に持ち込んだ人達がいた。当初はわざわざ猪を輸入することで儀式を続けていたが、本州との交流が途絶えると代用品として熊を使うようになったというわけである。

    自分たちが引き継がなかった文化を引き継いでいる人達がいるというのも面白いが、伝統も遡れば違う形をしていたことを知るのはもっと面白い。

  • 大陸から渡来した弥生人によって縄文人は日本の南北に追いやられた。弥生人は米作、鉄器など縄文人より高度な文明を持ち込んだ。僕の知識はおおよそこんなものでした。

    おそらく、そういう側面もないではないが見方としてはまったく間違っていると思った。狩猟民族として、また交易の民として弥生の人々は縄文の人々を必要としたし、縄文人も弥生人(大陸の文明)を必要としたと思う。
    関東を拠点とした武家政権が生まれたのも、この両文化の接合点であったし、徳川家康が江戸に拠点を置いたのだって、秀吉が警戒して遠くに追いやったなんてそんなシンプルな話で片付けられるんだろうか。
    弥生と縄文は混交し、日本人の心はこれらふたつの軸で構成されただろう。しかも、決して融合しようのないこのふたつの軸をふわっとまとめて消化してしまうところが我々日本人の心性ではないか。

    などなど、多分に僕の浅知恵、妄想です。すんません。
    これからも度々このテーマを追って本を読んでみたいと思っています。

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