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感想・レビュー・書評
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普段TVで見るのとは違い(?)しっかりと将棋界の歴史をひふみんが語ってくれます。「将棋の歴史」と題名を変えてよいのではないかというぐらい、よくわかります。,,,以下ハイライト。,・最後の家元出身名人となった伊藤宗印(十一世名人)が、優秀な弟子を残しました。それが実力制名人に移行する前の最後の世襲制名人となった関根金次郎(十三世名人)です。,・自分の名誉よりも、将棋界の未来を優先した関根が「近代将棋の父」と呼ばれるのも当然のことでしょう。,・段位は過去の実績を、順位戦のクラスは現在の地位を示す,・「なにかを決めるときは、決めた人間が損をするようにしろ」とは丸田さんの名言です。
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最近将棋に対する熱が再燃しており、非常に面白くてたまりません。観るのも好きですし、指すのも好きなのです。
もともとは小中学生のころに少し触れていた程度だったのですが、去年たまたまテレビをつけた際に映ったのがNHK杯の中継で、激しい終盤戦に目に奪われ面白さを再認識したのが再燃のきっかけです。
この日をきっかけに将棋に触れる機会も自然と増え、現役の一線級の棋士の方々はだいぶ覚えました。しかし、引退した棋士や亡くなってしまった棋士の方々に関する知識が私にはありませんでした。大山さんや升田さんなど名前を聞いたことはあるものの具体的にどんな将棋を指していたのか、どのくらい凄かったのかということが、いまいち整理されていないのです。
この本は中学生で四段となりプロデビューをし、今年引退されるまで60年以上棋士として活躍されてきたまさに将棋界の生き字引である加藤九段が書かれた、これまでの将棋界の歴史やそれを彩ってきた棋士の方々のエピソードなどをまとめた本です。
主に昭和から平成が中心ですが、歴史の話として江戸時代から始まっており、名棋士の活躍ぶりやエピソードがたっぷりと紹介されています。
個人的にはやはり大山さん升田さんに関する話が最も充実していた印象があり、昭和を中心とした将棋の歴史を学ぶには最適の一冊だと感じました。
本書のおかげで将棋界の歴史を学ぶことができました。ぜひとも加藤九段にはもっと歴史やエピソードを後世に伝え残してほしいと思います。
ちなみに棋譜の解説も一部ありますが、全体の1割に満たない程度となっています。購入の際の参考になれば幸いです。